ペットショップとブリーダーの違い
ペットショップとブリーダー、この違いはどこにあるのでしょう?
一言でいうと「直販かどうか」なのですが、それぞれに特徴があります。
ブリーダーとは?
自らで犬を世話して繁殖を行っているのが「ブリーダー」と呼ばれる人たちで、生まれた子犬を販売しています。
純血種、いわゆる血統書つきの犬を扱っており、犬種は1種類のみということが多いです。
ペットショップで扱っている血統書つきの子犬も、ブリーダーによるものがほとんど。
皆さん無類の犬好きで、好きが高じてブリダーに…という方たちも多く、販売のほかにもコンテスト参加へ力を入れていたり、新しい品種を研究しているブリーダーもいます。
その多くは企業形態ではなく、個人で運営されています。
子犬の両親や兄弟もそこで育ったわけですから、どういった性格なのかや気を付けなければいけないことなど、詳しいお話を伺うことができますし、扱う犬種の知識はとても豊富で、色々なアドバイスを受けることができます。
「じゃあぜひブリーダーさんから子犬を迎えよう!」そう思った方も多いと思いますが、ブリーダーさんから子犬を迎えるのはなかなか難しい面もあります。
ペットショップのように、いつでも欲しいときに子犬がいるわけではありません。
ブリーダーから購入するときは希望にあった子犬が産まれるまで待たされることも普通にあることです。
また、これは当然のことですが、あなたが本当に犬を飼える環境なのかどうかをかなり詳しく聞かれることもあります。
家族構成は?住居は?年収は?…本当に最後まで面倒を見られるのか、審査を必要としていることがあり、場合によっては断られることも。
また、実際にブリーダーさんの見学に行きたくても、近くにない場合もあります。
ペットショップは?
誰でも一度はペットショップを訪れたことがあるのではないでしょうか?
そこには血統書つきのほかにも、MIX犬や雑種などたくさんのワンちゃんがいますよね?
この子犬たちがどこからきているかというと、ほとんどがブリーダーから買いつけています。
ブリーダーとは違い流通経路が確立されていますので、さまざまな犬種を一度に扱うことができるんですね。
それにケージやフード、おもちゃなども取り扱っているので、お迎えした子犬に合わせたペットグッズを購入できる便利さがあります。
ただ、ペットショップによっては、かなり幼い頃に親元から引き離されてしまっている子犬もいますので、協調性に欠けたりしつけが難しくなってしまう性格の子もいます。
最近ではそのような事がないように、生後50日間は母犬や兄弟たちと過ごさせるようにしているペットショップもあるようですが、まだまだその数は多くはありません。
ペットショップからが圧倒的?日本の飼い犬事情
こうしてみると、ブリーダーよりペットショップのほうが便利そうですよね?
この「便利さ」がちょっと問題なのです…。
ペットショップの抱える社会問題
ペット大国と呼ばれ、いまや子どもの数よりペットのほうが多い日本。
犬のしつけ教室やサプリメント、ペットと一緒に泊まれるホテルにペット専用の美容院etc…
ニーズに合わせてさまざまな企業が参入してきています。
ワンちゃんの生活がより良くなるのはとても喜ばしいことですが、一方ではペットに対してのしっかりした法律が成されていないのです。
ペットショップの開業と法律
たとえばペットショップの開業。ライセンスは必要なく、届け出をすれば開業できてしまうのです。
ペットショップが飛躍的に成長し、流通が確立されたという利点もありますが、そのぶん悪徳業者も増えてしまっています。
充分な餌や散歩をしなかったり、ゲージの掃除が行き届いていない不衛生な場所での販売。
こうした悪劣な環境であっても、これを罰する法律はありません。
改善される?ペット事情
こうした悪徳業者の増加にともない、少しずつですが改善の道を辿っています。
近年では夜間の陳列を禁止したり、販売の際にペットショップ説明の義務、飼い主にも「一生面倒を見ます」という一筆を必要とするようになりました。
これを怠れば100万円以下の罰金が科せられます。
いままで無法地帯であったネットでのペット販売も、ネット上のみのやりとりは禁止されました。
ペットショップでの購入ポイント
「だったらブリーダーから直接購入したほうがいいのでは?」というと、そうとばかりは言えません。
最近では多くのペットショップはしっかり管理されていますし、責任を持って子犬を扱っているところも増えてきています。
では、環境のよいペットショップと、そうでないペットショップを判断するいくつかのポイントをご紹介します。
飼育環境を聞く
「散歩の頻度はどれくらいか」
「夜間はどうしているのか」
など、ストレスを与えないように配慮しているのか聞いてみてください。
生後45日
子犬は生後45日~50日の期間で社会性を身につけるといわれています。早い時期に親兄弟から引き離すと社会性が身についておらず、他の犬とコミュニケーションが取れなかったり、しつけに影響がでる可能性があります。
この期間を考慮したペットショップであれば、健全なペットショップでしょう。
ワクチン接種と証明書
ワクチン接種が済んでいるか、それを証明するものはあるかを聞いてください。
ワクチンを打っていなかったり、打ってもいないのに「打ちましたよ」と言って証明書を出してくれないところは、費用惜しさに子犬の命を第一として考えていないでしょう。
まとめ
よく、「ペットショップは今すぐ無くすべき」という声を耳にしますが、すべてのペットショップが悪いわけでもなく、すべてのブリーダーさんが良いというわけでもないと思います。
例え、しっかりとブリーディングをされているブリーダーさんでも、経営があまりうまくない場合は経営が破綻してしまい、多くのわんちゃんが路頭に迷うこともありますし、そういった経営面をペットショップが支えている場合もあります。
そして、もし今すぐペットショップがなくなってしまったら、おそらく大変な数のわんちゃんが悲しい運命をたどる事になるかもしれません。
なんだかちょっと重苦しいお話になってしまいましたね…。
ですがブリーダーであれペットショップであれ、利益を優先してしまい、その結果、子犬たちが悲しい結末を迎えることも少なくないという事実は知っておいた方がいいと思います。
そしてどこから迎えるにしろ、私たち飼い主が
『本当に飼えるのか?』
『可愛いという思いだけで「どうにかなる」なんて思っていないか?』
いま一度自分に問いかけてみてください。
私たちがブリーダーやペットショップを正しく判断することで、可哀想な子犬が減ることにつながります。
ペットショップとブリーダーそれぞれのメリットが活かされ、飼い主側も知識をどんどん広げることで、ワンちゃんに素晴らしい一生を過ごさせてあげられるようになりたいですね。
ユーザーのコメント
女性 Ludy
最近は、保護犬の里親になるのがいいと、ペットショップを否定する方たちのコメントが多いですね。でも、ペットショップで引き取り手のない犬が、いずれは保護犬になる可能性を考えたら、いずれが良い選択なのかは全くわかりません。一方的に批判するのが切ないです。
ネットで気になって調べてみました。ペットショップでは 引き取り業者との関連があり数値的には表に出てこないと思いますが、飼い主の身勝手で、捨てられたり、保健所等に持ち込まれる事例が多い事に心が痛みます。
我が家はペットショップで目が合って、先の事も考えずにお迎えしました。それこそ衝動的にと言う一言です。一か月、二か月と共に生活を重ね、良い事も、悪い事も一杯ありました。それでも我が家のワンコ、人間でいえば『反目しあいながら生活を重ねました』。衝動とは言え「預かった命」、10年大切に育て、今では、我が子同然です。いつまでもいつまでもこの生活が続けばと思う毎日。縁があってお迎えしたワンコ、自分の都合で捨てる事ができる人がいる事が理解できない人間になってしまいました。
ペットショップ、保護犬、どちらを迎えるにしても、また、一時の気まぐれで迎えるにしても、「預かった大切な命、一緒に生活していて愛おしくなる。ワンコが虹の橋に渡るまで、一緒に暮らす、それが当たり前と思えるような人が増えるといいですね。」
https://pet-with.net/3813.html