犬が本気噛みする理由とは?
侵入者や攻撃してくるモノに対して威嚇し、本気で噛みつくことはあると思いますが、飼い主さんや家族に対して本気噛みをしてしまう犬の場合、どのような理由があるのでしょうか。
実は、甘噛みと本気噛みには共通点もあります。また、甘噛みがエスカレートして、本気噛みになってしまうこともあるので、未然に防ぐ必要もあります。
監修ドッグトレーナーによる補足
本気噛みする理由その①「構ってもらっていると勘違いしている」
甘噛みがエスカレートして本気噛みになってしまう理由は、噛むことで飼い主さんが構ってくれる、遊んでくれると勘違いしてしまっているからです。
これに対してはとくに子犬の頃のしつけが関係しています。犬は噛むことが大好きですし、それが本能なのですが、噛んで良いものと悪いものを理解させなければなりません。
構ってあげるとき、遊んであげるとき、本気で思いっきり噛んで遊んでも良いものは「おもちゃ」であって、人間の手ではないことを教えてあげましょう。
遊びやコミュニケーションとして飼い主さんの手を噛んでくることもあると思いますが、甘噛みと本気噛みの違い、噛んで良いものと悪いもの、などを理解している犬の場合、甘噛みよりももっと弱い力ですし、噛むというよりも加えるという程度です。
ほとんどの犬の場合、母犬や兄弟犬と過ごす中で「噛む強さ」「噛む痛み」などについて学んでいます。噛んで良いものと悪いものは飼い主さんが教えてあげましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
本気噛みする理由その②「寂しい気持ちをあらわしている」
お留守番が多く、飼い主さんと愛犬とのコミュニケーションが不十分である場合、寂しいという気持ちから本気噛みしてしまう犬がいます。
先に①でご紹介したことを合わせると、寂しい気持ちから飼い主さんに構って欲しくて、本気噛みすることで構ってもらえるのではないかと勘違いしてしまっているのです。
愛犬と過ごすことができる時間には限りがありますが、少しの時間でもたくさんの愛情を注いであげることで、寂しさを埋めてあげることが出来るのではないでしょうか。
お留守番の間、何時間でも飼い主さんのことを思って待っています。
「お留守番ありがとう」「会いたかったよ」という気持ちをたくさん伝えてあげてください。
本気噛みする理由その③「OKしてもらえると思っている」
噛みつくことで「痛い痛い!わかったわかった!」と何でも許してしまっていませんか?
「噛みつく=要求する」ことで、飼い主さんがOKしてくれると勘違いしてしまっているのです。
本気噛みをやめさせるためには?
ご紹介した①②③の事柄は、どれも飼い主さんに問題があります。
愛犬に対する態度やしつけに関して、飼い主さんが改めることで本気噛みをやめさせることができる可能性があります。思いっきり噛んで遊んでも良いけど、人間の手はダメ、自分のおもちゃで遊ぶこと、などを理解させる必要があります。
愛犬に寂しい思いをさせていませんか?
私たちには友達もいますし、ゲームをしたり本を読んだり映画を観るなどの楽しみもありますが、愛犬にとっては飼い主さんだけです。お散歩に行けるかどうかも飼い主さん次第。お休みの日、遊びに連れて行ってもらえるかも飼い主さん次第です。
そして、「噛みつく=要求する」に対して、応えてしまわないようにしましょう。要求が通らなかったとき、本気噛みすることで要求を通そうとします。「遊んで欲しい=噛みつく」ではなく、「遊んで欲しい=おもちゃを持ってくる」などに変えることができると良いのではないでしょうか。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬の噛む力について
甘噛みなのか、本気噛みなのか、見極めるのってなかなか難しいですよね。小型犬の甘噛みと大型犬の甘噛みでは、私たちが感じる痛みに大きな違いがありますし、遊びがエスカレートすることで噛む力がだんだん強くなってくることもあると思います。
犬の噛む力はカラダの大きさだけではなく、犬種によっても大きく異なります。とあるデータによると、人間の噛む力が30kgほどであるのに対して、小型犬の噛む力は100kgほど、大型犬の噛む力は200kgほどであるとされています。
たとえば、ロットワイラーは160kgほど、ジャーマンシェパードドッグは200kgほどであるとされており、もしも犬に本気で噛みつかれたとしたら、人間の指の骨なんて簡単に粉砕されてしまうレベルであるということです。
犬種によっては闘犬として人間が作り出した犬もいますが、そういった犬種はもっともっと強い噛む力を持っているのではないでしょうか。
犬に本気で噛みつかれてしまっては、とても大変なことです。まずは甘噛みなのか本気噛みなのかをしっかり見極め、それぞれに合ったしつけが必要です。本気噛みでお悩みの飼い主さんがいらっしゃるのであれば、犬が本気噛みする理由を知り、改善する必要があります。
監修ドッグトレーナーによる補足
甘噛みと本気噛みの違い
甘噛みの場合、多少の痛みはありますし、痛みの強さは人によって違いますが、犬が明らかに加減を理解していることがわかると思います。
本気噛みの場合、骨を噛み砕かれ、皮膚は簡単に引き裂かれてしまうほとの威力です。擦り傷や切り傷になったり、歯型がついたり、出血することもありますが、その程度なのであれば本気噛みではないでしょう。
まとめ
まずは、甘噛みと本気噛みの違いを見極め、それぞれに合ったしつけが必要ですが、犬が本気噛みしてしまう理由と原因は飼い主さんにあります。
愛犬が本気噛みしてくるのはなぜなのか?理解してあげることが早期改善に繋がるのではないでしょうか。