犬が老化により見せるようになる5つのサイン【獣医師監修】

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

個体差はありますが、一般的に犬は7歳を過ぎるとシニアに突入すると言われています。どんなに元気な犬であっても、老化は避けられません。では、犬が老化してくるとどのような仕草や行動を見せるようになるのでしょう。

犬が老化により見せるようになるサイン

今は元気な愛犬も、いつしか老化が訪れることになります。また、「既にシニアに突入しているはずなんだけど、老化している様子がない」と思っている飼い主さんも、もしかしたら愛犬の老化を見逃しているかもしれません。

もちろん、老化していると感じないのであれば、それは愛犬が幸せに過ごせているため、老化を遅らせることができているとも捉えられます。

しかし、どのような行動や仕草、そして変化が老化のサインなのかを知っておくことで、愛犬の老化が始まっているかどうかを判断することができます。そこで、ここでは老化のサインを紹介します。

1.寝ている時間が増える

まず現れる変化として、寝ている時間が増えたと感じます。普段から仕事などで外出時間が長いという飼い主さんの場合、気付きにくいかもしれませんが、「今までは帰るとドアの前で待っていたのに、最近は寝たまま」と感じるようであれば、それが老化のサインかもしれません。

この「寝ている時間が増える」というのは、実際にぐっすり寝ているという意味ではありません。もちろん、睡眠中も含まれますが、多くは動く気力が無くなり、横になっている状態を指します。

したがって、「家の中ではいつも後ろをついてまわっていた愛犬が、最近はまったくついてこなくなった」という変化も、シニアに突入している年齢であれば老化のサインとして考えて良いでしょう。

2.散歩時に歩く速度が落ちる

老化の特徴として、足腰が弱くなるという点が挙げられます。これは犬も人間も同じですね。足腰が弱くなると言うことは、成犬の頃に比べると歩くスピード自体も遅くなります。

そのため、散歩に行くと以前よりゆっくり歩くようになったり、「前は走ったりはしゃいでたのに、その様子が見られなくなった」という変化に気付き、老化が始まっていると気付く飼い主さんも多いです。

また、以前は散歩が大好きだった犬であっても、老化が始まり足腰が弱くなるにつれて、散歩の距離が短くなり、すぐに帰りたがろうとする子もいます。

3.来客に反応しない

犬は元々防衛本能が強い動物のため、家族以外の人が家に来ると警戒し、吠えたり唸るなど興奮した姿を見せることが多いです。しかし、老化してしまうと「家族を守ろう」という使命感も薄くなり、少しずつ来客にも興味を示さなくなるという変化が見られます。耳の聞こえが悪くなってくるので聞こえないことが原因になっているかもしれません。

ここまでも話に出てきましたが、老化のサインの1つとして、「意欲が無くなる」という特徴があります。この来客にはんのうしなくなるというのも、意欲や興味が無くなったことが影響しているのです。

同じような理由で、以前は外を散歩している犬の吠えた声に反応していたという犬が、シニアに突入した途端、まったく反応しなくなったという例もあります。

4.片足を上げておしっこをしなくなる

こちらはオス限定のサインとなりますが、飼っている愛犬がオスであれば、非常にわかりやすい老化のサインと言えるでしょう。このサインも足腰が弱くなったことで片足では下半身が支えられなくなり、仕方が無く両足を着いておしっこをするようになるのです。

片足を上げておしっこをするというのは、元々自分のテリトリーを示す行為でもあります。したがって、これができなくなってしまったことで、犬自身も自信を喪失してしまうことがあります。

人間も同じですが、自信を喪失してしまうなど、ネガティブ要素が増えることは、老化のスピードを速めてしまうことに繋がります。そのため、このようなサインが出たら、そこから老化が早まる可能性もありますので、よく観察し、注意してあげましょう。

5.伏せた状態から起き上がりにくそうにする

先ほど片足でおしっこをしなくなるというサインがありましたが、こちらも同じ理由で起きるサインです。

元気な成犬であれば、伏せた状態であっても、寝転がっている状態であっても、そこからピョンッと勢いよく起き上がることができます。しかし、老化が始まると少しずつですが起き上がりにくくなってしまうのです。

始めはゆっくり起き上がるようになり、徐々に起き上がろうとしても起き上がれず、体を傾けたりしながら起き上がろうとする姿が見られます。もしも起き上がりにくそうであれば、補助してあげると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。主に老化のサインとして見られる行動や仕草はこれらの5つがわかりやすいかと思います。もしも既にシニアに突入しており、これらの仕草や行動が見られているのであれば、老化が始まっていることを意味しています。ぜひ、よりしっかり注意して観察してあげましょう。

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執筆ライター
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