異臭がするとの通報で民家から100匹以上の犬猫の多頭飼育が発覚!

異臭がするとの通報で民家から100匹以上の犬猫の多頭飼育が発覚!

テキサス州の住宅地で異臭がするとの通報があり警察が調べたところ、1軒の民家で27匹の犬と84匹の猫が酷い状態で飼育されている事が判明。数十人のボランティアの人達が6時間もかけて救出しました。

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多頭飼育

異臭がすると通報

テキサス州タラント郡のケラー市の住宅街で異臭がするとの通報があり、警察が周囲の調査を行ったところ、ある1軒屋の敷地内に停められていたミニバンの中でケージに入れられた複数の犬と猫たちを発見しました。

100匹以上の犬と猫を発見

そこで、警察から依頼を受けたヒューマンソサエティ・オブ・ノーステキサス(動物愛護協会)が乗り出し令状をとりその家の中も調査したところ、車の中だけでなくガレージや家の中など合計111匹もの犬と猫がいたのです。

なんとその家では、27匹の犬と84匹の猫がとても酷い状態で飼育されていたのです。

劣悪な環境

テキサスの夏はかなりの高温になります。ちなみに救助の手が入った日の気温は摂氏32度もありました。

そんな暑い中で、空調設備もない状態のガレージの中には、複数のケージが乱雑に積み重ねられており、猫や犬たちが入れられていました。車の中も同様でした。エンジンの切られた車の中に積み重ねられたケージ、その中に猫達が14匹も入れられていたのです。

そして家の中も同様で、バスタブの中にまで複数の子犬たちが詰め込まれていました。

写真を観ても判りますが犬猫たちが置かれていた環境は、非衛生的で暑さの中で糞尿まみれというまるで生き地獄のような状態でした。

救出

複数のボランティアスタッフが犬と猫達すべてを救出するのに、6時間もかかってしまいました。

救出された犬猫たちはすべて、長期間劣悪な環境に置かれていたことでかなり衰弱しており、脱水状態、栄養失調、そしてなんらかの病気を抱えており、すぐに治療が必要な状態でした。

しかしながら、不幸中の幸いだったと言えるのは、すべての犬猫達が生きて救出されたということです。もしも、近所の人たちからの通報が遅れていれば、助からなかった命が出ていたかもしれません。

現在、救出されたすべての犬猫達は、ヒューマンソサエティ・オブ・ノーステキサスによって手厚い治療を受けています。

健康状態が回復次第、これらの犬猫達の里親探しが行われるそうです。

報道

この多頭飼育の救出劇は、複数のメディアが取り上げました。

下記リンク先にTVで放送された実際のニュース映像があります▼
ケラーの家から100頭以上の動物を救出 - CBSテキサス

条例違反

ケラー市の条例では、1軒の家で4匹以上の動物を飼育することはできないとしており、警察は現在、動物虐待の罪でこの家主を刑事告訴する方向で動いているそうです。

日本の過去の多頭飼育崩壊

日本でもこのような多頭飼育崩壊のニュースが各地で続いています。

2012年、東京町田市で105匹の猫達の多頭飼育崩壊が起きました。

2014年、鎌倉市のマンションで87匹の猫達が放置状態で、そのうち生存していた54匹が救助されました。

2015年、北海道札幌市でペットショップで購入したわずか2匹の猫が原因で7年の間に110匹にまで増えてしまい多頭崩壊し、ニュースになりました。

2016年、首都圏で子供が拾って来た2匹の猫から6年で80匹にまで増えて多頭飼育崩壊が起きてしまいました。

2017年、長崎の高齢者の家から50匹のマルチーズが救出されました。

これらは、ほんの一部です。多頭飼育崩壊は、全国各地で頻繁に起きています。

日本の多頭飼育現場

▲日本の多頭飼育崩壊現場

避妊・去勢を避けた結果

多頭飼育崩壊を起こしてしまう飼い主さんは、その殆どが、もとは愛犬家愛猫家です。中には野良猫、捨て犬などを助けようと保護され続けたことで増えすぎて手に負えなくなったケースもあるでしょう。

犬や猫は、毎年2回、複数の子たちを出産します。避妊・去勢せずに飼育していると年々物凄い勢いで増え続けてしまいます。

その結果、あまりにも増え続けたため、適切な世話ができなくなり、放置状態となって多頭飼育崩壊が起きてしまいます。

最初は”犬や猫が好き”という気持ちからだとしても、手に負えなくなって放置すればそれは”犬や猫たちに対する虐待行為”となってしまいます。

『避妊・去勢にはお金がかかる』もしくは『避妊・去勢なんて可哀想』という気持ちが、結果的に、『避妊・去勢手術以上にもっとお金がかかる』ことになり、『避妊・去勢手術以上にもっと可哀想な目に遭わせてしまう』ことになってしまうということをちゃんと自覚しなければなりません。

日本の多頭飼育現場

▲日本の多頭飼育崩壊現場

最後に

避妊・去勢せずに雄雌の両方を飼育するということはそのままの状態にしておくと増えて当然のことなのですが、そんな単純明快なことが判らず、アッという間に手が付けられない状態となり多頭飼育崩壊は起きてしまいます。

全身麻酔を伴う避妊・去勢手術に関しては、賛否両論がありますが、何かあってからでは遅すぎます。

例えば雌1頭しか飼わないから大丈夫と避妊しないことで、卵巣脳腫や子宮蓄膿症などの病気を将来発生するリスクは極めて高くなります。病気にかかり弱った状態で、しかも高齢になってからの全身麻酔での子宮・卵巣摘出手術程危険なものはありません。また、その手術代は避妊手術代をはるかに超えるものとなります。

体力のある健康な若い状態での避妊・去勢をすることは、犬や猫のためにもなり、そして飼い主さんのためにもなるのではないでしょうか?

※尚、この記事及び写真の掲載に関しましては、今回111匹を保護したヒューマンソサエティ・オブ・ノーステキサスの承諾を得て行っております。
※また、記事中の日本での多頭飼育崩壊現場の写真掲載については、動画作成者の"ぼくらはみんないきている”で個人で動物保護活動をされているChinatsu Irieさん作成のYouTube(https://www.youtube.com/watch?v=P_TcSkBRV3A)より抜粋させていただきました。Chinatsu Irieさんには使用許可を頂いております。


P.S.複数飼い主さんへ:どうか多頭飼育にならないようにくれぐれも注意され、犬猫達をこのような可哀想な目に遭わせないように心からお願い致します。

1匹の犬

▲日本の多頭飼育崩壊現場

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