動物看護師としての資格
現在、日本にある動物看護師としての資格は、2011年に設立された「動物看護師統一認定機構」という団体が認定する、「認定動物看護師」という資格があり、21,235名 (2018年7月9日現在)の方が登録されています。この資格によって、これまでいくつかの民間の団体がそれぞれ行っていた資格認定が、統一されました。
この「認定動物看護師」の資格は、動物看護師の公的資格化を目指す取り組みの一つでもあります。
「認定動物看護師」の資格を取得するためには、「動物看護学」を教育する専修学校、あるいは大学で必要単位を修め、試験に合格しなければなりません。
試験では、「解剖学」「免疫学」「病理学」「法律」「倫理」といった基礎的なことから、「受付」「状況ごとの看護」「各種疾患」などの応用についてを広く問われます。
動物看護師として働くために、「必ずこの資格を取らなければならない」という資格はありません。ですので、資格を持っていなくても自学自習と経験で、立派に勤められている方もたくさんいらっしゃいます。
ですが、これから動物看護師を目指す方たちは、まずこの資格の取得を目指していくことになるでしょう。
看護以外の資格について
トリミングに関する資格
トリマーに関連する資格は、民間の会社や団体がによる試験に合格することで取得することができます。
ジャパンケンネルクラブの「JKC認定トリマー」が最もメジャーで、C級・B級・A級・教士・師範の5つのクラスがあります。
トリマーの資格は国家資格ではありませんが、資格が一定の技術力の証明となっています。
しつけに関する資格
「ドッグトレーナーライセンス」や「JKC公認訓練士」といった資格があります。
動物看護師の中にも、犬のしつけやトレーニングについて専門的に勉強している方がいます。
しつけ等に困ったとき、かかりつけの動物病院に、こういった資格を持っている方がいると心強いですよね。
その他によく見られる資格
「愛玩動物飼養管理士」という保健衛生、公害問題、動物の疾病予防、各種動物の飼養管理、犬猫のしつけ等の普及する指導員の養成を目指す資格です。この資格は動物取扱責任者の資格要件のひとつとして、国や自治体から認められている資格です。
日本ペット栄養学会認定の「ペット栄養管理士」という資格があります。ペットの栄養管理ができるようになるための資格です。合格のためには、この食材は食べていいものなのか、どういった栄養が必要なのかといった栄養学の知識が必要になります。
まとめ
現在、一口に「動物看護師」といっても、統一された資格があるわけではありません。そのため、動物看護師になるまでに勉強してきていることは、その人によって様々です。
トリマーとしての勉強をしていて、シャンプーや皮膚のケアについて詳しい方や、訓練士の勉強をしていてしつけ等に詳しい方など、得意分野を持って働いている方がいます。
動物看護師という仕事は、動物について浅くても広い知識が求められる場面が多くあります。動物看護師には、その中で自分が得意とする分野を見つけ、自ら学び、時には資格という形でその知識を証明する、ということが求められています。動物看護師は常に勉強を続けていく仕事でもあります。
動物病院のホームページには、スタッフ紹介ページを設けて動物看護師のご挨拶や取得している資格についてを掲載していることがあります。ぜひ、覗いてみてください。
そして何か困ったことがあったときに、その資格を持っている動物看護師に相談してみてはいかがでしょうか。専門的なアドバイスが受けられるはずです。