子どもに犬を飼いたいと言われたら…?
子どもに犬を飼いたい!とせがまれるお父さんやお母さんも多いのではないでしょうか。実際、動物の飼育は教育に良いなんてことも聞きますよね。実際にお父さんやお母さんが動物を飼育した経験がある場合、犬を欲しがる子どもの気持ちはもちろん、命を飼育する大変さというもお分かりだと思います。
子どもの犬が欲しいという気持ちは大切にしたいものではありますが、それには「人も犬も幸せ」であることが大前提です。犬を飼うということは、同時に大きな責任が伴うものでもあります。しかし、犬が欲しいと言った子どもが初めからその責任の重さを理解しているかというと、そうではありませんよね。だからこそ、私たち大人が命を飼うことについて、その責任を知って、覚悟を持つ必要があります。そしてそれを子どもに伝える必要があるのです。
今回は「子どもに犬を飼いたいと言われたら考えるべきこと」をご紹介します。
犬を飼う前に考えるべきこと
1.命を飼う責任を持つことができるのか
犬を飼うこと、それは命を飼うことと同じです。そのためそこには責任が伴います。例えば国から定められている「登録責任」や「予防接種を受けさせる責任」。犬が病気をした時に「治療を受けさせる責任」や、犬が人間社会で快適に暮らすための「しつけをする責任」。その最期の時まで飼育を続ける「終生飼養の責任」に「埋葬を行う責任」もあります。
これらは命を飼う以上、当たり前の存在する責任です。命を飼う以上、「知らなかった」「想像と違った」は通用しません。これらの責任を負うことができるのか、今一度よく考えてみる必要があるのです。そして子どもにもこれらの責任が生じることを伝えましょう。
2.生涯かかる費用を支払うことができるのか
犬を飼育する以上、さまざまな費用が発生します。買って終わり、ではありません。毎月の食費はもちろん、医療費や生活品費、トリミング費やワクチン代などもかかります。犬の平均寿命を15年とした場合、その生涯費用は「300万円」程必要だといわれています。
子どもが犬を飼いたいといった場合、この費用を出すのは親になるでしょう。自分たちの生活費だけで精いっぱいだという家庭では、残念ながら犬の飼育はできません。欲しい気持ちだけでなく、こういった費用についても具体的に考えましょう。
3.飼育環境を用意できるのか
飼育費用と同じように具体的に考えておきたいのは飼育環境についてです。犬を飼育するには、その犬に合わせた飼育環境が必要です。犬の体の大きさや性質に合わせた飼育環境を用意できるのか。犬が自由に動き回ることができるスペースや、体を十分に伸ばして眠ることができるスペースがあるのか。温度管理ができる環境にあるのか。子犬期だけではなく、成犬期や老犬期になった時にそれらの環境を十分に準備できるのかを
具体的に考えてみましょう。
4.時間を費やせるのか
犬を飼育する場合、お世話の時間についても考える必要があります。朝晩2回のご飯の準備や1日数回のトイレの片付け、毎日の散歩に遊び。これらは暇なときにすればいいものではありません。犬の平均寿命である約15年間、毎日必要です。病気になったら看病の時間も使います。老犬になったら介護も必要になります。
子どもも初めのうちは楽しんで散歩に出かけるかもしれません。しかし、毎日のお世話となると継続することは難しいかもしれません。犬を飼う以上、家族で飼育する必要があります。子どもが面倒を見ないからといって、一度飼った以上、放置することはできません。15年間、毎日お世話をできるのか。しっかりと家族で考えましょう。
5.なぜ飼いたいと言っているのか
子どもはなぜ犬が欲しいと言っているのか。それをよく聞いてみましょう。おもちゃと同じで一過性の気持ちで欲しいと言っているのであれば命は飼えません。なぜ犬が欲しいのか。犬を飼う場合どういった責任が伴うのか。家族でよく話し合ってみてください。
まとめ
動物を飼うということは大人であっても簡単なことではありません。犬を飼う場合、それが失われた時のことも考えなければいけません。命はいずれ消えます。その覚悟も同じように持って飼育できるのか。犬を飼うことは、家族全員で命について考えるきっかけになります。
今回ご紹介したような様々な責任や覚悟を認識して犬を飼うことができれば、きっと家族にもたらされるものも、とても大きなものになるのではないでしょうか。