犬の老衰の症状と家庭できるケアについて

4236view

犬の老衰の症状と家庭できるケアについて

どんなに愛していても、どんなにずっと一緒にいたいと思っていても、愛犬は私たち人間よりも早く歳を取り、旅立ってしまう日が必ず訪れます。歳をとり、体の自由もままならないほど衰えてしまった愛犬を私たち飼い主は、どうやって最期の瞬間を迎えるまで、幸せなまま見送ることが出来るでしょうか?今回は、犬の老衰の症状と、その時に私たち飼い主が出来る家庭でのケアについて考えてみたいと思います。

監修:獣医師 平松育子

(ふくふく動物病院)

老衰とは…?

ː横たわる茶色の大型犬

老衰とは、「加齢によって心身が衰えること」を意味します。
そして、老衰死とは、人間の場合、「高齢になり、死因と特定できる病気がなく、加齢に伴って自然に生をとじること」を言います。最近の研究では、老衰死を迎える5~6年前から同じカロリーの食事を摂っているにも関わらず、体重が減り続けることが分かりました。
人間と犬とを比較したデータはありませんが、おそらく同じ哺乳類であることから、老衰による死の原因は、人間も犬も同じようなことが原因となっているのかも知れません。

老衰による体の変化

ːスプーンで食べるキャバリア

かつて、犬の平均寿命は近年30年で2倍に伸びたと言われています。
30年以上前の犬は老衰で死ぬほど長生き出来なかった…ということでしょうか。
けれど、今は獣医学の進歩や飼育環境の改善、優れたドックフードの普及で、昔よりもずっと犬は長生きできるようになり、私たちと一緒に過ごせる時間も長くなりました。
その分、加齢によって体衰弱していく「老衰による死」を迎える犬も多くなってきました。
では、加齢によって犬の体には、どんな変化が見られるようになるのでしょうか。

目が濁る

加齢による白内障で、眼球が白濁してしまう病気です。
遺伝性でなければ、加齢とともにゆっくりと進行していき、場合によっては完全に目が見えなくなってしまうこともあります。

耳が遠くなる

犬の聴覚は人間よりもずっと優れていますが、老化によってその能力もだんだんと衰えてきます。

夜泣き

最近では、犬も痴呆症を患うことがあります。

固いものを食べたがらない、口臭が強くなる

加齢によって、体の抵抗力が落ち、口内環境が悪化して、歯周病を発症することがあります。
そのため、歯が痛くて固いものが噛めなくなり、歯茎も化膿してしまっていたら、口臭も強くなります。

お尻の筋肉が落ちてくる

眠っている時間、動いていない時間が長くなるため、足の筋肉が衰えてきます。

トイレを失敗する

足腰が弱って、ふんばりが効かなくなり、トイレを失敗してしまうことが増えてきます。

衰弱死直前の症状とは?

眠っている犬

  • 寝ている時間が長くなる
  • 排泄量が減る
  • 意識がもうろうとしている時間が増える

老衰死を迎えようとする愛犬への最期のケア

犬を抱きしめる女性

食事

意識があるなら、愛犬が食べたいという意思を示すものを少しづつ、食べさせてあげましょう。

排泄

元気な時は、決まった場所でトイレをし、そうすることで飼い主さんに褒められてきた愛犬にとって、思うように排泄出来ず、粗相してしまうことは、きっと辛く悲しいことでしょう。
まだ、歩けるようならトイレに誘導して自力で排泄を促して元気づけてあげましょう。
もしも、寝たきりになってしまっても、今は、犬用の介護用のおむつもあります。
そういったものを上手に使い、「今日も頑張ったね」など、優しく労り、声をかけながら、愛犬の体が汚れないよう、清潔に保てるようにケアしましょう。
床ずれのケアは、日進月歩しています。
その時の最新、最良の方法で行いましょう。

出来るだけ側にいる

意識が薄れて、呼吸も弱くなり、排泄物の量も減って行き、その上、食事はもうほとんど食べられない…と言った状況になると、いよいよ、お別れの時が近づいています。
体を撫で、名前を呼んで、出来るだけ一人きりにならないようにしてあげて欲しいと思います。

まとめ

人と犬の手

私は、アメリカンコッカースパニエルの「ゴールイディ」と「チュパ」という2匹の愛犬を見送った経験があります。
ゴールディは、ダニに刺されたことによるバベシアによってまだ8歳という若さで亡くなりました。
チュパは、大腸ガンによって、13歳で、家族が外出している間に、吐血して、誰もいない家の中で一人きりで逝ってしまいました。その悲しい経験から、現在の愛犬「めいぷる」を家族として迎えた時から、めいぷるが年老いて、最期を迎える時は私は絶対に側にいて、いつか私も旅立つ日が来るから、それまでお空で待っててね、と言って見送りたいです。縁あって、家族となった愛犬が、歳をとって弱っていくのを見るのはきっと辛い日々になるでしょう。それでも、最期まで心地よく過ごせるよう、心を配ってあげるのが家族として最期に愛犬へ捧げる愛だと思います。その日が来たら、気持ちをしっかりと持って、ケアしてあげたいと思っています。

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

あなたの体験談やハウツー・解決方法など、他の飼い主さんやその愛犬の為にもなる情報をみんなで書き込んで、犬と人の共同生活をより豊かにしていきましょう。

この記事をシェアする
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。