犬の輸入方法2種類のメリット・デメリット
「犬を輸入する」ということは、日本人にとってはあまり親しみのない言葉ではないでしょうか。しかし、最近では実際に犬を輸入している方も増えているようです。犬を輸入する方法は大きく分けて2種類あります。
- 生体輸入の代行業者に依頼する
- 個人的に海外のブリーダーを探す
この2種類にはそれぞれ長所と短所があるので、ご自身の状況や出来る範囲内で方法を決めていただきたいと思います。
代行業者に依頼するメリット
輸入代行とは、輸入する際に必要な書類全ての作成や検疫の準備、各種申請や海外政府機関とのやり取りの全てをサポートし、代行してくれます。
安全性や確実性が高いため、インターネットが苦手な方、複雑な書類申請が苦手な方、海外からの輸入が初めての方、英語に自信のない方にオススメしたい方法です。
代行業者に依頼するデメリット
代行業者を利用するということは、それに伴う仲介料が掛かります。また、全ての代行業者が良質な業者とは限りません。業者の中には悪質な業者もいますので、どの業者に頼むか、事前にしっかりと調べることも大切です。
次に、個人的に輸入する際についてご紹介します。
個人的に探すメリット
自分でブリーダーを調べてやり取りを行うため、代行業者に頼む際に発生するような仲介料は一切かかりません。また、英語が出来る方であれば、場合によっては代行業者に依頼するよりも良好な関係性での輸入が可能になることもあります。
自分の家族になる犬を迎え入れるために自分で頑張りたい!という方、またはあの犬種をどうしても家族にしたいけど費用は抑えたい、という方には個人輸入がオススメできるのではないでしょうか。
個人的に探すデメリット
一番気を付けておきたい問題は、英語が曖昧なまま取引をすることです。実際に予定日に犬が現地に到着しない、自分が迎え入れたいと考えていた犬種ではない犬種が日本に届いたなど、詐欺に遭うケースも少なくありません。被害に遭う確率を少しでも低くするために、自力でできるか否かはしっかりと見極めましょう。
犬の輸入にかかる費用
輸入にかかる実際の費用は、どこの国から日本に来るのか・期間がどれくらいかかるかによっても変動があります。代行業者に依頼する方は、どの業者に依頼するかによっても変動してくるでしょう。
基本的なイメージとして、全て問題なくわんちゃんが日本に到着する場合、獣医師の往診などの必要経費含め20〜30万円程度で他国(清浄国)から新たなわんちゃんを家族に迎え入れることが可能です。ただし、わんちゃんによっては検疫所に送る必要がある場合もありますので、その費用を頭の隅にイメージしておきましょう。
犬の輸入にかかる期間
まず、輸入前に指定地域での飼育を180日以上していることが条件の1つにあります。もし180日経たずに日本に到着したとしても日数の計算が行われますので、そちらの期間の短縮はできない、ということだけは確実に頭に入れておきたいところです。
ただ、日本に到着してからの手続きは想像してるよりも時間がかかりません。例えば、オーストラリアのケアンズ(オーストラリア上部の日本から最も近い空港)から日本までの飛行時間は約7時間40分ですが、実際に日本に到着後の事務手続きは1時間程で終わります。
つまり、飛行時間の7時間40分は全く考える必要がありません。少しでも早く新しい家族と対面するためにも、是非動物検疫所が推奨している書類を準備する、または確実に依頼をしましょう。
ただし、検疫所に送ることになった場合は係留期間によりますので、こちらも費用同様変動があることを忘れないでおきましょう。
犬の輸入に必要な準備
ここで、個人輸入の際に必ずしなければならないこと簡単に説明していきたいと思います。
どこの国から輸入するか決める
狂犬病は、世界で年間5万5千以上が発生していると言われており、日本では狂犬病に対して厳しいチェックを行っています。そのため、農林水産大臣が指定している清浄国(狂犬病が発生していない国)から輸入することが一番スムーズに輸入できる方法といえます。
現在指定されている地域は、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの6地域になっています。(2013年7月25日現在)
ブリーダーを決める
国が決定したら、次は家族に迎え入れたい犬種を育てているブリーダーを決めます。ここで注意すべきポイントは、優良なブリーダー(シリアスブリーダーと呼ばれるようになってきています)か否かです。
しかしながら、こちらの基準についてははっきりと定められた規定があるわけではありません。そのため、自分にとって優良だと感じるブリーダーを探すことが大事なことではないかと思います。
輸入予定日の40日前までに書類を提出
輸入予定日が決まったら、40日前までに提出する必要がある書類「動物に輸入に対する届出書」を動物検疫所のホームページからダウンロードして下さい。お近くに動物検疫所がある方は、直接行って話を聞くのもオススメです。
その後は書類に必要事項に記入の上、到着する空港(港)を管轄している動物検疫所に直接又はFAXや郵便で提出をします。または、NACCSというシステムを通して提出することも可能です。
ブリーダーに書類を送る
犬の輸入には様々な書類が必要になります。具体的には、輸出国の政府機関発行の証明書や輸入に関する届出の受理書、更に動物検疫所から追加で依頼があれば、その書類が必要となります。特に政府機関発行の証明書は、日本が推奨している様式があるため、可能であればあらかじめブリーダーにその旨を伝えることをオススメします。
日本に到着した犬を迎えに行く
日本に無事到着し、検疫を出た後、その子犬はとうとう新しい家族になります。空港の場合、空港に指定の便の到着を確認次第、指定航空会社から動物検疫所へ提出すべき書類を受け取り、提出します。その後書類や子犬の生体に問題が無ければ、これで手続きは終了となります。
輸入後30日以内に日本の犬として登録
最後に忘れてはいけない手続きがあります。それは、輸入後30日以内に日本国内の犬としての登録をすることです。受け取った輸入検疫証明書を、お近くの市町村窓口へ持参し、登録手続を行って下さい。また、輸入検疫証明書のコピーがあればマイクロチップ番号の登録もできます。もしもの時のために、確実に登録しておきましょう。
ここまでの一連の流れが、犬を清浄国から輸入し、新たな家族として迎え入れるまでの流れになります。
まとめ
今回は「犬の輸入」についてご紹介してきました。信用できるブリーダーを見つけること、政府や検疫、さまざまな課題とやるべきことがあり、読みながら頭が痛くなる方もいらっしゃると思います。しかしながら、犬は「家族」です。
それを忘れずに、ご縁を感じるわんちゃんと出会った、日本にはいないわんちゃんを家族にしたいという気持ちのある等理由はそれぞれかと思いますが、是非方法の1つとして輸入をするという手段を考えてみてはいかがでしょうか。