大型犬は寿命が短い傾向にある
まず寿命が短い傾向にある犬種を見ていく前に、小型犬よりも大型犬の方が寿命が短い傾向にあるということについてお話しします。
一般的に小型犬よりも大型犬の方が寿命が短いと言われていますが、ご存知でしたか?「大型犬の方が丈夫そうだから、寿命も長いと思っていた」という方も多いでしょう。しかし、実際は小型犬の方が長生きをする傾向にあるのです。
では、いったいなぜ小型犬よりも大型犬の方が寿命が短い傾向にあるのでしょうか。
まず1つ目に挙げられる理由として、成長スピードの違いにあります。
小型犬の場合、1歳までの成長スピードが速く、その後の成長は緩やかになっていくため、シニア期に突入する年齢も約7歳と遅い傾向にあります。対して大型犬は、1歳までの成長スピードは遅いものの、その後の成長速度は小型犬よりも速いため、シニア期に突入する年齢が5歳と早いのです。
そのため、どうしても老いがくる時期が早くなってしまい、小型犬よりも早く寿命を迎えてしまう子が多い傾向にあります。
2つ目は体の構造に理由があります。小型犬に比べて大型犬の場合は体が大きいのが特徴です。しかし、体に対する臓器の割合が小さく、酸素や栄養素をしっかり体全体に行き渡らすために必要とするエネルギー量が大きく小型犬に比較すると負担が大きくなりがちです。そのため、病気になりやすくなったり、酸素がうまく行き渡らず、早くに亡くなってしまう子が多い傾向にあります。
3つ目は悪性腫瘍の発生率が小型犬に比較すると高い傾向にあります。骨肉腫、リンパ腫、肥満細胞腫などの腫瘍の発生は小型犬より大型犬に多い傾向があります。
寿命が短い傾向にある犬種とは?
小型犬よりも大型犬の寿命が短い傾向にある理由を知っていただいたところで、どのような犬種の寿命が短い傾向にあるのかを見ていきましょう。やはり大型犬が多い中、小型犬であっても寿命が短い傾向にある犬種に挙げられることもあります。
1.グレート・デーン
まずはグレート・デーンと呼ばれる犬種です。グレート・デーンは非常に大きな犬種のため、日本ではあまりメジャーとは言えない犬種ですが、こちらは犬の中でも特に寿命が短い傾向にある犬種として有名です。
大型犬であっても10年ほどが平均寿命と言われている中、グレートデーンの場合は6~8年と非常に短い傾向にあるのです。
その理由ははっきりと判明していませんが、大型犬を超える超大型犬であることから、やはり臓器と体の大きさが合っていないことや、癌になりやすいという特徴が影響しているのではないかと言われています。
2.レトリバー犬種
続いて短い傾向にある犬種は、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなどのレトリバー犬種です。やはり大型犬ということもあり、体に比べて臓器が小さいことや、胃捻転を発症しやすいことが大きな原因です。
また、癌になりやすい犬種でもあるため、癌を発症してしまい若くして亡くなってしまう子も多く、これが平均寿命が短いとされる理由の1つでもあります。
レトリバー犬種の場合、まずは胃捻転を起こさないようにしてあげる事が大切です。そのため、まずは食後にすぐ運動をすることは避けるようにしてあげましょう。
3.パグ
ここまで大型犬が挙げられる中、小型犬の1種であるパグが寿命が短い傾向にある犬種として挙げられます。これはパグだけではなく、鼻が短い特徴を持つ短頭犬種が当てはまります。そのため、フレンチ・ブルドッグなども同様に寿命が短い傾向にあると言えるでしょう。
なぜパグを始めとした短頭犬種の寿命は短い傾向にあるのでしょうか。それは鼻が短いことが関係しています。鼻が短いことによって息がしにくいという特徴を持つ短頭犬種は、その分体に負担が掛っていることが多いです。
これが寿命を短くしてしまう原因の1つではないかと言われています。よく飛行機NGの犬種として短頭犬種が挙げられますが、それも息がしにくいという短頭が理由です。
まとめ
今回ご紹介した寿命が短い傾向にある犬種というのは、あくまで「傾向にある」という話です。すべての犬がそうとは限りません。また、寿命が短いからといって不幸であるとは言えません。生きている間にたくさん幸せを飼い主さんが与えてあげる事で、愛犬は幸せな生涯を送ることができるのです。ぜひ皆さんも愛犬に幸せな生涯を送ってもらうために、寿命を深く気にせず、強い絆を築いていきましょう。