養蜂業の頼もしい助っ人、ミツバチの巣箱の病気を嗅ぎ出す働く犬たち

養蜂業の頼もしい助っ人、ミツバチの巣箱の病気を嗅ぎ出す働く犬たち

農作物の受粉のために大きな役割を果たしているミツバチ。そのミツバチを飼育する養蜂業で犬たちが嗅覚を使って働いているというニュースです。

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犬の嗅覚パワーを使った新しいお仕事

ミツバチと犬の顔アップ

ミツバチを飼育する養蜂業は蜂蜜を採集するだけではなく、蜜を集める時にハチが花を受粉させる役割を果たすことで、農作物の収穫に大いに役立っています。

アメリカのメリーランド州で、養蜂業のミツバチの巣箱が伝染病の細菌に侵されていないかどうかを査察する農業省の査察官が、訓練した犬を業務に採用して話題になっています。

ミツバチの巣箱を襲う『腐そ病』

ミツバチの巣箱を検査する人

養蜂業において、たいへん恐れられている最大の敵は『腐そ病(ふそ病)』という伝染病です。この病気を引き起こす細菌は人間には無害なのですが、ミツバチの巣箱から巣箱へと瞬く間に広がっていき、幼虫たちが犠牲になります。
巣箱が腐そ病に侵されている場合は、隔離しなくてはならないので、1つ1つ巣箱を開けてチェックしていきます。

しかし4年前に腐そ病検出の作業に採用されたラブラドールレトリーバーのマックは巣箱の外から匂いを嗅いだだけで、病気の存在を検知できます。
4人の人間がフルタイムで働いても、マックの半分の作業量にもならないそうです。

また冬の寒い時期にはミツバチたちは巣箱の中でびっしりとくっつき合うので、人間が目で検査することが困難になるのですが、嗅覚を使う犬にとっては問題になりません。

腐そ病探知犬の育成のためのトレーニング

おもちゃをくわえたスパニエル

マックは飼い主がいない状態で駐車場で暮らしていたところを保護された犬です。マックを採用した査察官のプレストンさん自身がマックを保護して、警察犬ユニットの司令官に訓練の相談をしました。
司令官は犬が見つけるべき匂いとおもちゃを結びつけ、遊びながら訓練する方法を指導しました。
最初は細菌に侵されたミツバチの巣の欠片と一緒にビニール袋に入れて匂いを移したおもちゃで遊びながら、次に匂いをつけた物質を隠してゲーム感覚で探す訓練。
このように犬が楽しみながらハンドラーと信頼関係を築いて行く9ヶ月間の訓練の後にマックはミツバチの巣箱の伝染病探知犬になりました。

現在はマックに続いて、スプリンガースパニエルのトゥッカが探知犬になるための訓練を受けているところだそうです。

探知犬はミツバチたちにもメリット

巣の上のミツバチ

高い確率で伝染病を見つけ出す探知犬は、もちろんミツバチたちにとってもメリットです。
直接に病気を予防するというだけでなく、人間が巣箱を開けて観察することはミツバチにとってストレスになります。世界中でミツバチの減少が大きな問題になっていますが、ミツバチはとても繊細な生き物なのだそうです。

ですから巣箱に触ることなく外から匂いを嗅ぐだけの探知犬は、ミツバチの負担を軽くする意味でも、今後の活躍が期待されています。

マックを採用したプレストンさんは、探知犬のプログラムを他の州にも拡大するための補助金を政府から受け取り、より多くの犬を訓練して行く予定だそうです。

まとめ

イエローラブ横顔

アメリカで、ミツバチの巣箱に広がる伝染病を嗅覚を使って探知する犬の話題をご紹介しました。
嗅覚を使って働く犬たちは、犯罪捜査や警備、医療の検査、そして農業にと実に広い分野で活躍していますね。

世界的にミツバチの数が減少していて、農作物の収穫に影響が出ていると言われて久しいですが、腐そ病がアウトブレイクしてしまうと致命的なダメージになります。
犬たちがそんな危機を救ってくれるかもしれないと思うと、ますます犬に頭が上がらないという気持ちになります。

《参考》
https://www.nytimes.com/2018/07/03/dining/dogs-bees-colonies-sniff-bacteria.html

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