犬の4ヶ月と社会化期について
社会化の時期
犬の社会化とは、犬が将来出会うことになる見知らぬ犬や人、騒音などの様々な刺激に慣れること、つまり「犬が社会に順応する力を養うこと」です。様々な刺激に慣れることができる期間を社会化期と言いますが、社会化期は生後4週~13週頃とされています。
犬にとって重要な社会化
社会化期は、脳神経の発達が一番急速に起こる時期です。人間で言うと生後6ヶ月~3歳までの2年半の成長を、犬はたった10週で終えてしまいます。]
「三つ子の魂百まで」と諺にもあるように、3歳までが人間の性格形成に重要とされていますが、その3歳までにあたる子犬の社会化期は、やはり人間と同様に重要な時期です。
他の犬や人、物音に怯えたり、過度に吠え続けたり、見知らぬ人や犬に咬みついたり、ビクビクしてお散歩ができないなどの犬の問題行動は、社会化不足が大きな原因になっています。社会化できないと犬は、毎日ストレスにさらされながら生きていくことになります。
逆に社会化できれば、一生を通じて幸せな生活を送ることができます。ですから、できるだけ早く子犬を外に出して、いろいろな刺激に慣らしてあげることが必要です。
社会化期にできるだけ多くの良い出会いと楽しい経験を積んだ子犬ほど、性格のよい優れた家庭犬として育つことができます。
社会化を学ぶ方法
子犬の社会化期の前半となる生後2ヶ月ぐらいまでの間は、親犬や兄弟犬と接しながら犬同士のコミュニケーション方法を学びます。
その後、新しい飼い主さんの元で、人間との触れ合いや世の中の様々な刺激に慣らすことで社会化されていきます。
子犬が新しい飼い主さんのところへ迎え入れられるのは生後7週~12週がほとんどですから、様々な刺激に慣らすこと、つまり社会化を始めるのは早いに越したことはありません。では、飼い主さんはどのように子犬を社会化させればよいのでしょうか。
家の中の刺激に慣れさせる
家電音やチャイムなどの生活音に慣れさせましょう。音に敏感なタイプの子犬には、怖がらないように徐々に小さい音から慣れさせていくのが良いです。
外の世界の刺激に慣れさせる
乗り物や踏切などの音に慣れさせましょう。最初は子犬を抱っこするか、スリングの中に入れて短距離を歩き、少しずつ距離や時間を延ばすのがおすすめ。
あらゆるタイプの人に慣れさせる
老若男女、あらゆるタイプの人と触れ合う機会を作りましょう。友人を家に招いたり、子犬を抱っこして近所を散歩していろいろな人に触ってもらったり、おやつを与えてもらうとよいでしょう。ただし、触れ合うのは、子犬のストレスにならない程度に。因みに、生後13週までに100人の人と触れ合うことが世界基準になっています。
犬同士で遊ばせる
できるだけ他の犬と遊ばせましょう。動物病院などで行われているパピークラスに参加するのもおすすめ。
早めにお散歩デビューをする
子犬を社会化するためには、生後3ヶ月台にお散歩デビューをさせるのが有効と言えます。早めにお散歩デビューをすればたくさんの犬や人と触れ合え、外の世界の刺激にも慣れることができます。
社会化の臨界期である生後3ヶ月台に散歩に出て、たくさんの犬と遊び、いろいろな人に可愛がってもらうことで、子犬は友好的な性格になれます。そしてこの時期の子犬は、一緒に遊んでくれた年上の犬や可愛がってくれた人を自分の身内のように感じ、そうした相手には自分からは攻撃を行いません。
このようにお散歩デビューは、社会化のために生後3ヶ月台にするのが望ましいのですが、生後4ヶ月を過ぎると逆効果になります。なぜかというと、社会化期の次には恐怖期が待っているからです。
恐怖期とはどういうものなのでしょうか?
犬の4ヶ月と恐怖期とは?
恐怖期の時期
子犬が生後4ヶ月を過ぎると特有の時期に入ります。それは、恐怖期と呼ばれる時期で、「第2の恐怖期」とも呼ばれます。第1の恐怖期は、生後8週~9週の間に訪れます。短期間ですので、子犬が怖い思いをしないように、家の中で静かに過ごしていれば終わってしまいます。
問題は、第2の恐怖期。期間が長く、時として時期がずれることもあります。恐怖期は、生後4ヶ月~12ヶ月の間に3週間ほどあると言われていますが、個体差があります。
恐怖期にはどのようなことが起こるのか
第2の恐怖期に入ると、警戒心や不安を感じやすくなります。この時期に子犬が他の犬に吠えられたり、乱暴に扱われたりすると、一生のトラウマになってしまいます。
社会化の臨界期の子犬であれば、大人の犬から多少乱暴に扱われても、遊びの一環として受け入れられますが、恐怖期の子犬は同じ扱いを攻撃と感じてしまいます。そして、子犬は恐怖期に自分を怖がらせた相手を敵とみなし、一生を通じて吠えたり、攻撃的に振る舞うという結果になります。
恐怖期とお散歩デビュー
もし、警戒心や不安を感じやすい第2の恐怖期とお散歩デビューが重なったらどうなるでしょうか?外の世界を知らないまま恐怖期にお散歩デビューをすれば、外の世界の強い刺激が全て怖くてそのまま記憶に残ってしまいます。
また、飼い主さんが子犬を見知らぬ犬に無理やり引き合わせたりすれば、飼い主さんまでも恐怖の対象になってしまいます。ですから、第2の恐怖期とお散歩デビューが重ならないように、また社会化できるように、早めにお散歩デビューをすることが望ましいのです。
しかし、お散歩デビューを遅らせてしまう罠が…。
犬の4ヶ月について散歩が遅れる原因
お散歩デビューを遅らせる罠とは「ワクチン」。ワクチンを3回接種すると3回目が終わるのが生後14週~16週ぐらいになり、それまで待っていると社会化期が終わって第2の恐怖期に突入してしまいます。
その結果、第2の恐怖期とお散歩デビューが重なるという最悪のパターンに。そして、知らない犬や人に過剰に吠えたり、咬みついたり、ビクビクしてお散歩ができない犬になってしまうのです。
では、お散歩デビューを遅らせないためにはどうしたらよいのでしょうか?
お散歩デビューを遅らせないために
獣医師に相談する
ワクチンが完了していないうちにお散歩デビューをさせるのは、犬の感染症が怖いですね。そこで、地元の獣医師に、今その地域でどんな感染症が流行っているのか聞き、子犬の社会化のために早くお散歩デビューをさせたいけれど、どうしたらよいか相談してみるという方法があります。
有能な獣医師であれば、ワクチンの抗体価を測定して、散歩してもOKか判断してくれるかもしれません。
有料の施設を利用する
お散歩ではありませんが、社会化の手段として、ワクチンの接種途中でも受け入れてくれる子犬の幼稚園や保育園のような有料の施設を利用するのはどうでしょうか。こうした施設ではワクチン接種済みの犬が相手をしてくれたり、同じぐらいの月齢の子犬同士で遊ばせることもできます。
まとめ
犬にとって社会化はとても重要です。しっかり社会化するためには、お散歩デビューを早めることが有効ですが、ワクチン未了でのお散歩には感染症のリスクがあります。
しかし、恐怖期にお散歩デビューをして、しっかり社会化できないのも問題です。わが家の愛犬は、生後2ヶ月でケンネルコフに罹患し、完治したのが生後4ヶ月だったので第2の恐怖期に入っていました。ケンネルコフの治療中は他の犬との接触が禁止だったため社会化ができず、2歳になった今も他の犬と仲良くできません。
社会化期にお散歩デビューをするか、恐怖期にお散歩デビューをするかは飼い主さんの判断です。獣医師と相談しながら、愛犬にベストと思われる時期にお散歩デビューをさせてあげてください。
ユーザーのコメント
女性 匿名
うちには4ヶ月の時に来ました
なのでお散歩デビューは5ヶ月と遅かったのですが全然大丈夫でした
やっぱりその子、その子で違うような
女性 匿名
女性 犬人
社会化期をうまく過ごせなかった犬が、いろんな環境刺激に全く動じずおりこうさんでいられるというのを私は見たことがありません。
ドッグカフェでぎゃん吠えしたりランで大暴れして飼い主の呼び戻しもきかない、お散歩で他の犬とすれ違いざまに吠える、インターホンや掃除機の音にもナーバス、歯磨きをさせてくれない、薬を飲ませられない、おもちゃを取ろうとすると咬む吠える唸るなどなどなど「・・でも普段はお利口で良い子なんだよね」と社会化問題をかき消している人も多いです。
40代 女性 匿名
10代 男性 匿名
もうすぐお散歩デビューしようと考えてますがうちのキャバは何も気にしないおバカさんなので大丈夫だと思います
40代 女性 rose
同じように、知り合いの犬は子犬の頃にパグに体当たりされてビックリしてしまったようで、大人になった今でも鼻ペチャ犬種全般が苦手とのこと。その犬も鼻ペチャ犬なのですが、鼻ペチャ犬がダメになってしまったようです。
幼少の頃のトラウマは根深いようです。
20代 女性 ゆゆゆ
初めは抱っこ散歩でした、でも重いので長距離は無理で降ろしながらちょこちょこと笑
降ろすとぴたっと微動だにしなくなるんですが、ちょこちょこと慣れてきて降ろして歩いてみると今度は地面の材質が変わるところがまた怖いらしくてびたっと動かなくなってました笑
早めにランデビューさせたりお出かけたくさんするにつれて平気になっていき今ではそんな頃もあったなぁと懐かしく思います笑
女性 きゃらめるしょこら
自宅などでの出産した犬以外の仔犬はブリーダーやペットショップなどから仔犬を迎えるのがほとんどですよね。
私が先住犬を迎えたのは生後2ヶ月になる前くらいで、新入りの方は生後6ヶ月ほど経っていましたから、特に大事と言われる仔犬の社会化期は過ぎていましたし、ペットショップで過ごしていたため親犬や兄弟犬などと過ごしたわけではないため、犬にとっては良いとは言えませんよね。
犬種やもともとの性格もあるのでしょうが、先住犬はワクチンが終わる頃には散歩に出たり、そこそこ色んな経験も早い月齢でしていた為、あまり恐怖期はなかったですしお散歩も練習などせずともすぐに歩き何事にも興味津々で、犬はお散歩が好きなんだと思っていた為、お散歩を怖がる、嫌がるなど初めて知った先は驚きました。
新入りちゃんは、迎えた時から怖がりでお散歩で歩けるようになるまでひと月ほどはかかったと思います。
先住犬がいないと抱っこ抱っことなり、散歩に行きだして半年くらいは匂いを嗅いだりする余裕もなく、今でこそあちこち興味を示したり、匂いを嗅いだり、ここに行きたい!とアピールすることもありますが、散歩だけでなく何事にもビビりなのは今でも変わりません。
躾と違い、犬が感じる感情や捉え方は治すという事ができません。本質はなかなか変えれないですし、慣らすことで改善する場合もありますが、逆効果になる事もあります。
理想は仔犬のうちから迎えて、お散歩や他のパピーのわんちゃんと早い時期から触れあい、この時期に様々な経験をさせながら躾面以外のことでもたくさん経験させてあげたいですが、そうはいかない事も多いですよね。
仔犬の社会化期は大切だし、早いうちからのほうが楽とも言えるんですよね。
ですが、無理に社会化期をするのではなく月齢が少し経っていても成犬でも生活する上で慣れさせ変わる事もあるので、焦らないで良いと思います。
オススメとしては、仔犬のうちから半年〜成犬になる頃までだけでも、犬の幼稚園や躾教室などに参加すると覚えも早く他のわんちゃんと触れ合える機会もあるので、私が仔犬を迎えたなら、すぐに幼稚園などに成犬になる頃まで通わせると思います♪
この時期の吸収力は高いのでオススメです♪
女性 もふころ
今では内弁慶になってしまい、外で会う人や犬に小さく唸るようになってしまいました。時期は本当に大事ですね。