譲渡会へ参加する前に知ってもらいたいこと
愛護団体や保護団体などによって保護されている犬たちには、どういった犬なのかという定義が一切ありません。様々な理由によって家族を失ってしまった犬たちです。そんな犬たちの譲渡会を定期的に行っている団体や自治体があり、インターネットで検索すると情報を得ることができます。
譲渡会へ参加する前に、どんな犬を希望するのか、まずはじっくり家族で話し合って決めましょう。いきなり譲渡会へ参加しても、たくさんの犬がいますので「この子だ!」と直感で決めるのは難しいと思います。犬種・年齢・性別・カラダの大きさ・性格など、大まかで良いので決めておきましょう。団体や自治体のホームページには犬の写真が掲載されていますので、写真を見て「この子に会ってみたい」と参加してみるのも良いと思います。
希望に合った犬と出会うことができても、必ず譲渡してもらえるとは限りません。団体や自治体によって「この家族には譲渡することはできない」と判断されてしまうこともあります。そういったこともあるということを理解しておいて欲しいです。
譲渡の条件はとても厳しい!?
団体や自治体や譲渡会によって異なりますが、よくある譲渡の条件をご紹介しましょう。
※これからご説明する項目は、必ずしも全ての里親団体に当てはまる条件ではありません。里親に応募する際は必ず事前に里親団体等に条件を確認しましょう。
- 1.必ず不妊手術または去勢手術を行うこと(希望しない繁殖を防ぐことと病気を予防するため)
- 2.狂犬病予防注射と混合ワクチンの接種、フィラリア予防糖の健康管理を必ず行うこと
- 3.必ず室内で飼育すること
- 4.同居する家族全員の同意を得ること
- 5.住まいがペット可であること(賃貸の場合)
- 6.一人暮らしの方は譲渡会へ参加することができません
- 7.高齢者の方への譲渡はできない場合があります
- 8.先住犬がいる場合、先住犬が避妊または去勢されていなければ譲渡できません
- 9.中学生未満の子供がいる家庭へは譲渡できません
このような条件がありますが、「なぜ?」と疑問に思われるような条件があるかもしれません。私にはあります。避妊または去勢を必ずしなければならないことです。うちには避妊と去勢をしていない愛犬がいますが、人間の都合によって本来あるべきものを失って欲しくないという思いからです。それぞれに部屋を与えることで問題なく暮らしています。
※これらの条件はあくまで一部の保護団体の条件であり、すべての保護団体がこの条件というわけではありません。
譲渡会へ参加し、家族として迎えるまでの手順
- 1.譲渡会へ参加し、犬と会う
- 2.希望する犬がいる場合は里親申し込みのためのアンケートに答える
- 3.アンケートの内容をもとにスタッフと交渉する
- 4.保護主と里親希望者との合意が得られたらトライアルのための調整をする
- 5.犬を自宅に迎え、トライアルを行う
- 6.トライアルを無事に終えることができたら譲渡される
- 7.譲渡歩も保護主の追跡調査が行われる
アンケートについて
このような流れによって譲渡されます。アンケートとは、家族構成や住まいの状況や職業など細かく調査されます。その内容によって譲渡できるかできないかを保護主が判断します。もちろん、里親希望者と実際に会って話をしてみて、性格や雰囲気なども見られています。お金持ちで立派な一軒家に住んでいても譲渡されるとは限らないのです。
トライアルについて
トライアルでは、実際に犬を自宅に迎えて一緒に暮らします。期間は犬によって異なります。自宅には保護主も訪れます。家族の様子や自宅の環境などを確認することが目的です。また、トライアル期間を終えて譲渡された後も譲渡後の追跡調査があり、状況によっては保護主に犬を返さなければならなくなってしまうこともあります。
こんな譲渡もあります
中には、一人暮らしの方や高齢者への犬の譲渡を積極的に行っている団体があります。もし、譲渡した高齢者の方が病気で入院しなければならなくなってしまったとき。カラダが不自由になり施設へ入居しなければならなくなってしまったとき。どうしても犬を手放さなければならなくなってしまったとき。そのようなときには再び犬の受け入れを行っているからです。
まとめ
譲渡会には家族のお迎えを待っている犬がたくさんいます。ペットショップやブリーダーのもとへ行く前に、団体や自治体のホームページだけでもまずは見てみませんか?どんな犬がいるのか、実際に会いに行ってみるだけでも良いと思います。
実際に犬に会って触れ合ってみると、「犬が好きだから」「犬は可愛いから」「犬を飼うことが憧れだから」そんな理由だけでは、一緒に暮らすことができないということがよくわかります。
ペットショップやブリーダーと違い、トライアル期間があるということが犬にとっても人間にとっても良いことだと思います。元飼い主から飼育を放棄され、カラダもココロも傷ついてしまっている犬がいます。そう簡単には懐いてくれないかもしれません。
うちにも元保護犬がいますが、未だに家族以外の人が近づくことや触れることを許してくれません。私以外はお散歩できません。同居犬以外の犬とは仲良くできません。暮らしてみてからも大変なことがたくさんあるんです。
どこから犬を迎えるかが重要なのではなく、覚悟と責任と愛情が十分である必要があると思います。