犬と子供が仲良しでいるためには
犬と子供が良好な関係を築くためには、それぞれの特性を理解し、適度な距離感を保ちながら生活をしていくことが大切です。
飼い犬の性格やどちらが先に家での生活を始めていたか、それぞれの年齢などによって接し方や距離感に違いはありますが、犬を飼うことによって子供が得られるメリットはたくさんあります。以下で、犬と子供が一緒に生活する上で抑えておきたいポイントを見ていきましょう。
子供と犬を飼う際に注意すること
子供と犬を徐々に慣れさせる
室内で飼う場合はケージやサークルで犬のための空間を作り、子供との距離を保ちながらお互いを徐々に慣れさせていくことが大切です。子供がいる家庭が新たに子犬を迎え入れる時は、ケージの中にいる状態でふれあったり、空間を区切った状態で子供からおやつをあげたりするとよいでしょう。慣れてきたらリードをつけた状態でケージの外に出し、室内遊びをしながら少しずつ子供と接する時間を増やしてあげてください。
子供に犬が嫌がることを教える
- 覆いかぶさる
- 急に触る
- のぞき込む
- 大声を出す
- 嫌がっている時に触る
- しつこく追いかける
- 尻尾を引っ張る
- 隅に追い詰める
子供は無意識に上記のような犬が嫌がる行動をとってしまうことがあるため、事前にこれらのことをしないように教えておくと犬との不要なトラブルを避けることができます。
また、犬が遊びに集中している、餌を食べている、寝ている時に邪魔をすると、吠える、噛むなどの危険があるということも教えておきましょう。
長時間触れ合うことは避ける
子供と長時間ふれあうことが犬のストレスになる場合もあります。特に、犬のしっぽが下がっている、腰を引いて前傾姿勢になっている、目をじっとにらんでいるなどしていたら犬が臨戦態勢に入っている合図なので、そのような様子が見られたら犬と子供の距離を離すようにしましょう。
犬アレルギーに注意する
犬の毛に付着したアレルギー物質によって、子供が犬アレルギーを起こすことがあります。アレルギー症状は咳や鼻水、目のかゆみといった軽度のものから、嘔吐や下痢、めまいのように深刻なものまで様々です。
抜け毛のケアやこまめな掃除によって症状を軽減し犬を飼い続けられることもあれば、症状がひどく飼育が困難となって犬を手放さなければならないこともあります。それぞれが悲しい思いをしないためにも、犬を飼う前に家族全員が犬アレルギーの検査を受けておくとよいでしょう。
犬が子供に与える影響
優しさを育める
食事や散歩、手入れなどの犬のお世話を通して、家族や仲間を大切にする優しい気持ちを育てることができます。また、犬は言葉を話すことができないため、犬の表情や行動から感情を察する力もつくと考えられます。
犬が元気な時は運動に付き合わねばならず、高齢になって寝たきりになった時は食事やトイレで介助が必要になります。犬と子供が一緒に年齢を重ねて生活を共にするほど、両者の絆は強まると言えるのではないでしょうか。
人間関係を広げられる
友人と犬の話題で話が盛り上がったり、犬の散歩をしている途中で人から話しかけられたりすることもあるかもしれません。犬との生活は、子供が人間関係を広げ、コミュニケーション能力を高めるきっかけとなる可能性があります。
体力がつく
犬と一緒に散歩や室内遊びをすることで、子供に体力がつくという効果が期待できます。また、正常な骨の発達や維持、免疫機能の調節に必要なビタミンDは日光を浴びることによって合成されると言われているため、犬と散歩をすることで身体がより丈夫になると考えられます。
命の大切さを知ることができる
子犬の誕生や愛犬の死は、子供が生命の尊さに触れるきっかけになります。犬は子供よりも先に死を迎える場合がほとんどです。身近な愛犬の死から悲しみや寂しさを経験することによって命の大切さを学び、一段と成長することができるでしょう。
子供嫌いな犬種と仲良しな犬種
子供嫌いになりやすい犬種
- チワワ
- ポメラニアン
- 柴犬
- 紀州犬
- 四国犬
- 北海道犬
- 甲斐犬
- 秋田犬
- ジャーマンシェパード
チワワやポメラニアンなどの小型犬は子供の大きな声や覆いかぶさる行動に恐怖を感じるため、子供を嫌いになりやすい犬種だとされています。特にチワワは頭が重く、高さのあるところから落とされると頭蓋骨を骨折してしまう恐れがあるので、子供と飼う際には注意が必要です。
また、もともと狩猟犬として活躍していた柴犬などの日本犬やジャーマンシェパードは、警戒心が強いため子供と距離を置きたがる傾向にあります。
子供と仲良しになりやすい犬種
- ゴールデンレトリバー
- ラブラドールレトリバー
- トイプードル
- アイリッシュセッター
- コリー
- ブルテリア
- ビーグル
- ブルドッグ
上記の犬種は温厚で優しく、忍耐力があるため、子供と仲良しになりやすいと言われています。子供の体の大きさに合わせて小型犬を選んだほうがよいと考えることもあるかもしれませんが、穏やかな性格で賢く、子供との生活に向いている犬種は中型犬や大型犬に多いようです。
小型犬であれば、愛情深く聡明なトイプードルがおすすめです。運動能力があり好奇心も強いので、体力が必要な子供との遊びにも対応することができます。被毛を短く刈ることができ体臭も少ないため、犬アレルギーになりにくいとも言われています。
まとめ
犬と子供が一緒に生活することで得られる効果はたくさんあります。新たに犬を迎え入れる際は、子供と仲良くなりやすい犬種を選ぶこともポイントとなるようです。犬が嫌がることを避けたり適度な距離を保ったりすることによって、犬と子供が良好な関係を築けるとよいですね。