犬を飼うメリット
犬を飼いたいと思っている方は、純粋に犬が可愛い、犬が好き、犬と生活したい、といった気持ちを持っていることでしょう。犬を含め、動物を飼うということは、様々なメリットやデメリットがあります。
1つの命に対してメリットやデメリットといった言葉は適切ではありませんが、これから初めて犬をお迎えしようと思っている方がわかりやすいように、この記事ではあえてそう表現させていただいています。
もちろん、メリットがあるから犬を飼うということを推奨しているわけではありません。犬を飼うということは、「可愛い」だけでは乗り越えられないことがたくさんあります。
それでも多くの人が犬を飼っていますね。それはなぜか...?ここでは犬を飼うことで得られるメリットをご紹介します。
毎日が楽しくなる
犬との暮らしは単調なものではありません。楽しいこともあれば、大変なこともあります。そんな毎日だからこそ、1日1日が充実したものとなります。
愛犬に〇〇をしてあげよう、〇〇を買ってあげよう、一緒に〇〇に出かけようといった目標も常にできるため、仕事を頑張る支えにもなりますね。
運動不足の解消
犬を飼うと毎日の散歩が必要になるため、運動不足の解消になります。運動をしようと思っても、自分一人では忙しさにかまけてなかなか実行することは難しいですね。犬がいることで、散歩という運動に一役かってくれるのです。
犬は自分一人では自由に外を歩くことはできません。飼い主さんがリードを持ち、いろいろな場所に連れていってあげることで、初めて散歩になります。
毎日の犬との散歩が運動不足の解消になるだけでなく、メタボの予防や健康寿命が延びるという効果もありますよ!
きれい好きになる
きれい好きになるというのは語弊かもしれませんが、犬を飼うとこまめな掃除が必要となります。犬が床に落ちているものを口にしてはいけないといった理由や、抜け毛が目にとまり、必然的に掃除機がけが習慣化します。
犬のトイレが汚れていれば取り替えなければ犬はトイレを我慢して体調を崩してしまったり、他の場所にしてしまいます。ニオイの元にもなるため、きれいに保つことが重要です。
また、犬のベッドや毛布を洗濯しなければ、ダニなどが発生して皮膚炎にもなってしまいかねません。そういった犬のことを考えて掃除や洗濯をする頻度が高くなり、いつもきれいな状態を保てるようになります。
幸せホルモンで健康になる
犬を見ていると癒される...という言葉を聞いたことはありませんか?犬と見つめ合ったり、触れることで、幸せホルモンである「オキシトシン」の分泌量が増加することがわかっています。
オキシトシンは愛情ホルモンや癒しホルモンとも呼ばれ、ストレス軽減効果もあります。
実際、犬を飼っている人は犬を飼っていない人に比べて、心臓病を含むあらゆる病気で死亡する可能性が低くなるという研究結果も発表されました。
その要因は幸せホルモンの「オキシトシン」にあるとされ、犬との見つめあいや触れ合いが健康に良い影響を与えてくれるというものです。
オキシトシンは血圧を下げる効果もあり、血圧と病気は密接に関係していることも健康になる要因なのかもしれません。
癒される
幸せホルモンによって癒されるだけでなく、犬の表情や仕草、寝顔などを見ているだけでも癒されます。
どんなに疲れていても、無垢な笑顔で迎えてくれる愛犬を見れば、疲れていることを忘れてしまうでしょう。犬はとても感情豊かな動物です。
どんな表情や仕草であってもすべてが愛おしく思え、例えそれがトイレでの排泄ポーズであっても微笑ましい気持ちになり、癒されますよ。
自分だけにしか見せてくれない愛犬の表情や仕草は多々あります。それらを見ることができるというのは、幸せなことではないでしょうか。
孤独感を感じない
犬は寄り添ってくれる動物です。しゃべることはできませんが、人間の感情を敏感に察知できるため、落ち込んだり悲しんでいればそっとそばに寄ってきてくれます。
嬉しいときは犬も嬉しそうにしています。常にそばにいてくれるため、孤独感を感じることはありません。
交流が広がる
犬を飼うと、散歩中、ドッグランやドッグカフェ、動物病院など、様々な場所で他の犬の飼い主さんとの交流があります。
こちらから話しかけなくても、話しかけてくるので、自然と会話が始まります。犬が好きな人が話しかけてくるため、会話に困ることもありません。
犬の写真を撮ってインスタグラムやブログなどに投稿すれば、犬を飼っている人とSNS上での交流もあります。全国に犬友達ができるのは、凄いことですね。
相手を思いやる気持ちが強くなる
犬は心を持っていますが、言葉がしゃべれません。ですから、なにを考えているのか、どうしたら喜んでくれるかなど、飼い主さんが察知してあげなければいけません。
犬と生活していると自然と相手を思いやる気持ちが育まれ、普段の人間関係にも活かされます。
また、犬を飼うと犬のしつけで我慢することも多くなり、忍耐力も備わります。感情的に叱ることは犬にとってマイナスなので、感情をコントロールすることができるようになります。
感情的な人は周りの人から犬猿されてしまいますが、そういったこともなくなり人間関係がスムーズになりますね。犬を飼うということは、自分自身の成長にもつながることなのです。
アレルギーや感染症になる確率が下がる
とても興味深いことですが、日本をはじめ欧米の研究では、犬を飼っている家庭の乳児は、感染症や呼吸器疾患、アレルギー、アトピー性皮膚炎などの発症リスクが低いといことが確認されています。
程度はありますが、生後1歳までに犬の糞便や犬が散歩時に持ち帰る様々な「ばい菌」にさらされることで、子供がアレルギーになりにくくなるというものです。
もちろん、生活環境や腸内環境など様々な要因も関係してくるので、絶対にならないというわけではありませんが、子供のアレルギーの発症リスクが下がるのは喜ばしいことですね。
子供に良い影響を与える
小さな頃から犬と触れ合うことで、読解力(どっかいりょく)が養われることがわかっています。ほかにも、相手を思いやる気持ちが育まれたり、想像力が豊になるといった良い影響をもたらしてくれます。
命について考えられる
犬はいつまでも子犬のままではありません。人間の数倍のスピードで年をとっていくため、気が付けばシニア期に入っていることもあります。今までできていたことができなくなったり、病気をすることが多くなり、改めて命について考えるようになります。
犬の寿命は犬種によって異なりますが、10~15年くらいです。1日でも長く一緒にいたいと願うようになり、命がどれだけ尊いものかを感じることができるでしょう。
- 毎日が充実する
- 犬を飼うと健康になる
- 社会性が培われる
- 子供にも好影響
- 自分が成長できる
犬を飼うことのデメリット
犬と暮らすということは、たくさんのメリットがある反面、制限されることも出てきます。それは犬に限らず、自分以外の誰かと一緒に暮らす上で当たり前のことですが、その制限を大きなデメリットと感じるようであれば、安易に犬をお迎えすることはおすすめできません。
こんなはずじゃなかった...と手放す人がいるのも、残念ながら少なくありません。せっかく犬を家族に迎え入れるなら、幸せにすごしてほしいですね。
犬との生活は有意義なものになることは間違いありませんが、どんなことが制限されるのか予めわかっていれば犬を飼う心構えもできます。ここでは、犬を飼うことのデメリットについてお伝えします。
時間に制限される
仕事帰りにご飯に誘われたり、休みの日に遊びに誘われたりと、一人であれば自由な時間をすごすことができますが、犬を飼うとお断りすることが多くなります。
家で待っている犬にご飯をあげなければいけない、散歩に連れていかなければいけないなど、犬のことを考えた生活になり、時間が制限されます。
長時間の留守番をさせることはできなくなるので、必然的に人付き合いが悪くなることにもつながります。
出張などで1泊家を空けなければいけないなどとなれば、ペットシッターを頼んだり、ペットホテルに預ける必要もあり、場合によっては出張を断らなければいけないこともあるでしょう。
散歩に行かなければいけない
犬にとって散歩は欠かせないものです。基本的に毎日散歩に行く必要があります。犬種や犬の状態によって散歩の量は異なりますが、一般的には小型犬であっても1日1回30分は散歩させなければいけません。
どんなに疲れていて面倒だと思っても、寒い日で外に出たくないと思っても、それは人間の都合であって犬の都合ではありません。
犬に散歩が必要な理由は多々ありますが、散歩に行けずにストレスがたまり、問題行動や体調を崩すということにつながるため散歩は大切なのです。
簡単に旅行できなくなる
犬を飼うと、旅行も簡単ではありません。最近では犬と一緒に泊れるホテルなども増えてきましたが、行きたい場所に犬と泊れるホテルがなければ、諦めるか、行先を変更するか、ペットホテルなどに預けなくてはいけなくなります。
ペットホテルに預けて旅行に出ても、犬が気になって心から旅行が楽しめない、なんてことも。自分だけなら好きなときに好きな場所に旅行できますが、犬がいると体調や移動距離、宿泊先などを気にする必要があり、簡単なことではなくなります。
お金がかかる
お金の問題も考えなくてはいけません。犬の食費、日用品費、消耗品費、トリミングサロン代など、何かとお金がかかります。
夏場であれば自分が家を空けていても、熱中症対策に1日中エアコンをつけておかなければいけない、冬場は寒さ対策に暖房器具を使用しなければいけないなど、24時間つけっぱなしは当たり前になり、電気代がかさみます。
もちろん、犬が病気になることもあり、動物病院で治療を受けなければいけません。犬は人間のように健康保険が適用されるわけではないため、ペット保険に加入していなければ100%の実費です。大きな病気をすれば月に数十万とかかることもあり、突然の出費に備えておかなければいけません。
介助が必要になることもある
犬が病気や高齢になれば、場合によっては食事の介助や排泄の介助、歩行の介助など、様々な介助が必要になることもあります。もちろん、元気なまま犬生を送り寿命を迎える犬もいますが、何が起こるかは予測できませんね。
高齢や病気が理由でトリミングサロンを断れることもあり、そうなれば清潔を維持するために自分でシャンプーなどのケアをしてあげなければいけません。
引っ越し先を探すのが大変
犬を飼うのであれば、ペット可物件が絶対条件です。仕事の都合で引っ越しを余儀なくされることもあるでしょう。社宅を用意してくれる会社もありますが、社宅でペット可は少ないため、自分で探さなくてはいけません。
ペット可物件は家賃が少し高めに設定されていたり、犬の面接があったり、小型犬1匹だけなど制限がある場所も多いです。
実際我が家に4匹の犬がいたとき、引っ越し先を探すにはとても大変でした。隠れて飼う人もいますが、みつかったときに「犬を処分するか出ていくか」と迫られることもよくある話です。
犬アレルギーを発症する可能性がある
犬の唾液やフケに含まれるタンパク質がアレルゲンとなり、犬アレルギーを発症する可能性があります。すぐに発症してわかることもあれば、何年も経ってから突然犬アレルギーになることも。
犬アレルギーに限らず、突然のアレルギーは体質の変化や内臓機能の低下、ストレス、偏食などが原因となり、免疫のバランスが崩れることで発症されます。
身の回りのどんなものでもアレルギーを発症する可能性はあるため、犬アレルギーだと思っていたらハウスダストアレルギーだった、なんてことも少なくありませんが、犬を飼うことでアレルギーを発症するかもしれないアレルゲンが1つ増えるということになります。
物を破壊される
特に子犬を飼った場合、必ず直面するのが物を破壊されるということです。生後3ヶ月~1年くらいはちょうど歯の生え変わり時期で、とても歯がむず痒く何でもかんでも噛んでしまいます。
コードであったり、その辺に置いてある雑誌の角、クッションや犬用ベッドなど、犬にとって噛みやすい物であれば、噛まれて破壊されてしまうこともあります。
また、犬の本能から、どこかを掘るという行為もあります。ソファーやカーペットの上で一生懸命ホリホリされれば、傷つくこともあるでしょう。
基本的に掘る行為は止めさせてはいけないため、そういったことが起こるということも考えておかなければいけません。
- 自由に遊ぶ時間が減る
- 犬のことを考えて予定を立てなければいけない
- お金がかかる
- 引っ越し先はペット可物件でなければいけない
- 家具や物が傷む
犬をお迎えする方法
犬をお迎えするとなると、ペットショップを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。犬に出会うには、ペットショップやブリーダー、保護施設から引き取るといった方法がありますが、それぞれメリットやデメリットがあります。ここで詳しく見ていきましょう。
ペットショップ
ペットショップには多くの子犬がいます。ペットショップのメリットとして、気軽に行けてどんな犬種にしようかと、直接見て選ぶことができますね。チェーン店であれば、全国から好みの犬種を探してくれることもあり、気に入った子をみつけることができます。
その場でフードやグッズを揃えることができたり、ペット保険の手続きができるといった手間が省けます。ペットショップで販売されている子犬は生後2~3ヵ月が多く、子犬から育てたいと思っている人には魅力的ですね。
デメリットとしては、早い時期に母犬や兄弟犬から引き離されて、長期間ケースに展示されていたりするので、社会経験の不足やストレスによる性格への影響も懸念されます。
親犬を見ることができないため、どんな性格になるかの想像ができなければ、どんな飼育環境で育てられたかもわかりません。
ペットショップでは獣医師の診断を受けた健康状態の良い子犬だけを販売することになっていますが、稀に診断ではみつからないような先天性の疾患を抱えた子もいます。
ブリーダー
ブリーダーから直接購入するメリットとして、どんな両親から生まれたか、どんな環境で育てられているかを確認することができることではないでしょうか。
ほとんどのブリーダーは子犬に対して健康に気づかい、愛情をもって接してくれています。母犬や兄弟犬たちと自由に遊ばせていることがほとんどなので、ある程度の社会経験も積んでいます。
その子犬に対しての育て方の説明や、その後のサポートも充実しているため、安心して購入することができます。
しかし、中には劣悪な飼育環境で育てられた子犬を販売する悪質なブリーダーも存在するため、ブリーダー選びは慎重に行わなければいけません。
また、ブリーダーから購入するデメリットとして、優良か悪質か見極めが難しい、ブリーダーの家まで訪問しなければいけない、予約をしなければいけない、月齢によっては契約をしても適齢まで待たなければいけない、といったことがあります。
里親募集
犬の里親の募集には、2種類あります。個人間でのやりとりと、動物保護施設や保健所からの引き取りです。
里親募集のメリットは、子犬よりも成犬が多いことから体の大きさや性格がわかりやすいことや、持っている病気がわかること、基本的なしつけが済んでいることではないでしょうか。行き場のない犬を救うことができ、譲渡費用もそこまで高額ではありません。
里親募集のデメリットとしては、人間に対して不信感を持っている子も多いため、心のケアが必要であったり、なつくまでに時間がかかることもあります。
また、迎え入れた犬の年齢によっては、一緒に過ごせる時間が短いです。それらを踏まえた上で、愛情をもってしっかりお世話をしてあげるという覚悟を持つことが大切です。
しかし、個人間での里親募集は金銭トラブルが多いため、注意が必要です。動物保護施設の里親募集は事前に自宅訪問があったり、面談に合格しなければ里親になれないということもあります。
- ペットショップは気軽に行けるけど、成犬になったときの体の大きさや性格が想像しにくい
- ブリーダーはサポート体勢も整っているが、優良と悪質の見極めが難しい
- 里親募集は性格も病気もわかっていることが多くケアしやすいが、人間不信を取り除くのに時間がかかる
まとめ:メリットやデメリットを知った上で!
今回は、犬を飼うメリットやデメリットについてご紹介しました。犬のお世話は、思っているよりも大変なことも多々あります。
実際、私自身も4匹の犬を飼っていましが、病気で寝たきりとなり、亡くなるまでの数年間は介護が必要な犬もいました。
介護や闘病生活はとても大変でしたが、大変さより愛おしさが強くなり、そんな生活も苦ではありませんでした。
今現在も残された2匹の愛犬との生活が続いていますが、犬は私たち人間に数えきれないほどの幸せや愛情を与えてくれるかけがいのない存在です。
しかし、犬は物ではないことを忘れてはいけません。1つの大切な命であるとともに、人間同様に感情を持っています。
飽きたから、大変だからと、途中で投げ出すことは許されません。自分以外の命をお迎えするということは、責任を持って最後のときまで愛情をもってお世話しなければいけないということを事前にしっかりと考える必要があります。
これから新しい家族として犬をお迎えしようと思っている方は、人間も犬も幸せに暮らすためにも、心の準備をしておきましょう。