犬の寒さ対策 防寒方法や外で飼う時の注意点

犬の寒さ対策 防寒方法や外で飼う時の注意点

寒さもだんだんと強まってきた季節。外飼いのワンちゃんの寒さ対策はしていますか?犬は寒さに強い生き物だといわれていますが、それでも十分な対策が必要ですよ。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬の寒さ対策が必要な理由

ブランケットにくるまる犬

寒い冬がやってきます。犬は寒さに強いといわれていますが、室内飼いであっても、外飼いであっても寒さ対策をしてあげる必要があります。

そもそも、全身毛におおわれ、いっけん暖かそうに見える犬が、なぜ寒さ対策を行う必要があるのでしょうか?

寒さの感じ方は犬種によって変わる

本来、犬は寒さに強い動物だといわれています。しかし、何も対策をしないわけにはいきません。

また、犬種や個体、年齢、生活環境によっても寒さへの耐性は異なるため、犬をひとくくりにはできないのです。特に外飼いで飼育している場合、直接寒さの影響も受けるため、十分に対策してあげたいものです。

寒さに強い犬種と弱い犬種の違い

ポメラニアン

犬はその原産地や犬種、身体の大きさや生活環境、年齢によっても寒さの感じ方が異なります。人間も寒さの感じ方はひとそれぞれ異なりますよね。

犬の場合、「寒さに強い」といえるのは下記二つの特徴を持つ犬種だといわれています。

  • 寒冷地原産の犬種
  • ダブルコートの犬種

「寒さに強い犬」は寒冷地が原産国である、シベリアンハスキーやアスカンマラミュートなど。

「ダブルコートの犬種」といえば、ポメラニアンやゴールデンレトリーバー、柴犬やボーダーコリーなどがあげられます。

逆に「寒さに弱い」といえるのは、これらが当てはまらない下記の特徴を持つ犬種になります。

  • 暖かい国が原産の犬種
  • シングルコートの犬種

暖かい国が原産で、シングルコートの犬種は、寒さに弱い傾向があるといえます。

ダブルコートの犬がみんな寒さに強いわけではありませんが、シングルコートの犬よりは寒さから身を守ることができる被毛の構造を持っていることになります。

また子犬や高齢犬、病中病後の犬などの場合も、犬種問わず寒さに弱いため、寒さ対策が必要になってきます。

犬の寒さ対策のポイント①「適温に保つ」

ソファーで眠る犬

犬にとって寒い、暖かいと過度に感じない「適温」とはどれくらいなのでしょうか。

  • 室温:24℃前後
  • 湿度:50%~60%

この気温が快適かどうかは、犬種によっても異なりますが、一般的に上記のような温度・湿度が適切であるといわれています。人間が快適に感じる環境と同じであることが多いでしょう。これらを目安に愛犬の環境を整えてあげましょう。ただ、寒さに強い犬は逆に暑さに弱い、暑がりということですので、冬の室温を飼い主さんが快適な温度にしていると暑がる、寒冷地が原産の犬もいるでしょう。

犬の寒さ対策のポイント②「寒さのサインが出たら適温に調整する」

丸まる犬

犬が快適に感じる温度と湿度はわかりました。しかし実際に犬が「寒さを感じているのか」は人間のように聞く事が出来ません。

そこで、犬が見せる「寒さのサイン」を読み取ってあげる必要があります。

犬が寒さを感じている時のサイン

  • 震えている
  • 身体を小さく丸めている
  • 水分摂取量が減った
  • 動きたがらない

これらのサインが見られた時、それは寒さが原因の可能性があります。

寒さのサインが出た犬への対策

すぐに室内の温度を上げ、場合によってはペットヒーターなどの暖房グッズを利用したり、犬の体の温度が下がらないようにブランケットを敷いたり服を着させたりしてあげましょう。

また、このような状況ではすでに犬の体に負担がかかっていることになるので、サインが出る前に対策するのがベターです。そのためには、愛犬の身体の動きや体調の変化を見逃さない事が大切です。

日ごろから愛犬の体調をチェックしたり、対策方法について調べたりして、愛犬の体調管理を行ってあげましょう。若い頃は平気でも、年をとると寒さが身体への負担となります。去年大丈夫だったから今年も大丈夫だろう、と安易に思わずに、その時々の犬の体調や様子を見てどの程度の寒さ対策が必要か、判断してあげましょう。

外飼いの犬の寒さ対策

雪の中の犬小屋

特に外飼いの犬の場合、犬からのサインを見落としがちです。少し寒いくらいでは平気そうな犬でも、真冬には心配になりますよね。そんな外で飼育している犬の防寒対策をご紹介します。

犬小屋の防寒対策

  • 毛布やセーター
  • 湯たんぽ

まずは寝床として使っている犬小屋の防寒対策をしてあげましょう。最も簡単なのが「毛布やセーター」を置いてあげることです。犬がくるまって寝ることができるように、暖かな毛布や着古したセーターを犬小屋へ置いてあげてください。犬にとっても自分のにおいがついた寝床で寝ることで安心できます。頻繁な洗濯ははばかられるかもしれませんが、ダニやノミの温床になる恐れもあるため、定期的に日に当てる、適度に洗濯もするなどの対策も行いたいものです。犬が噛み千切って飲み込むことがないように注意しましょう。

電気毛布などを入れることが出来ればいいですが、コードを噛み千切るといった危険もあるため、そういう時は「湯たんぽ」をタオルや毛布でくるんで入れてあげましょう。ペットボトルにお湯をいれるだけでも暖かさを確保できます。比較的すぐに冷えてしまうため、こまめにお湯は入れ替えてあげてくださいね。湯たんぽでもお湯を入れたペットボトルでも、しっかりとタオルなどでくるんで低温やけどをしないようにしましょう。

また、嫌がらないようであれば、服を着せるのも良いですね。この場合にも、服を噛んでしまうことがないか、よく観察してあげましょう。

犬小屋周りの防寒対策

  • 断熱シートや段ボール
  • 犬小屋の場所替え

犬小屋の周りに「断熱シートや段ボール」を設置するだけでも防寒対策になります。風をよけ、寒さが入らないように周りの対策もしっかりと行いましょう。また、冬は犬小屋の位置を夏と替えることも検討してください。日が当たり、風を犬小屋の入り口正面から受けないような位置へ移動させてあげましょう。

まとめ

暖炉の前で飼い主と暖まる犬

真冬には対策をすることはもちろん、氷点下となるような場合は暖かい室内に避難させてあげることも大事です。犬が寒さで体調を崩すことがないように対策をしたいものですね。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 匿名

    我が家は大型犬を飼っていますが、現在14歳のシニアで、若い時は外のハウスでずっと生活していました。ここ数年は家の中に入れてあげていますが、外で飼っていた際は、寒さ対策は充分にしてあげていました。記事にもあるように、ハウスの中には毛布を重ねて置いてあげたり、夜の冷え対策として、格子になっている場所に段ボールで風よけをしてあげたりしました(写真あり)。全部隠してしまうと不安なので、顔が出る部分は開けてあげるように工夫しました。そして、やはり衛生面も大切ですね。毛布などをずっと敷いたままにしておくとダニなどの恐れもあるので、日中は天日干しをしたり定期的に洗濯したりしました。我が家のように、シニアになってきたらだいぶ寒さに弱くなってきますので、もし可能ならば夜だけでも玄関の中に入れてあげてほしいと思います。
    匿名の投稿画像
  • 投稿者

    10代 女性 てとめる

    外で飼われている犬は確かにみんな毛布を小屋の中に敷いてもらっているのをよく見かけますね。あとうちの地域は風が強いので小屋も結構、頑丈なタイプでこの記事に書いてある通りダンボールなんかでおおわれてたりしています。冬の間や夜は室内に入れてもらっている犬も多いですね。個人的な意見にはなりますが、最近は飼い犬に対しても暴力を行う人もいて事件が起きていたりしていますし、毛布があってもやはり冬の寒さは耐えるのが犬にとっても大変なので夜は室内に入れてあげてほしいなと思います。部屋に入れると毛が気になるなんて方は玄関先でも良いと思いますね。玄関先だけでも風も防げるし室内には変わりないので愛犬にとっても過ごしやすくなると思います。
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