悪質ブリーダーではない、本来のブリーダーの姿とは
本来、「ブリーダー」とは、犬を物として扱うのではなく、愛情をもって、その犬種を、より良い状態で未来へつなげていくために繁殖を行い、そのことに全力を注いでいる人たちのことを言います。
そういったブリーダーは、犬が幸せに育つためになら、努力を惜しみません。健康にも気を使い、良質なフードを与え、人間と共に生活していくための、社会性をも身に着けさせるように気を配っています。
そのため、時間もお金もかかる仕事ですから、ブリーダーで生計をたてるのは簡単なことではなく、ペットショップなどを兼業している場合も多いのです。
なぜ悪質ブリーダーが増えたのか
悪質ブリーダーが急増した原因として、まずは、インターネットの普及が挙げられるでしょう。
インターネットは、日本全国どこからでも見ることも購入することも出来ます。それを便利と考えるのは、「物」に対してなら良いとは思います。しかし、対象が「生き物」となると、注意が必要になってくるでしょう。
最近では、ゲームなど仮想世界の中で、物を売買することを楽しむ人も増えているようで、なかには仮想世界と現実の世界がリンクしていて、実際の場所に行って物を購入することで、ゲームも発展する等の工夫が凝らされているものさえあります。
しかしそれらは、ゲームとしての範疇で楽しめることです。もしこのような体験を日常化してしまい、それが普通だと思ってしまった人が、同じ感覚でネットを通して「生き物」を購入してしまったら、どうなると思いますか?
当然、何かしらの問題が起こってしまってもおかしくありません。全ては仮想世界の出来事だと思ってしまうからです。
実際に今、購入してから実際に受け取るまで、全て、パソコンの中での出来事。そんな手軽な入手方法で、生き物を売買している人が現実に増えているということなのです。
もちろん、インターネットを利用して生き物を売買している人のすべてが、命を大切にしていない、というわけではないでしょう。インターネットで購入しても、事前に見学に行ったり、実際に手渡しで譲ってもらうことで、顔の見えない不安さは、ある程度、取り除かれることでしょう。
でも、それすら行わない購入者がいるからこそ、悪質ブリーダーのような存在が急増することになると言えるのではないでしょうか。また、悲しいことですが、一時の流行にながされ、なんとなく購入する人には、悪質ブリーダーのような、安価で手軽に手に入る方法が受け入れられているのかもしれません。
そういったインターネットによる、動物の販売のトラブルや、購入後の飼い主による虐待、悪徳な動物取扱業者による、動物の不適切な取り扱いなど、様々な問題が数多く生じていたため、平成25年9月より動物の愛護及び管理に関する法律が改正されました。
現在ではその改正動物愛護管理法によって、動物たちの適正な取り扱いや所有者の終生飼養など、動物取扱業者の規制も強化されています。
悪質ブリーダーを見分けるポイント
悪質ブリーダーを見分けるポイントには、様々あります。
しかし、インターネットの情報だけでは、決して分からないことも多いので、実際に問い合わせて、可能なら購入前に見学に行くことをおすすめします。
ブリーダーの「人間性」
どんな職業をしていても、結局のところ、重要なのはその人の人間性ではないでしょうか。
まして、命を販売する仕事なのですから、なおさらです。なによりも先に、そのブリーダーの人間性を見極めることが大切です。
疑問点はどんどん質問し、誠実な対応をとってくれるか確認する方法がおすすめです。
そして、そのやりとりの中で直感的に何か不安に感じることがあれば、慎重に対応し、他のブリーダーを探すことも良いかもしれません。
見学に行けるかどうか
実際に犬が飼育されている施設を見せてもらえるか聞いてみましょう。改正された動物愛護法では、動物を購入しようとする方に対して「販売する動物の現物確認」と「対面説明」が義務づけられています。
そのため、販売者が動物の現在の状況を直接見せるとともに、その飼養方法や生年月日など、適正飼養のための情報提供することは法律で義務付けられているのです。
もし見せてもらえない場合、掃除が行き届いていなかったり、劣悪な環境である可能性や、なんらかの都合が悪い理由がある訳ですから、悪質ブリーダーの可能性が高いともいえます。
親犬に会わせてくれるか
犬の場合、一度の妊娠で複数匹を出産するので、母体には多大な負担がかかります。
そのため、通常の場合でも、出産後はやつれてしまう事が多いため、一般の人には健康状態に問題がある、と誤解をうけてしまう可能性もあります。
また、出産後は静養することも必要なので、親犬に会わせてくれないからといって、一概に悪質ブリーダーである可能性が高いとはいえないのですが、悪質ブリーダーの場合には、親犬は繁殖を繰り返させられ、外見からもわかるくらい、相当のダメージを受けているために、見せられないというケースもあるので、注意が必要です。
購入後のフォロー
悪質ブリーダーは、「売ってしまえば、おしまい」という感覚で商売をしていることが多いので、購入後のフォローは期待できません。
ですので、購入の際は、販売契約書や保証書の内容がどのようになっているのか、詳しく確認することが肝心です。
「ペットの返品・交換には一切応じません」などとある場合は、要注意です。
これは、瑕疵担保責任を回避するための一文ですが、悪質ブリーダーが売る子犬は、病気を持っていることが多いので、購入後すぐに発病したり、死亡したりするケースが多く、その際の責任を逃れるためのものだと思われます。
ワクチンなど
ワクチンは、子犬にとって非常に重要なものです。それがきちんと接種されているか、ワクチン証明書などで確認すべきです。
子犬の月齢
良いブリーダーなら、すくなくとも生後50日から60日は経たないと子犬の販売をすることはありません。
また、改正動物愛護管理法では幼齢動物の販売規制が義務付けられ、生後56日を経過していない犬及び猫の販売や、販売のための引き渡しと展示が禁止されました。 (施行時の平成25年9月1日から3年間の間は、制度を潤滑に施行するために、生後45日を経過しない犬猫の販売が禁止とされていましたが、それ以降は56日です。)
これは、母親と過ごす時間を大切にすることや、社会に適応させる大事な時期でもあるからです。それよりも早く売りに出すブリーダーは、本当に犬のことを考えているのか疑問です。
動物取扱業の登録をしているか
ブリーダーの中には、飼育・販売方法に問題があり、動物取扱業の資格を抹消されるケースもあるようですが、悪質ブリーダーは、届出すらしていない場合が多いので、確認が必要です。
血統書があるか
血統書はひとつの安心材料になるかもしれませんが、その信憑性が低い場合も多いので、注意が必要です。また、「後で送るから」といって、実際には送付されないケースもあります。
先天性の疾患について
ブリーダーが自家繁殖する場合、先天性の疾患が起こる確率が多いといわれています。そのような可能性を購入前に説明されているかが大切です。また、購入後に分かった場合、それに対応すべきなのですが、悪質ブリーダーでは、そういったことは認めない場合が多いようです。
悪質ブリーダーと分かった時の対処法
悪質ブリーダーと分かったとしても、もし、犬の購入後なら、情も移ってしまって、
ふつうの商品のように、気軽に返品して済む問題ではありません。
ですが、どのように補償してもらいたいのか、悪質ブリーダーに訴えることは非常に大切です。泣き寝入りすることは、また同じような被害者を増やすだけです。
場合によっては、弁護士に相談し、詐欺罪による告訴、損害賠償の請求も視野に入れるべきかもしれません。
最後に
「悪質ブリーダーが増える」ということが意味するのは、何でしょうか。
それは、悲惨な境遇に置かれる命が増える、ということに他なりません。今、こうしている間にも、劣悪な環境で生きることを強いられている動物たちがいると思うだけで、本当にいたたまれない気持ちで一杯になります。
こうした悪質ブリーダーを取り締まるための法整備を望むだけでなく、我々が、安いから、手軽だからといった、無意識のうちにペットを「物」と考えている現状を変えていく必要があるといえます。もし、どうしても犬をペットとして迎えたいのなら、信頼できるブリーダーから譲ってもらうだけでなく、行き場のなくなった犬の里親になる等の選択肢も考えるべきではないでしょうか。
ユーザーのコメント
30代 女性 もこじ
20代 女性 小夏
って怒りを覚えますが…増えているのですね…
何かで調べたときも、見学に行かせてくれないところは信用できない。とハッキリかかれていたので、条件として抑えていました。
結局はブリーダーさんの人間性と言われても…短時間ではやっぱり分からないですよね…
本当にしっかり時間をかけてでも見極めはとても大事だとおもいます。
20代 女性 ゆん
50代以上 女性 ムック
私は保護団体の里親の会で愛犬に出会えました。救出時の写真を見ながら話しを聞きました。毛は伸び放題、臭いも相当だということでした。仔犬を産まされたあげく、高齢になると処分だなんて、命をどう捉えているのでしょうか⁉︎
8年間もオリの中に入れられていたので、外の世界が怖くてブルブルと震えていました。
今では外の世界が楽しくて、散歩が大好きな犬になりました(^-^)
女性 匿名
ペット・ショップも多すぎ。しかも犬やネコの販売。
ペット・ショップはフードや雑貨のみの販売だけでも
可哀想な子犬子猫は減るのでは?
いまや
国があげての課題にしてほしいものです!
40代 女性 なお
また、ブリーダーからも最低でも1年ごとには犬の写真や様子を報告してほしい、と要望があり、8歳を迎える今でも連絡を取り合っている状況です。
また、ブリーダーで誕生日会やしつけの会などを企画してくれたり、いつもそこには飼い主達が集い、交流できる場所があります。
もちろん、ブリーダーさんの所にいる犬達は、愛情をたくさんもらい、無理のない出産をしています。
そして、年老いた繁殖犬を、最期まで充分な医療を受けさせ、献身的に介護をして見送っています。
そんなブリーダーさんの姿を見て、本当に信頼していますし、尊敬します。
ブリーダーはこれ以上増えなくていいと思います。
このブリーダーさんのような覚悟や信念を持ってできる人だけが、残っていけばいいと思います。
40代 男性 ひろ
30代 男性 匿名
毎週のように悪徳ブリーダー崩壊現場からレスキューされてくる子達を見ています。
命を金儲けの道具としか見ていないブリーダー。最低限のエサと水だけで、子犬を産めなくなるまで狭いケージで過ごし、糞尿まみれで毛玉だらけ、まともに掃除すらしてもらえず、目ヤニさえ拭いて貰えずに失明してしまう子。病気になっても治療費をケチり放置される子。生まれつき障害を持って産まれた子は商品にならないからと放置され死んでいく子犬。
名前もつけてもらえず、人間の愛情も外の世界も知らずに犬生を終えて旅立つ沢山の子達・・・。
華やかに見えるペット業界の裏側を知った時、怒りとともに悲しみが溢れてきました。
もっとテレビで真実を多くの人々に知ってもらいたいです。
ペットを買う側にも問題があると思います。安易にペットを買う人が多すぎます。犬の一生は10数年位です。
本当に何があっても人間の家族と同じ様に一生世話できますか?毎日の散歩や値段の安い訳の分からない物が混入したエサではなく、きちんと健康や栄養面を考えていますか?避妊虚勢は病気のリスクを下げるのを知っていても手術費用が勿体ないですか?
歯磨きやブラッシングや耳掃除やシャンプーはやっていますか?
老犬になったら毎日介護出来ますか?
自分が寂しいからと単身で飼育して1日の殆どを留守番させ、犬の寂しさは無視ですか?
転勤やアレルギーや離婚などを理由に飼育放棄して里親募集していませんか?
犬は言葉を話せません。だからこそ何を思っているのかを感じ取ってください。毎日触れ合っていれば、何を訴えているのか分かります。
旅立つその最後まで側にいてあげて下さい。犬にとってはあなたと居ることが一番の幸せなのですから。
私は、亡くなった愛犬の遺骨と思い出の写真を見ながら毎日お線香をあげています。
本当の犬好きなら、ペットショップから購入するのをやめて、里親になって愛情を注いで下さい。子犬じゃなくたって良いじゃないですか。血統書がないと何か不都合ありますか?
もっと目の前にある命と向き合って下さい。
世の中から不幸な犬を1匹でも多く救いませんか?
1匹でも多く幸せにして下さい。
殺処分は安楽死では無いですよ?ガスによる窒息死ですよ?苦しみながら死んでいく犬達なんて可哀想すぎます。
悪徳ブリーダーなんていつか自分に不幸が降りかかりますよ。
もっと命の重さに気づいてほしいと思いました。
50代以上 女性 匿名
女性 はんぺん
生まれた命にイイも悪いもありませんから、どうかそんな悪徳ブリーダーが自滅してくれないかなと願います。命を粗末にするような商売をする人なんて世間でつるし上げにするくらい罪を重くしてほしい。二度と立ち直れないくらい、実名報道、実刑判決で。
20代 女性 匿名
どちらも動物を利用し利益を得ようとしているのですから…
女性 vivi
スとして考えていて、犬の命よりもお金優先といったケースも多々あるようです。ブリー
ダーさんのことをよく見極めた方が良いですね。
20代 女性 プーしゃん
そのことを販売事務局ブリーダー○○の運営会社に問い合わせるとブリーダーと直接お話しくださいとあっけなく言われとてもこまりました、ブリーダーは申請中ですと言うだけで何時申請したのかも教えてくれません、ネットでの評価は非常によかったのですが信用した自分が馬鹿でした、友人が北海道の道南に遊びに行ったときにそのブリーダーの住所に行ってくれたのですが、赤いシャッターが閉まったままだったと言ってました。今は電話をしても出てくれないのでもうあきらめたと言ってました、友人の友達が一度訪れましたが、僕もし北海道に行くなら直接話をしに行きたいのですが、遠すぎます。ネットで命の買い物は危険ですね