ダブルリードとは
普段あまり耳にしない言葉ですが、ダブルリードとは何でしょうか。
ほとんどの場合、犬の散歩時にはカラー(首輪)にリードを一本つける「シングルリード」という状態の方が多いと思います。お手軽な反面、不意に犬に引っ張られてしまったり、勢いよく走りだしてしまったりするときに、対応するには少し不安なつなぎ方です。
特にリードの輪っか部分を手首に引っ掛けてお散歩をしている場合、突然の犬の行動に対応する前に手首からリードが抜けてしまい、事故にあってしまったなんていう話もよく聞きますね。
ではダブルリードとは何かといいますと、通常カラーにだけつなぐリードをハーネス(胴輪)にもつけている状態のことを指します。二本のリードだから「ダブルリード」というわけです。
普段、カラーとリードだけのお散歩をしているときと比べると、若干手間がかかりますし見た感じも大袈裟なようですが、犬たちの安全を守るためには有効な方法なのです。
ダブルリードのメリット
どんな犬もお散歩が大好きで、リードを見た瞬間にテンションが上がって大騒ぎする子も珍しくありません。カラーをつけてリードをつけて、さてお外へ行こうと玄関を開けたとたんに飛び出そうとしていませんか?
この行動はしつけである程度は抑止できますが、興奮しすぎて言うことを聞かずにポンッと飛び出してしまう可能性はゼロにはなりません。このようなとき、カラーとリードだけでは危険なことがあります。
道路への飛び出し防止
カラーが緩くてするっと犬の首から抜けてしまったり、リードの金具が劣化していたり壊れていたり、あるいは留め方が不十分でカラーから外れてしまったりすると、犬たちは拘束されるものがなくなった勢いで道路に飛び出してしまう可能性があります。
呼び戻しのしつけが完璧であれば、車道へ行く前に戻ってくることもあるかもしれませんが、興奮している犬の耳にちゃんと指示が聞こえるかどうかわかりません。そうこうしているうちに車にぶつかってしまっては大変です。
他人や他の犬との衝突防止
また、玄関の外に人がいた場合は犬だけでなく人にも迷惑がかかります。お年寄りや小さな子供の場合は、犬がぶつかれば転んでしまうかもしれませんし、犬が嫌いな人かもしれません。お互いに興奮したときに、犬が人を攻撃して傷つけてしまう可能性もゼロではないのです。
こんなとき、カラーのほかにハーネスをつけてそこに付けたリードをもっていれば、一本のリードから離れたとしても犬の飛び出しを防ぐことができますね。
また、リードから離れることがないということは、犬の迷子を防止するメリットもあります。
注意すること
いい事ずくめのようなダブルリードですが、やはりデメリットや注意するべき点もあります。デメリットを挙げるとすれば、やはり二本のリードは邪魔になるということでしょう。
カラーにつけるだけでなく、ハーネスもつけて金具越しに二本の紐をぶら下げて、と考えると犬たちにとっても不自由な感じがするかもしれません。お散歩の準備や後片付けも、シングルリードに比べると手間がかかり、外に行くのがおっくうになってしまうかもしれません。
犬にとっては首と胴体の二か所を引っ張られるように感じて、余計にぐいぐいと引っ張って歩くようになる可能性もあります。これでは、犬も人も余計に疲れてしまいます。
この手間や不自由さを少しでも軽減するために、ダブルリードを使用する際はメインに持つリードを一本に決め、もう一本は予備として常に余裕のある長さを維持して飼い主さんの体に結び付けておくなどするとよいでしょう。特にとっさの動きに対応するために、一本は十分な長さのあるものを選び、腰などに巻き付けられるようにしておくとよいと思います。
まとめ
ダブルリードは犬の安全のために有効な手段です。ちょっとやんちゃな犬を散歩に出すときや、脱走癖のある犬がいる飼い主さんは、導入を考えてみてはいかがでしょうか。しかし、普段ハーネスをつけていない犬の場合、ストレスでお散歩に出たがらなくなることもあります。少しでも犬にとって安全で、飼い主にとって手間がないようにして使用する方法を考えましょう。