犬の散歩コースを変えるメリット
社会性が身につく
散歩コースを変えることで見る景色や聞こえる音、足元の感触、出会う人や犬が変わります。それは犬にとってとても大切なことで、さまざまなものに触れ合うことで経験が増え社会性の高い犬に成長することが出来ます。特に子犬にとって社会性を身につけることはその後の人生や性格を左右するほどとても重要なこと。出来るだけ多くのものを見せ、聞かせ、触れ合わせることを意識して散歩コースを変えるといいでしょう。
好奇心が満たされる
散歩コースを変えると社会性が身につくことと同時にさまざまな刺激によって好奇心が満たされ、非常に充実した散歩になると思います。いつも同じコースを歩いていると、犬も慣れきってしまい周囲に気を配ることなく歩いて行ってしまうことが多いのですが、新しい環境では「どんなものがあるんだろう?」と周囲を見回したり耳をそばだてたり、足元に注意を払いながら歩くようになります。そのような刺激は体力だけでなく精神的な疲労感も与えます。適度な疲労は犬の生活の充実にもつながることなので、好奇心を満たすような散歩コースを探してみてくださいね。また、このような刺激は脳を活性化するため認知症の予防や進行を抑制する効果もあると期待されています。
迷子防止
散歩中などに誤ってリードを離してしまったり、首輪が外れてしまうなどでどこかに行ってしまうということがあります。すぐに帰ってくれば問題ありませんが、たまたま見かけた猫や鳥などを追いかけて夢中でどこかに行ってしまい、犬自身帰り道がわからなくなってしまうことも。そういった時、家の周囲のあらゆる道を歩いた経験のある犬が家の方向を感覚的につかみやすいと考えられているため自力で自宅にたどり着くことが出来るとも言われています。
テリトリー意識を軽減する
特に縄張り意識の強い犬の場合は、散歩コースを変えたり遊びに行く公園を日によってバラバラにしてそれらを自分のテリトリーだと認識させないように心がけましょう。公園などで普段見かけない犬に対して吠えたり強い態度に出るような様子が見られた時などはしばらくその公園に遊びに行かず別の場所に行くようにしたりするといいでしょう。
犬の散歩コースを変える時の注意点
犬の散歩コースを変えることにはメリットがたくさんありますが、散歩コースを変えることでデメリットが生まれる場合もあるので注意しましょう。特に散歩自体に慣れておらず外で落ち着かない子犬や、新しい環境などが苦手なタイプの犬はコースが変わることで強いストレスを感じてしまうことがあります。そのような場合は、決して無理強いすることなく犬の様子を観察してペースを合わせてあげながら散歩をすることが大切です。もちろんそのような犬の場合も、少しずつ新しい環境や状況に慣らすために散歩コースを変えることは必要です。安心させるために毎日同じコースばかりを歩いていると、ますます新しいものを受け入れることがむずかしくなる可能性があるので、励ましたり楽しい雰囲気をつくりながら無理のない範囲で散歩コースを変えてみるようにしましょう。
犬の散歩をしつけやコミュニケーションの時間に
犬にとって1日の中で最も楽しみな出来事が散歩ということは多いかもしれません。基本的に家の中で過ごす犬にとって外で感じる自然の香りや音、他の犬や人の気配などはとても刺激的で魅力を感じるものなのだと思います。しかしながら仕事や家事、育児などで忙しい飼い主にとっては、時には愛犬との散歩の時間が負担の感じられることもあると思います。また、同じコースを単調に歩いていると飼い主自身も飽きてしまって楽しさを感じられなくなることも。
犬にとって最高に楽しい時間になりうる散歩の時間をより楽しいものにするためには、飼い主も犬とのコミュニケーションを積極的に取るように心がけることが大切です。特に留守番が多い、家の中ではバタバタしていてあまりかまうことが出来ないという場合などには散歩の時間に歩きながらたくさん話しかけたり、公園で遊んだり、しつけを取り入れたりしてより充実したものになるようにしてあげると犬との関係性もより深まると思います。
まとめ
犬の散歩コースを変えることには犬の好奇心を満たしたり、社会性を身につけさせることが出来たりとさまざまなメリットがあります。しかし毎日散歩コースを変えるというのはなかなかむずかしい場合もあると思います。散歩コースを変えることのポイントには“予測出来ない変化”があるということが大きいため毎日変える必要はないとも言えます。常に散歩コースを変えていると毎日違うコースを歩くことが普通という状態にもなってしまい、ある意味刺激を感じにくくなるという場合もあります。そのため、基本的な散歩コースは決めつつ、時々コースを変えて歩くというようにすれば飼い主にとっても負担は少なく、しかも犬にとっても刺激的で魅力的な散歩の時間になると思います。散歩自体を“毎日の義務”としないようにして、犬にとっても飼い主にとっても楽しい時間になるような工夫をするよう心がけましょう。