犬に「与えて良い水」と「与えない方が良い水」の違いとは?

犬に「与えて良い水」と「与えない方が良い水」の違いとは?

ドッグフードの種類には気を使っていても、愛犬にどんな水を与えるかということまで気にしている飼い主さんはそう多くないと思います。毎日飲むものだからこそ、本当に与えて良い水とはどのようなものなのか一度考えてみましょう。

お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬に与えるなら水道水がベター

シャワーホースから水を飲むジャックラッセル

ほとんどの飼い主さんが犬に水道水を与えていると思います。犬に与える水としては基本的にそれが最も適していると思います。特に日本の水道水の品質は高く、厳しい基準の元で徹底管理されているものですから、私たち人間も犬も安全に飲むことが出来ます。カルキや塩素の含有を心配する人もいるかもしれませんが、もちろん体に影響を与えるほどの量は入っていませんし一生水道水を飲み続けたとしても何も問題はありません。

ミネラルウォーターなどに比べて非常にリーズナブルなので、飲み切らないうちでもこまめに取り換えたりすることができるのも利点だと思います。また、公園などどこでもすぐに飲ませることが出来るので基本的に犬に与える水は水道水がベターだと思います。

すぐに飲むなら浄水がおすすめ

ボールの水を飲むビーグル

水道水に含まれるカルキや塩素がどうしても気になる、という場合には有害物質を取り除くことの出来る浄水器を通した水を与えるといいと思います。特にアレルギーやアトピー体質などで塩素による影響が心配という場合などには浄水を与えると安心だと思います。ただし、浄水は水道水に比べて菌の繁殖などが起こりやすくなってしまうため、長時間置いておくことには向いていないと思います。

散歩から帰ってきた時や食事の後など、水をたっぷり飲むことが分かっている時などに浄水を用意してその場で飲み切るようにしたり、飲み切らない場合でもすぐに捨てるようにしましょう。夜寝ている間や留守番中など長時間置いておく場合には水道水を利用するなど、使い分けをするといいかもしれません。
ただし、浄水器の種類によってはミネラルなどを添加するものもあるのでそれらの場合は出来るだけ与えないようにしましょう。

ミネラルウォーターは種類や体調に合わせて選ぼう

ペットボトルの水を飲む子犬

ミネラルウォーターはその名の通りカルシウムやマグネシウム、ナトリウムなど食事からでは摂取しにくいミネラル成分が含まれた水のことで、人間の場合は健康のためにミネラルウォーターを選んで飲んでいる人が多いと思います。品質管理もしっかりとされていますし、塩素なども含まれていないためにおいも気にならずミネラルウォーターしか飲めないという人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、犬の多くはミネラルもしっかりと含まれたドッグフードを食べているため水からミネラルを摂取する必要はないと考えられています。むしろ、ドッグフードでバランスの取れたミネラルを摂取しているため、ミネラルウォーターを飲むことでミネラル過多になってしまい尿路結石になってしまう恐れがあると考えられています。ただし、尿路結石については遺伝や体質の要素、あるいは排尿リズムなどが大きく影響するとされ、必ずしもミネラルウォーターだけが影響を与えるわけではないとされています。

しかし、すでに尿路結石の兆候がある犬や親犬など身近にその傾向がある犬がいる場合などは、あえてミネラルウォーターを選び犬に与えるという必要はほとんどないと考えられます。また、硬水の方がよりミネラルが多く含まれているためミネラルウォーターによる尿路結石が心配な場合は日本で採取される軟水のものを選ぶようにするといいでしょう。

犬に与えて良い水と与えない方が良い水の違い

池の水を飲むゴールデンレトリバー

私たち人間が飲む水道水や浄水、ミネラルウォーターはどれも犬が飲んでも問題ないと考えられています。「犬にミネラルウォーターを与えてはいけない」という意見が広まった時期もありますが、実はミネラルウォーターと心配されている尿路結石の科学的根拠を示す研究やデータはほとんどないのが実際のところ。
さらに硬水を日常的に飲んでいる欧米の犬よりも、日本の犬の方が多い割合で尿路結石を患っているということもわかっています。ただし、硬水にはミネラルが多く含まれていることや尿路結石にミネラルが大きな影響を与えることは事実なので体調や体質に合わせて水を選び、与えることが大切です。
基本的には水道水で全く問題ないと思いますが、飼い主さんが納得して与えられるものや飼い主さん自身が安心して飲んでいるものを与えればいいのではないでしょうか。

ただし、日常的に飲用水として使用していない井戸水や池や川の水は出来るだけ飲ませないように注意しましょう。水遊びをいている最中などに川の水などを飲んでいる犬もいますが、自然の中ではどのような細菌が繁殖しているかわかりませんし、寄生虫がいる場合もあります。アウトドアで遊んでいる時などもしっかりと飲み水を用意するように気をつけてあげてくださいね。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。