イギリスと犬
イギリスにおいて、犬は古くから人間のパートナーとして暮らしてきました。ある時は家族として、またある時は狩猟犬として、人間の暮らしを助けてきた歴史があるのです。
しかし、今でこそ犬を始めとした動物に対し、多くの法律の整備が成されたり、人々の心構えが良い方向に動いているものの、数世紀前までは牛を多くの犬に追いかけさせるなどの動物を使った衝撃的な娯楽が繰り広げられていたことも事実です。
それでも19世紀頃から動物愛護運動が行われ始め、現在では動物愛護の先進国とまで言われるほど進化を遂げたイギリスです。人々と犬との間に濃く、深い歴史があったことは明白でしょう。
イギリス国内外で有名な犬に関する話では、イギリス王室のコーギーではないでしょうか。在位約70年というエリザベス女王が18歳の誕生日に初めてコーギーが贈られたことをきっかけに、その後、約70年間、女王はコーギーを愛し続けています。
現在女王と共に暮らしているコーギーは、この18歳の誕生日に贈られたコーギーの子孫だということです。
エリザベス女王以前にもイギリス王室では多くの犬が暮らしていた歴史を持っており、17世紀に描かれた王室の肖像画にも既に犬が一緒に描かれているのです。
イギリスで人気の犬種 3位:フレンチ・ブルドッグ
イギリスで3番目に人気が高い犬種はフレンチ・ブルドッグです。
ベースは闘犬として扱われていたブルドッグやマスティフ犬とされており、そこに穏やかな性格の小型犬を交配して誕生した犬がフレンチ・ブルドッグです。名前の通り、フランスで生まれた犬種です。
明るい性格のフレンチブルドッグは飼い主とのスキンシップが大好きな甘えん坊な性格の子が多いです。性格も穏やかな子が多いのですが、リーダーとして認めている人に懐く傾向が強いため、家族以外の人には簡単に懐かないことも珍しくありません。
人気急上昇の時期王座を狙う犬種
元々人気がとても高いという犬種ではありませんでしたが、2007年から人気が急上昇している犬種です。以前と比べると、2007年から2016年までの間の登録件数は、3000%を超えるものすごいスピードで増えているのです。
後ほど紹介しますが、20年以上連覇している1位の犬種も追い越される勢いで登録件数が増えているため、もしかすると今後、1位、2位の犬種を追い抜かし、1位にのし上がってくる可能性もあるかもしれません。
イギリスで人気の犬種 2位:コッカー・スパニエル
そして2位の人気を誇る犬種がコッカー・スパニエルです。元々は狩猟犬として活躍していたコッカー・スパニエルには、イングリッシュ・コッカー・スパニエルとアメリカン・コッカー・スパニエルの2種類が存在します。
違いとして、イングリッシュ・コッカー・スパニエルは狩猟犬として活躍していた犬種がそのまま現代に残っている犬種で、アメリカン・コッカー・スパニエルはこのイングリッシュ・コッカー・スパニエルをアメリカに輸入し、アメリカにて改良され、愛玩犬として誕生しました。
この2つを合わせてコッカー・スパニエルと総称で呼ばれていましたが、近年、別の犬種として扱われるようにもなっており、イギリスではイングリッシュ・コッカー・スパニエルの人気が高いということです。
とにかくイギリスでの歴史が長い犬種
名前の通り、イギリスで誕生した犬ですので、イギリスでの歴史が長く、イギリスの人々も馴染みの深い犬種がコッカー・スパニエルです。
14世紀には既にイギリスにコッカー・スパニエルの元となる犬種が輸入されてきており、コッカー・スパニエルとして誕生した後も水中、陸上共に素晴らしい狩猟能力を発揮し、イギリスの人々を助けてきました。
特に17世紀頃に入ると鳥を専門の狩猟犬として大活躍しています。ちなみにコッカー・スパニエルのコッカーという言葉は、英語で「ヤマギシ」という鳥を意味しています。
イギリスで人気の犬種 1位:ラブラドール・レトリバー
そしてイギリス人気第1位には、警察犬や盲導犬としても活躍することの多いラブラドール・レトリバーが見事ランクインを果たしています。
元々水中で狩りをすることを得意とする犬種で、レトリバー(Retriever)とは獲物を回収するという意味があるのです。名前からも狩猟が得意とする犬であることがわかります。
性格は大人しい性格の子が多く、人にも懐きやすいため、子どものいる家庭にも最適な大型犬とされています。しかし、元々狩猟犬だったこと、また大型犬である事などを総合し、運動量が非常に多いです。
イギリスでは馴染みの深い犬種
そしてイギリスで第1位に輝いたのは今回だけではありません。なんと1990年から26年間連続で人気No.1に輝いている、イギリス内ではKing of dogsと言っても過言でないほど人気が高いのです。
人気がとても高いため、イギリス国内ではラブラドール・レトリバーを専門に扱う犬舎が存在するほどです。
元々カナダで誕生し、イギリスにやって来て改良され、発展した犬がラブラドール・レトリバーですので、イギリスの犬であるという点もイギリス人に愛される理由なのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。現在の日本では家の大きさなどから小型犬が人気の傾向にありますが、イギリスでは大型犬から中型犬の人気が高い傾向にあります。今後、どのように人気の順位が変わっていくのか、イギリスの人気ランキングに目が離せません。