ケージの目的
室内で犬を飼っているけど、「仕事に行く時」「買い物に行く時」「留守番させなくてはならない時」いたずらしてたらどうしようと不安になることはありませんか?いたずらがひどく、コードをかじって感電してしまうかもしれませんし、物を破壊してしまうこともあるでしょう。
犬を事故や危険なことから守るため、ケージを使いましょう。
ケージは、犬が安心していられる場所でなくてはいけません。そのため、罰の目的でケージに閉じ込めたりしてしまうと、安心できるどころか、嫌な場所となってしまいますので、罰として閉じ込めたりすることがないようにしてくださいね。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬は本来「狭い場所が好き」な習性があります。
その習性を上手に利用して、ケージに入るとごはんやおやつがもらえると覚えると、自然とケージが好きになってくれますよ。
そもそもの犬の生活
多くの哺乳類は巣穴に住んでいます。家犬の祖先であるといわれているオオカミや、オーストラリアン・ディンゴ、パリア・ドッグなどの野犬も穴居性の生き物です。
そのため、家犬となりコンパニオン・アニマルとして生活している犬も、薄暗い、狭いところが好きで安心できるのです。
監修ドッグトレーナーによる補足
愛犬にはのびのびと過ごしてほしいから広い方が良い!と思っている人もいるかもしれませんが、多少狭いくらいのケージのほうが、犬はゆっくりと安心してリラックスしてくれます。
もちろん狭すぎるのはNGですが、手足や背筋が十分に伸ばせるくらいの広さが好きだったりしますよ。
ケージを設置するのにNGな場所
人の出入りが激しい玄関はNG
犬が穴居性の生き物であるということがわかると、なんとなくケージの設置場所も見えてくきませんか?
人の出入りが激しい玄関は、犬は落ち着いて休むことができませんので設置場所としては不向きです。ここに置いてしまうと、常に誰かが出入りすることで犬は常に神経がピリピリして、休むどころの騒ぎではありません。また、部屋の中であっても扉の側や部屋と部屋の境目近くも同様に落ち着くことができないでしょう。
窓際は危険
窓際に設置する方もいますが、こちらも不向きです。冬場は直射日光が当たることで暖をとるのにいいかもしれませんが、夏場の日差しは犬には厳しく危険です。
いくらエアコンをつけっぱなしにしていても、日当たりの良い窓際の温度は上がります。また、万が一エアコンが停電や故障で止まってしまった場合、熱中症の危険にさらされます。
監修ドッグトレーナーによる補足
窓際は暑さだけでなく、外が見えてしまうことで無駄吠えに繋がってしまう懸念もあります。
外が見えると人や他の犬、動くものなどについつい反応して吠えてしまう犬も多くいます。
部屋の真ん中・隅っこ
部屋の真ん中に設置する方は少ないかと思いますが、こちらも不向きです。まず、人間が生活しにくいですよね。そして、360℃どの方向からも視線にさらされるのは人間もそうですが、犬も落ち着くことはできません。
逆に、部屋の一番奥のあまり人がいかないような場所に設置すればいいのかと思ってしまいますが、実はここも向いていなのです。犬は群れで生活する生き物なので、単独生活は得意ではありません。人目が届かない場所にずっと一人ぼっちで置かれているのもよくありません。
犬の状態が分かる場所に置く
外出中に飲み水がなくなって喉が渇いているかもしれませんし、うんち、おしっこを踏み荒らしているかもしれません。帰宅したらいち早く気付いてあげる必要があります。
また、犬の手の届く範囲に危険なものや、いたずらされたら困るもののそばにも置かないようにしましょう。
設置するのに良い場所とは
まずは、人の出入りが激しくない場所を選びましょう。できれば外の音も入りにくいところが良いです。
さらに窓際でないことも重要。暗いところを好む習性があるので明る過ぎるところも良くありません。そして、留守番や朝起きたらすぐに愛犬を確認してあげられる場所に設置するのがおすすめです。
家族構成や住居の関係、家具の配置などそれぞれのライフスタイルがあるかと思いますので、ご事情にあった最善の場所を選びましょう。
注意点
ケージは、留守番や夜寝るときなど一時的に使うのが良いです。
いたずらするからや、目が離せないからといって人がいるのにケージに入れっぱなしにするのはいけません。大切な家族の一員なのですから、団欒に混ぜてあげましょう。
また、ケージに入れっぱなしにすると、良いことと悪いことの区別ができなかったり、家族のルールを理解できない、閉じ込められるのが嫌いなまま成長してしまいます。そうすると、たまに出したときに暴走したり、いたずらしたりと、手に負えなくなってしまいます。
子犬の頃からケージに慣らす
子犬の頃から留守番や夜寝るときはケージの中、家族がいるときは部屋の中で自由にしてあげるようにしていると、いたずらしたときも現行犯ですぐしつけもできて家族のルールを教えることができますし、ケージの中も嫌いになりません。
大人になってから急にケージに入れると、閉じ込められたことがない犬はパニックを起こしたり、出してもらえるまでずっと吠え続けます。
このときの吠えは声がかれても止めることがなく、犬にとっては相当なストレスがかかってしまいます。ですから、ケージは子犬の頃から慣らしておくのが理想的です。
監修ドッグトレーナーによる補足
子犬の時からケージに入る習慣があると、「こんな風に生活するんだな」と犬も受け入れやすくなります。
逆に、成犬になってからケージに入れ始めると「なんで狭い所に閉じ込めるの?」と嫌がるケースは少なくありません。なるべく子犬の時から習慣づけることが肝心です。
まとめ
ケージは、留守番や寝るときに入るところだと教えることで犬の安全を守れますし、飼い主にとってはいたずらされることがなくなります。人間は安心して外出できますし、犬も安心して過ごすことができるでしょう。
お迎えしたすぐや、できれば子犬の頃からケージのある生活に慣らしてあげることが大切です。そして閉じ込めっぱなしにしないことが何より重要です。
愛犬に安全と安心感を与えるためにケージの設置場所には十分に気を使ってあげてくださいね。
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女性 おさけ