1.膀胱炎
おしっこの状態
- 排尿回数が多い
- 量が多い
- 色が濃い
- においがきつい
- 排尿の最後に血が混じっている
- 排尿時に痛がる様子がみられる
膀胱炎について(症状、原因、予防方法)
膀胱や尿道などに炎症が起きた状態を「膀胱炎」といい、発症の原因は主に細菌による感染です。泌尿器系で多くみられる病気で、重大な病気ではありませんが再発する可能性があります。
運動をあまりせず、水をあまり飲まない犬、またメスは尿道が太いことからオスよりも発症しやすいといわれています。食欲がなくなったり、熱を出したりし、上記のようなおしっこの状態がみられたら、膀胱炎を疑いましょう。
いつでも新鮮な水をあげられる環境をつくり、おしっこを我慢させないようにすることが大切です。
治療方法
尿検査にて白血球の数を調べ、通常よりも多い数値があらわれた場合は、膀胱炎と診断されます。細菌感染が主な原因なので、抗生物質の投与が効果的です。
2.糖尿病
おしっこの状態
- 量が多い
- 色が薄い
糖尿病について(症状、原因、予防方法)
糖をエネルギーに変えるインスリンが減って、血糖値が高くなってしまった状態を「糖尿病」といいます。おしっこと一緒に水分が排出されるので、水をたくさん飲むようになります。食欲はあるにもかかわらず体重は減少していき、下痢や嘔吐もするようになります。
プードルやダックスフンドが発症しやすいといわれていますが、基本的にどの犬種でも発症する可能性がある病気です。ストレスや肥満、食べ過ぎなどにより発症することがあるので、適切な食事を与え、一緒に遊ぶことでストレスを溜めないように心がけましょう。
治療方法
食事制限とインスリンの投与を、毎日続けなければなりません。完治が難しい病気なので、血糖値のコントロールを行い体調を維持することが治療の目的となります。
3.尿路結石
おしっこの状態
- 量が少ない(もしくは出ない)
- 血が混じっている
尿路結石について(症状、原因、予防方法)
おしっこの通り道である尿道や膀胱などに結石ができた状態を「尿路結石」といいます。おしっこをするポーズをとっているのにおしっこが出てこない場合は、尿路結石を疑いましょう。水をあまり飲まないことや、普段の食事の偏り、尿道が狭いことなどが発症の原因として挙げられます。
尿路結石は再発しやすい病気で、発症すると長期的な内服薬の投与や通院が必要となってしまいます。おしっこの回数や量などを把握することで早期発見が望めるので、普段からよく観察しましょう。
治療方法
結石が小さい場合は、内服薬を投与したり、点滴で結石を流す方法、また水を飲ませて結石の排出を促す方法などによって、症状を緩和することができます。結石が大きい場合は、外科手術によって結石を取り除かなければなりません。
4.腎臓の病気
おしっこの状態
- 回数が多い
- 量が少ない(もしくは出ない)
- 排尿の最初から最後まで血が混じっている
腎臓の病気(症状、原因、予防方法)
腎臓は、体中の血液をろ過することで必要な水分を吸収し、不要な老廃物を尿として排出する機能を持っています。この機能が低下した状態を、腎臓病といいます。
食欲がなくなり、下痢や嘔吐があらわれ、脱水する場合もあります。症状が進行すると、体の中に老廃物が溜まってしまう「尿毒症」という重大な病気を引き起こしてしまう可能性があります。
治療方法
腎臓は一度機能を失うと、回復することができません。そのため、症状の進行を抑える治療をしていきます。
内服薬を投与し、点滴によって尿の生成量の増加を促します。内服薬や吸着炭、リン吸着剤などの投与、低タンパクの処方食など腎不全の治療の選択肢は徐々に増えています。
まとめ
おしっこは毎日するものですよね。そんなとき、ただ掃除するだけでなく、毎回おしっこの状態を観察することが大切です。おしっこは、犬の健康をあらわす指標になります。「いつもより量が多い、少ない」「においがきつい」「血が混じっている」「おしっこが出づらそう」など、少しの変化も見逃してはいけません。
ユーザーのコメント
50代以上 男性 urupapa
今は、食事療法で1ヵ月様子を見る方法をとってます。
おしっこの量が多いので、最初は分からず、外で遊んで帰ると必ず血尿が出るようになったのでわかりました。