空港といえば!麻薬探知犬
空港で働くわんこと聞いて、多くの方が思い浮かべるのが麻薬探知犬ではないでしょうか。
麻薬探知犬は昭和54年に導入され、現在では全国の税関で約130頭が活躍しています。
ジャーマン・シェパードやラブラドール・レトリバーといった犬種が多く活躍しています。
仕事内容
麻薬探知犬は、麻薬の密輸入を防止する目的で導入されました。
空港のみならず、全国の港や国際郵便局などに配置され、荷物や郵便物の中に麻薬が混入していないかを調べ、麻薬を見つけた場合にはその場に座ってハンドラーに知らせます。
訓練内容
麻薬探知犬の訓練は約4ヶ月間に及びます。訓練は3段階に分かれており、最初の基本訓練では持来(いわゆる「モッテコイ」)で、ダミーと呼ばれる麻薬の袋と紐づけたタオルを探してくる訓練を行います。
その後、壁の隙間に隠された麻薬を探す壁面捜査と呼ばれる応用訓練を経て、実地で実際の輸入貨物を対象とした熟達訓練を重ねていきます。
テロ対策でも注目!爆発物探知犬
麻薬探知犬に続いて平成14年に導入されたのが、爆発物探知犬です。
空港税関だけでなく、今後、さまざまな場所でのテロ対策としても活躍が期待されているK-9の1つです。
仕事内容
空港では爆発物探知機等の機械を用いた荷物検査も行っていますが、爆発物によっては、機械によるチェックをすり抜けてしまう可能性もゼロではありません。
爆発物探知犬は、そのような爆発物を発見し、重大な事件を防止する役割を担っています。
訓練内容
爆発物探知犬は、爆発物のみを探知するのではなく、麻薬探知犬の仕事も兼務しています。そのため、まず麻薬探知犬の訓練と認定を経て、爆発物探知犬の訓練を修了することになります。
爆発物探知犬は、爆薬に混入している爆発物マーカーと呼ばれる物質の臭いで爆発物を探知します。この爆発物マーカーは探知剤とも呼ばれ、爆発物の探知を容易にするために軍事用爆薬の中には必ず混入させることが条約で義務づけられています。
知っていますか?検疫探知犬
検疫探知犬は平成17年に成田国際空港で導入されたことを皮切りに、現在では全国各地の空港で合わせて28頭が活躍しています。犬種はビーグルが用いられています。
仕事内容
動植物の伝染病が海外から国内に持ち込まれることを防止するため、特定の食品や動植物の持込みについては申請義務が設けられ、検疫検査が行われています。
しかし、売買目的で違法に持ち込もうとする例はもちろん、旅行客が検疫対象であることを知らずに持ち込んでしまう例も後を絶ちません。検疫探知犬は、申請手続きを経ていない対象物が手荷物の中に紛れていないか、臭いによって発見する役割を担っています。
訓練内容
検疫探知犬は、検疫対象物品である肉製品や果物等の臭いを嗅ぎ分ける訓練を積んでいます。
しかし、検疫探知犬の訓練施設は日本にないため、現在国内で活躍している検疫探知犬はみな、アメリカやオーストラリアの専門施設での訓練を受けてきています。
最新導入!銃器探知犬
平成21年に国内で初めて導入された最新のK-9が、銃器探知犬です。現在、成田国際空港において2頭のラブラドール・レトリバーが活躍しています。
仕事内容
銃器探知犬は、拳銃やライフル銃といった銃器はもちろん、銃器に用いられる部品類の臭いまで嗅ぎ分け、違法な銃器の持込みを防止する役割を担っています。
訓練内容
銃器探知犬も爆発物探知犬と同様に、まず麻薬探知犬としての認定を受けたうえで、更に銃器の臭いを判別する訓練を受け、正式に銃器探知犬として認定されます。
現在国内で活躍している銃器探知犬は、いずれもオーストラリアの専門施設で訓練を積み、その後、日本の麻薬探知犬訓練施設で訓練を重ねて実地に配備されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?意外にもいろいろな種類の探知犬がいることに驚いた方も多いのではないでしょうか。
可愛くて賢そうなワンコが働く姿に、思わずなでてあげたくなってしまうかもしれませんが、もし運良く空港で見かけることがあっても、むやみに触るのは絶対に禁止です。
「ガンバレ」は心の中で唱えて、静かに見守ってあげてくださいね。