ノーズワークってなに?
犬は、鼻で考える動物とも言われるほど嗅覚が優れています。嗅ぎ取るにおいの種類にもよりますが、人間の3,000倍~10,000倍といい、特定のにおい(脂肪酸等のにおい)では、人間の100万倍以上ともいわれています。 ノーズワークとは、犬の優れた嗅覚を活かし、においを頼りにおやつやおもちゃを探し当てるゲームです。
ノーズワークは、保護犬のストレス解消のために、アメリカで考案された遊びの一種でしたが、現在では新たなドッグスポーツとして確立され、競技会も行われています。
競技会と聞くと少し難しいものに感じられるかもしれませんが、ノーズワークはおもちゃや家にあるものを使うだけで、トレーニングなしでも十分に楽しむことができる遊びです。
体の弱いシニア犬はもちろん、ワクチン接種前でまだ散歩に行けない子犬や、遊んでも遊び足りない元気な成犬など、どんなワンちゃんでも楽しく遊ぶことができるのが特徴です。
ノーズワークのやり方
ノーズワークは、お家で出来る簡単なものから、ドッグスポーツとしての高難易度のものまで種類が豊富。
競技会に参加するためのノーズワーク教室もあるほどメジャーな遊びです。 レッスンを受けてみたい!という飼い主さんは、是非調べてみて頂きたいですが、今回は、お家で出来る簡単なノーズワークの遊び方をご紹介します。
用意するものは、おやつを隠すための空き箱(紙コップやタッパーなど、おやつを隠せるものであればOK)と、においが強めのおやつ、床に敷くタオル(よだれなどの汚れ防止)、たったこれだけです!
まずは、おやつを箱に隠します。この時、大事なのは隠しているところを愛犬に見られないこと。別部屋やケージなどに待機させて見えないようにしましょう。隠し終わったら愛犬におやつを探してもらいます。においの元を辿っておやつを見つけることが出来れば成功です。
何度か繰り返し遊んで、愛犬が慣れてきたらおやつが入っていないフェイクの箱を増やしたり、おやつをにおいの弱いものに変えてみたりと、少しずつゲームの難易度をあげていくことで、飽きずに楽しむことが出来ます。
ポイントは、愛犬がおやつを探し当てられなかった場合、「ここにあるよ」と正解を教えないこと。分からなくても待っていれば飼い主が教えてくれる、と誤って覚えてしまってはノーズワークの意味がなくなってしまいます。
正解を教えるのではなく、一旦仕切り直して再チャレンジさせたり、においがわかりやすくなるよう、おやつの隠し方を工夫するなど、愛犬が自分の嗅覚で最後までおやつを探し出せるよう見守ってあげることが大切です。
ノーズワークおすすめグッズ5選
お家にあるものだけでも十分に楽しめるノーズワークですが、最近では知育玩具やマットなど、ノーズワークをより一層楽しむための様々なグッズが販売されています。
今回は、その中から高評価のおすすめ商品5選を紹介します。
1.にんじん畑
その名の通り、にんじんを引き抜いて、おやつを探すことができる知育玩具です。にんじん本体やにんじんを抜いた後の穴におやつを隠すことができます。
ノーズワークトイランキングでも、常に上位の人気の商品ですが、まれに縫製が甘いものや、品質が劣っている偽物が売られていることがあります。
購入前に、正規品かどうかをしっかりと確認しましょう。
2.スライドパズル
鼻や足を使ってピースをスライドさせ、隠されたおやつを見つけ出すパズルタイプの知育玩具です。
ピースの数は3~15枚と、難易度に合わせて4種類用意されています。最初は簡単なものからチャレンジし、徐々に枚数を増やして難易度をあげていけば、飽きずに遊ぶこともできます。
ピースの動かし方が分からず、においを探し当ててもうまくおやつに辿り着けずに嫌になってしまう場合も。初めて遊ぶときには、実際にピースを動かして見せて、遊び方を教えてあげると良いかもしれません。
3.ノーズワークマット
ボール状に畳んで遊ぶこともできるノーズワークマットです。
音が鳴る仕掛けも施されており、ワンちゃんの遊び心をくすぐります。
丸洗い可能なので、よだれでべとべとになっても大丈夫!簡単にお手入れができて清潔感を保つことができるのも嬉しいポイント。
噛み癖の強い子は、フェルト部分を食いちぎってしまい誤飲の危険性も。遊んでいる時には目を離さないように注意しましょう。
4.サーカスボール
みかんのような房が集まったボールで、房と房の間におやつを挟めばノーズワーク用のおもちゃになります。
転がして遊ぶこともできるので、体を動かしたい子犬や成犬におすすめ。
こちらのおもちゃは我が家の愛犬も使っていますが、房から出ているフェルト部分を噛みちぎってしまった経験があるので、噛み癖のある子には、事前にフェルト部分を切るなどの対策を取ったほうがいいかもしれません。
5.YEPPUPPY 犬用おもちゃ(ポテトチップス型)
ポテトチップス型のかわいらしいデザインが魅力。袋部分はカサカサと音が鳴ります。ポテチ部分も噛むと様々な音が鳴る仕掛けなので、嗅覚だけでなく聴覚も使っておやつを探せる楽しいおもちゃです。
袋の部分が噛んでボロボロになりやすいようなので、端切れを誤飲しないよう、遊ばせる際は気をつけてあげましょう。
ノーズワークに使うおもちゃやマットは手作りもOK!
市販されているおもちゃやマットも魅力的ですが、100円ショップなどで簡単に揃えられる材料を使ってハンドメイドすることも可能です。いくつかご紹介します。
- 手作りノーズワークマット
材料・・・フェルト、穴の開いたシンクマット
フェルトを細長く切って、シンクマットの穴に結び付けていけば出来上がりととても簡単。これならお裁縫が苦手な飼い主さんも、切って結ぶだけで立派なノーズワークマットが手作りできちゃいます。
- 手作りスナッフルボール
材料・・・フェルト
フェルト布から16枚の円形を切り出します。円の大きさは、出来上がった時の大きさと同じ長さの直径に合わるのがポイント。
次に、円形のフェルトを四つ折りの扇形に折り、扇の中心よりやや内側に糸を通します。
残りのフェルトもすべて扇形にカットし、面同士をくっつけるような形で繋げていきます。
この時、扇の開いた側が交互になるように糸を通しましょう。
16枚の扇形のフェルトを全て糸に通したら、もう一周同じように糸を通します。
2週目の糸を通し終えたら、ギュッときつく引っ張って糸の先を結び、フェルト玉の形を整えたら完成。
DIYに慣れていない飼い主さんも、簡単に作れるノーズワーク用おもちゃ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
手作りの注意点は、市販のおもちゃに比べ耐久性が低いので破れたり壊れやすいこと。愛犬が噛んで部品を誤飲してしまわないよう、遊んでいるときは目を離さないようにしましょう。
犬がノーズワークで遊ぶメリット
お家で手軽に遊べるノーズワークには、様々なメリットがあります。
1.老犬や障がいのある犬も楽しめる
ノーズワークは、激しい運動の必要がなく、においを探ることを目的とした比較的動きの少ない遊びです。
体力が衰えてきた老犬や、足腰が悪く運動することが難しい障がいを持った犬でも楽しむことが出来ます。
2.コミュニケーションになる
トレーニングや他のドッグスポーツなどは、飼い主が犬に教えながら進めていきますが、ノーズワークは犬の本能を使った遊びなので、犬が主体となって飼い主と一緒に遊ぶことができます。
「うちの子はを何をやってもしつけがうまくいかない」と自信をなくしている飼い主さんや、「何をやっても怒られてしまう」と委縮しているワンちゃんでも、犬が持って生まれた本能のままに遊ぶことができるノーズワークなら十分に楽しめます。
犬が主体となって遊ぶことで、犬が自分に自信を持つことができたり、犬本来の長所である嗅覚を一層鍛えることもできたりと、ノーズワークはポジティブな効果が期待できるのです。
3.脳のトレーニングになる
犬の脳の中で嗅覚の処理に使われる部分の割合は、人間の約40倍とも言われています。ノーズワークは嗅覚を最大限に使って遊ぶゲーム。遊んでいるうちに鼻から得た情報を脳が大量に処理することで、脳の活発な働きに繋がると言われているのです。
運動量が減ったシニア犬にとっては、脳の働きを活性化させるノーズワークは、ピッタリの遊びだと言えます。
ノーズワークで遊ぶ際の注意点
どんな犬でも楽しむことができるノーズワークですが、遊ぶときにはどんなことに気をつけるべきなのでしょうか。愛犬が安心して楽しめるよう、飼い主さんは以下の点に注意しましょう。
1.マットは丈夫なものを選ぶ
ノーズワーク用のマットやおもちゃを用意するときには、噛んだ時にすぐに破れてしまわないよう、生地や縫製がしっかりしたものを選ぶようにしましょう。
すぐに破れてしまうようなマットを使っていると、噛み切った切れ端を誤飲してしまうなどの事故に繋がりかねません。丈夫なマットを選ぶだけでなく、必ず飼い主さんが見守ることが大切です。
2.犬が疲れるので適度に休憩させる
ノーズワークは、嗅覚と同時に脳も活発に働かせる遊びです。そのため、見た目にはそれほど動いていないにも関わらず、気がつくと愛犬がへとへとになってしまうことも。
見た目の運動量だけにとらわれず、長時間遊ばせることは避けて細かく休憩を挟んで遊んであげるなど、愛犬の状態を常にチェックしましょう。
まとめ
犬の長所である優れた嗅覚を活かして遊ぶことができるノーズワークは、どんな犬でも楽しむことができ、さらに脳を活発に働かせることもできる注目の遊びです。
外に出なくても遊べるので、梅雨時や真夏・真冬といった気候条件に左右されることなく、いつでもどこでも愛犬のストレス発散に活用できるのも大きな魅力だと言えます。
市販のノーズワーク用のおもちゃには、ボールタイプやマット型のタイプ、パズルタイプなど様々な種類がありますので、愛犬の性格やノーズワークの経験量などを参考に、ピッタリのものを選んであげてください。
これを読んでくださった飼い主さんは是非、愛犬と一緒に宝探し気分で楽しく遊んでみてくださいね!