介助犬が近寄ってきたらどうすればいい?
盲導犬に代表される介助犬、多くの人が仕事中の彼らに話しかけたり撫でたりしてはいけないことは知っています。介助犬たちはとても大切な仕事に集中しなくてはならないので、彼らの気を散らすようなことをしてはいけないですものね。
では、もしも近くにハンドラーがいない状態で介助犬だけがあなたに近寄ってきてアプローチしてきたらどうしたら良いのでしょうか?
ある女性がSNSにこのテーマをアップして、何十万人もの人がシェアし大きな話題になっています。
アプローチも介助犬の仕事の一部
SNSにこのテーマをアップしたのは20歳の女性テッサさんです。
テッサさんは自閉症の介助のために2年半前に介助犬のレイダーを迎えました。
レイダーを迎えた後にテッサさんは新たにてんかんの診断を受け、レイダーはテッサさんがてんかんの発作を起こして倒れた時のための訓練も受けることになりました。
ある日レイダーと一緒に外出したテッサさんは出先で発作を起こし倒れてしまいました。幸い怪我はなかったのですが、レイダーはこのような場合のために訓練された通りにテッサさんの側を離れ助けを呼びに行きました。
レイダーは通りがかった女性に近づき、彼女の注意を引こうとしたのですが、残念なことに女性はレイダーの意図に気づくことができずイライラして「あっちへ行け」と追い払ってしまいました。
この時点でたいへんラッキーなことにテッサさんの意識が戻り、レイダーを呼び戻すことができました。
せっかくの素晴らしい訓練も他の人に通じないと意味がない!
この一件は幸いなことに大事に至らずに済んだのですが、テッサさんはこの日のことを思い返して「今回はよかったものの、もっとひどい発作で意識が戻らなかったらたいへんなことになっていた。もっとたくさんの人に介助犬がアプローチしてきた時の意味を知ってもらわなくては!」と思い立ち、先に書いたようにSNSへこの出来事をアップしたのでした。
彼女は、多くの介助犬は緊急の助けが必要な時にハンドラーの側を離れて誰かを呼んでくるように訓練されていることを説明しました。
介助犬の任務の一部ですから、助けを呼ぶと言っても決して吠えたり飛びついたりしないように訓練されています。彼らは鼻先を手や腕にちょこっと当てて、ついて来て欲しいと言う仕草で人間の注意を引きます。
介助犬(Service Dog)と書かれたベストを着た犬がそういう仕草でアプローチしてきた時には、緊急事態なのでどうぞついて行ってくださいとのことです。
このポストはSNSであっという間に数十万のシェアで拡散され話題になりました。
犬好きを自認する人たちでも、このことを知らなかったと言う人が多く、テッサさんの目的は大きく達成されました。
さらにテレビのワイドショーでもこの話題が取り上げられ、介助犬のトレーナーが登場して視聴者に「ハンドラーのいない介助犬がアプローチして来た時に取るべき行動は“ついていく”ことです。」と訴えかけました。
まとめ
アメリカで、介助犬と暮らす女性が「介助犬がアプローチして来た時は緊急事態なので、犬について行ってください」と訴えたSNSのポストが話題になったことをご紹介しました。
これはアメリカの事例なので、日本の場合はどうなのだろう?と調べてみたのですが、日本ではまだまだ盲導犬以外の介助犬が少なく、情報を見つけることができませんでした。
ただ日本の場合でも、高度な訓練を受けた介助犬がハンドラーなしでアプローチをして来たら、高い確率で何かが起こっていると考えられます。そんな時に、このご紹介した例を思い出して犬の様子を観察して力になりたいものだと思います。
《参考》
https://twitter.com/TODAYshow/status/1009050581191847936