老犬が難聴に…日常生活でのポイントや考えたいこと

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老犬が難聴に…日常生活でのポイントや考えたいこと

犬は人間よりも早く歳をとり、若々しかった愛犬も徐々に老化現象が見られるようになります。白髪が生える、足腰が弱くなる、毛艶やが悪くなる、食が細くなる、目が白くなる等です。元々視力よりも聴力をメインに情報収集する犬の老化による難聴と、難聴になった場合の注意点などを考えてみたいと思います。

監修:獣医師 平松育子

(ふくふく動物病院)

犬の難聴とは

ダルメシアン手を耳にあてる

老化による難聴(加齢性難聴)

難聴とは、体の老化に伴い、聴力が低下した状態のことをさします。聴力が低下し始める年齢や度合いは個体差があります。「高い音が聞こえなくなる」「両耳の聴力が同時に下がる」「音は聞こえるが明瞭ではない」というのが特徴です。人間は耳鼻科の聴力検査で難聴と診断されますが、犬の場合は検査方法がない為、普段の愛犬の様子を知る飼い主の私たちが気がついてあげることが大切になります。名前を呼んでも反応しない、コマンド(指示)に従わない、新聞配達など来客訪問に気がつかなくなった、花火や雷に反応しないなどの変化から耳が聞こえていないと気がつくことが出来ます。
加齢性難聴の予防は「ストレスをためない」「耳の血流をよくする」「大きな音を避ける」などがあります。テレビの音やステレオの音は人間の耳には心地よい音量が犬にとっては負担に成りうるのです。

外耳炎など病気による難聴

ビーグル耳を掻く

愛犬が高齢で、「声かけの反応が薄くなったから加齢性難聴だ、仕方がない」と放置しないよう、「外耳炎」などの耳の疾患がないかしっかりチェックしましょう。
外耳炎など病気による難聴の場合は、

  • 耳や首を掻く
  • 頭をぶんぶん振る

などの行動をよくするようになります。

耳の中は赤茶色の耳垢がベットリと付いていたり、酸っぱい発酵臭を発しています。このような場合はマラセチア(カビ)に感染しています。強い痒みが続き、重症になると痛痒い為頻繁に強く耳を擦ることで耳が熱くなったり大きく腫れます。
大きく腫れるのは耳血腫といい、幹部への数度の注射もしくは手術が必要になります。マラセチアを治療しなければ放置していても治りません。獣医さんでマラセチア用の薬を処方してもらい根気よく点耳しましょう。個体差で効く薬も変わってきます。薬を使用しても治らない場合は、耳から採取した菌をシャーレで培養し、どの薬が効くのか調べる検査も必要になってきます。

水が入ったことによる難聴

犬2頭が海遊び

シャンプー、水遊びなどで大量に耳に水が入り残ってしまうことによっても外耳炎を引き起こし難聴になることもありますが、頭を振るとたいていは飛び出ます。しかし特に垂れ耳わんこは要注意です。

愛犬が難聴になってしまったら

ラブラドール耳チェック

犬は近眼で視力が弱い為、情報収集は嗅覚と聴覚を主に使って生活しています。犬の聴力は人間の約4倍から10倍と言われ、人間が聞き取れない周波数を聞き取れるそうです。その為、犬が難聴になってしまったら情報収集をする事が難しくなり、不安の中で過ごす事になります。生活の中で飼い主がフォローする事で、犬の不安が安らぎ生活しやすくなります。

難聴のレベルを把握する

聴力が衰えているが聞こえる、聴力の殆どが失われているなど、症状により飼い主が気を付けるポイントが変わりますので、愛犬の聴力レベルを確認しながらサポート方法を選んで下さい。

飼い主のフォロー方法

静かな環境を作る

難聴は聴力が下がるだけでなく、耳鳴りが伴っている場合もあります。いくつも音の発信があると混乱してしまいます。

怒鳴らず、通常の声の大きさで、はっきりと話す

聴力が低下した犬は必要な情報を集められず神経質になっている場合もあります。大きな声を急にかけて驚かせないようにしましょう。甲高い声で叫ぶように話しかけると余計に聞こえにくいようですので、低めの声でゆっくり話しかけましょう。

正面から話しかける

犬は耳を器用に動かし背面からの音を聞くことが出来ますが、前面の音の方が聞きやすい構造になっています。

話しかける前に伝える

話しかける前に、目の前で手を振るなど一行動をし、今から伝えますよというシグナルを送りましょう。

反応しやすい声の高さを見つける

低い声、高い声、個々により聞きやすい声の高さがあるのでそれを探り見つけましょう。

声と同時にジェスチャーで伝える

服従訓練をする際は、

  • 指符(しふ身振り手振りのジェスチャーで指示する)
  • 声符(せいふ指示を言葉で指示する)

を使用します。初歩では指符と声符の両方で行い、次の段階で指符だけ、声符だけで指示を聞けるか、指導手の指示を出す方法を犬が理解し指導手が犬へ何を求めているのか深く理解していきます。

[例]
座れ=人差し指を立てる
伏せ=上から下に掌を下げる
来い=指導手の顔横を手を前から後ろへ

などがあります。

まとめ

ハーネスを付けている柴犬

いつまでも愛犬に元気にいてほしいですが、誰しも必ず平等に時が過ぎ、体は老化していきます。慣れないうちはショックを受け悲しく受け入れがたいですが、現実を受け入れ、飼い主さんしか出来ない愛犬の快適ライフをお手伝いすることでいつまでも安心して元気でいてくれたら嬉しいですね。

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

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