犬の聴力が低下する4つの原因とは?生活の注意点から検査方法まで

犬の聴力が低下する4つの原因とは?生活の注意点から検査方法まで

犬はとても耳が良く聴力は人間の4倍と言われています。しかし犬も様々な原因により耳が聞こえなくなってしまいます。ここではその原因や検査法、また耳の聞こえない犬に対する日常生活の注意点を説明致します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬も人間同様、聴力が低下してくると耳が聞こえなくなってきます。原因は様々ですが聞こえなくなってくると今まであたりまえにしていたコミュニケーションが取れなくなり少し寂しさを感じます。
ここでは犬の聴力の低下について説明致します。

聴力の低下による犬の反応とは

ピンと立った犬の耳

  • インターフォンが鳴っても気付かない
  • 飼い主さんが帰宅しても気付かずに爆睡している
  • 飼い主さんの言葉に反応しなくなる
  • 食事の際「よし!」と声掛けをしても分からずにずっと待てをし続け飼い主さんをじっと見ている
  • 以前よりも臆病、攻撃的になった
  • 大きな声で吠えるようになった
  • 雷やサイレンなどの怖がっていた音を怖がらなくなった
  • 近寄っても気付かずにいて触るとびっくりする

犬の聴力が低下する4つの原因

耳が悪い犬

1.老化

犬も人間同様、年をとると老化が始まります。小型犬や中型犬は9〜13才、大型犬は6〜9才頃から老化が目立ってきます。
耳は加齢に伴い蝸牛(かぎゅう)という聴覚を司る器官が悪くなり徐々に聞こえずらくなってしまいます。
老化による聴力の低下はある日突然聞こえなくなるわけではなく少しずつ進行していきます。

2.遺伝

子犬の頃から耳が聞こえていないようであれば遺伝によるものの可能性が高いです。
特に「白」「マール(黒斑点を伴った青灰色)」「白+黒ブチ」の色を持つ犬は先天的な聴覚障害を持っている可能性が高い傾向にあります。
はっきりとした統計結果があるわけではありませんが、白+黒ブチで有名な「ダルメシアン」は22%の割合で片耳が聞こえず、8%の割合で両耳が聞こえないとも言われています。
また白の毛並みの「ブルテリア」は20%の割合で聴覚に障害があるとも言われています。
この2種に限らず、イングリッシュセッターやイングリッシュブルドッグなどその他30種類以上の犬種でも先天的な聴覚障害があり、残念ながら遺伝によるものに対しては治療法がありません。

3.細菌感染による耳の炎症

  • 外耳炎
  • 内耳炎
  • 中耳炎

耳の中に細菌が入り増殖すると耳垢や炎症を起こします。さらに進行していくと鼓膜や耳の中の様々な器官に影響を及ぼし聴力の低下へと繋がります。耳の通り道が肥厚し外耳道が完全に塞がってしまうケースもあります。
耳を痒がる、耳が臭い、頭をしきりに振るなどの行動は耳の不調のサインです。初期で適切な治療をすれば完治しますので、聴覚に影響が出る前に早めに治療を受けましょう。

またある日突然耳が聞こえなくなった場合は耳垢や腫瘍、異物によって耳の中が塞がれ聴力の低下を起こしている可能性があります。また、鼓膜が破れてしまっても耳が聞こえなくなることがあります。日頃から愛犬の耳の異変がないかチェックをしましょう。

4.薬物の摂取

治療で使う薬の副作用で聴力が低下する場合があります。そのような副作用がみられたら早急に投薬するのを中止し、獣医師に伝えましょう。
また日常生活で使用する接着剤、洗剤、シンナーなどを吸い込んだり耳の中に入ってしまうと聴力が低下する原因になると言われています。犬の付近にはそのような物は置かないように気を付けましょう。

犬の聴力が低下したときに注意したい生活の注意点4つ

耳が悪い小さなダックス

1.驚かせない

耳が聞こえないことで不安で臆病になっている場合があります。今まで通りに接してしまうとびっくりして自己防衛のために相手に噛み付いてしまうこともあります。触るときは犬の視界に入り側にいることを分からせた上で触るようにしましょう。
また老化で聴力の低下がある場合は、同時に視力の低下もあり見えづらくなっていることもあります。その際はベッドを揺すってから触るなどアクションを起こしてから触るようにしましょう。

2.言葉ではなくジェスチャーでコミュニケーションをとる

耳が聞こえなくなってしまうと、飼い主さんの声による指示が愛犬には届きません。犬が理解しやすいような動作で指示を出すようにしましょう。同様に上手くできたら言葉ではなく行動でたくさん褒めてあげ安心させましょう。耳が聞こえない犬は見たものを頼りにしており、常に不安を感じていますので笑顔で接するよう心がけましょう。

3.散歩の時はリードを着け短く持つ

散歩中は車や自転車やバイクなど様々な危険があります。しかし耳が聞こえない犬は自分で危険を察知することが出来ません。
飼い主さんが犬の耳となり危険を感じたらリードを引き愛犬を守ってあげましょう。

4.不安にさせないよう安心させる

犬の聴力は人間の4倍と言われとても耳が良いです。その耳が聞こえなくなると慣れまで犬はとても不安になります。自分の声や飼い主さんの声が聞こえない為に大きな声で吠えてしまうこともあります。老犬で同時に視力も弱い場合は特にその傾向が見られます。
耳が聞こえないのは徐々に慣れますので、それまでは不安にさせないために飼い主さんの存在が感じられる場所に犬の居場所を作ったり、飼い主さんの匂いのする物を側に置いたりして安心させましょう。

犬の聴力を検査する方法

ヘッドフォンを耳にかぶる犬

脳幹聴覚誘発反応検査

この検査はヘッドフォンやスピーカーを使い様々な音を犬に聞かせ、その際の脳波を調べて聞こえているか調べます。無麻酔で行うことが可能な検査ですが、残念ながら日本の動物病院ではほとんど行っておらず、限られた施設でのみに限定されます。

自宅での声掛けによる検査

①飼い主さんの顔や口の動きでなんて言っているか分かってしまうので、犬が別方向を見ている時に名前を呼んだり、「ごはん!」など敏感に反応していた言葉をかけてみる

②犬から離れた場所から食器の音や手を叩くなどをして犬が反応するかみる

聞こえている場合は、音や声のした方に振り向いたり耳を動かす仕草が見られます。
これらに反応しない場合は聴力の低下の可能性が高いです。

ハンドジェスチャーを取り入れたしつけをしよう

伏せている犬

しつけをする際は言葉だけでなく動作を加えながら行いましょう。動作を加えて教えておくと、いつか耳が聞こえなくなってしまっても愛犬とコミュニケーションを取る事が可能です。
ハンドジェスチャーで使うサインは細かな動きではなく、腕や指を使った大きな動きを使うようにしましょう。
代表的なハンドジェスチャーをご紹介致します。

お手

犬の前に手の平を差し出します。おかわりはもう片方の手の平を差し出します。

お座り

犬の顔の前で人差し指を一本立てます。そのまま犬の重心が後ろへ行くようなイメージで立てた人差し指を上へあげます。

おいで

腕を前に出し手を自分に向かって引きつけ、こちらへ来るように誘導します。
手の平や指だけだと動作が小さいので、腕を大きく使うのがポイントです。

待て

犬の顔の前に手の平を出し静止させます。

よし!

犬の前で両手を叩きます。

伏せ

曲げた腕を下にゆっくり振り下ろします。

まとめ

耳が聞こえない犬

高齢の犬が耳が聞こえなくなると老化だと思われる方がほとんどかと思いますが、中には別の原因の可能性もあります。異変に気付いたら動物病院へ連れていき耳の中を診てもらいましょう。
耳が聞こえなくなっても少し工夫をすれば愛犬とコミュニケーションを取ることが可能です。老犬による聴力の低下はどの犬でもいつか必ず訪れます。そのときに備えて日頃からハンドジェスチャーなどの音以外のコミュニケーションを取り入れて対策を取り入れましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 momo

    我が家には14歳になるゴールデンレトリバーがいます。若い時には、雷が大の苦手で、鳴る直前にはソワソワと落ち着きがなくなって、実際に鳴りだすと呼吸がハアハアとして震えていました。12~13歳頃に徐々に耳が遠くなってきて、あんなに苦手だった雷も怖がらなくなりました。そして一番老化を感じるのが、寝ている横を通ったりしても起きずにグーグーと寝たままでいる事です。他の視力や臭覚などはそこまで落ちてはいないのですが、最初に聴力から老化が始まったようです。気を付けなければいけないのが、記事にもあるように外で車や自転車が近くを通っている際に飛び出したりしないよう、しっかりとリードを持つという事です。
    飼い主が老化で衰えた部分をフォローしていく事が大切だと強く思います。
  • 投稿者

    40代 女性 SUSU


    9歳になるミニチュアダックスの男の子がいます。記事によると、小型犬は9歳頃から老化が始まるとのことですが、確かに今まで反応しなかった物や音を嫌がるようになったりと、今年になって見え方や聴こえ方に変化が起こっている感じがしています。
    9歳という老化の始まりで、聴力の低下とまではいかないが、聴力の変化は起こっているようです。

    特に、高音が苦手になってきています。テレビのニュースやバラエティー番組でよく使用されている効果音、項目毎に鳴る高い効果音が特に苦手のようで、隣の部屋で寝ていても起きてきて吠えています。私たち人間でも最近のテレビの効果音の使いすぎには辟易してしまうことがありますが、犬にとってはもっと迷惑な演出なのかもしれません。
    その他、救急車のサイレン音や選挙カーの女性の高い声も嫌がるようになりました。今までは全く気にしていなかった曲の中に使われている効果音や子供の甲高い声も苦手なようです。

    ブルーベリーやクロレラなど、犬の視力の低下を補う目的のサプリメントは数種類発売されておりますが、聴力に関しては、見つけることができませんでした。それだけ、一度低下してしまうと低下のスピードを遅らせるには難しい器官ということなのかもしれませんね。

    犬は元々背後からいきなり触れられることをとても嫌がります。後ろからの方が捕まえやすいからといって、後ろからいきなり抱っこしたり動きを止めようとする飼い主さんも多いのですが、ワンコにとってはとても嫌な行為です。
    耳が聴こえにくくなっているのであれば尚更、そのような対応を取らないよう注意が必要ですね。
    気を付けていてもついついやってしまうこともあるかと思います。
    いきなり触らない、触るときはそっと優しく触り、ワンコから寄ってきた時だけにする、寝ている時はそっとしておく、驚かせたりからかったりしない、といったことは、シニアのワンコでなくてもしない方がよい、ワンコに嫌われない接し方だと思います。
    愛犬がシニアになる前から当たり前のように接していれば、我々飼い主もラクに対応出来るのかもしれないですね。

    声かけをジェスチャーに変えることに関しては、少し練習が必要なのかなと思いました。
    愛犬がシニアになり耳が遠くなる頃には、言葉はなくても阿吽の呼吸で目と目を合わせるだけでお互いの意思が伝えられるような、そんな関係を築いていけていたらとても幸せなことですね。

    お散歩中にお会いする飼い主さんの中には「もう年でね・・・昔はよく歩いていたのに・・・」と老いを嘆くコメントも多いのですが、私たちも歳を取ります。人の名前をすぐ思い出せなくなったり、物忘れが多くなったり、疲れやすくなったりと、年とったなーと感じることも少なくありません。
    歳の変化も全部受け入れて、そのままでいいよと伝えてあげることが一番、若返るポイントなのかもしれないなと感じています。
  • 投稿者

    30代 女性 komanu

    老犬の場合、聴覚が衰えて飼い主さんの声や音への反応が鈍くなるのに加え、個体差はありますが、耳垢が増えて耳が塞がれて難聴になる場合もありますし、耳の周りが汚れやすくなる犬もいます。
    また、聴覚の衰えを「反応が一緒=聴こえている」と判断するのも難しいです。犬は嗅覚も備わっているので飼い主さんの動きや振動である程度察し、反応している場合もあるからです。
    人間の介助と一緒で、急に犬の体を触ったりして驚かせるのはNGです。あと、お散歩などで道路を歩く際には人間が車道側を歩くようにすると良いです。
    わが家の先代犬は、老犬期には名前を呼んでも反応してくれず、とても寂しかったのを覚えています。今となっては歳をとったからと言ってそっとしておかず、老化の進行を遅らせる工夫や、一緒に遊んだりコミュニケーションを取る手段を見つけてあげられてたらなぁ、と後悔があります。
    この記事を読み、今わが家にいる愛犬にも、若いうちからジェスチャーなどを取り入れたトレーニングをしておこうと思いました。
  • 投稿者

    20代 女性 てとめる

    我が家の愛犬も13歳になり老化からの聴力低下が目立ってきました。聴力が悪くなったな〜と感じるようになったのは『前はインターフォンが鳴ると吠えていたが吠えなくなることが増えてきた』『家に帰ってきても迎えにきてくれることが減ってきた』『愛犬の名前を呼んでも来なくなった』などです。12歳を過ぎた頃からあれ?と思うことが増えたように感じます。老化での聴力低下によって散歩も気を付けないといけないことが増えていて、飼い主が愛犬の目にならないとと思います。歩きスマホが問題になっていますが散歩中の歩きスマホは絶対にやめるべきです。耳の悪い愛犬は自転車や車に気が付かずにふらっと右へいったり左へいったりするのでちゃんと愛犬を見てあげる必要があると思います。
  • 投稿者

    女性 コロ

    うちのわんこは老化で耳が遠くなりました。低い音だけ急に聞こえが悪くなった感じでした。今までは起こす時などは名前を呼んでいましたが、聞こえなくなってからはそっと息を吹きかけたり、驚かさないように軽く体を撫でたりして気づかせるようにしています。

    白内障も少しずつ進行しているので、愛犬が不安にならないように気をつけて接することが大事だなと思います。
  • 投稿者

    女性 豆乳

    先代の犬が老犬になって、目が見えなくなって耳も聞こえなくなってとなったときは、かわいそうで私はとても悲観してしまいましたが、愛犬は意外とたくましくて用事があったり思い通りにいかないとカンシャクを起こして家族に伝えてくれました。老化による現象はどうにも止められませんからね、今飼っている犬もそろそろシニアです。覚悟しておかないと。
  • 投稿者

    40代 女性 モモ

    中型と大型の間の大きさの16才MIXが昨日、帰宅しても玄関でグゥグゥ寝ていたので調べようと、このサイトに来ました。
    確かに、この前から耳を掻く頭のを振るの様子が見られました。液状オーガニックのクリーナーで対応しましたが
    、容器を持ったら耳掃除とバレてしまい逃げます。
    まだ彼が齢をとったと思いたくない自分がいます。驚かさない・ジェスチャー・リードの長さ注意を取り入れて仲良く暮らしていきたいです。ありがとうございました。
  • 投稿者

    20代 女性 匿名

    名 女性
    12歳のミニチュアダックス、女の子です。最近の様子がおかしくて、不安になっていろいろと調べたらこのサイトにたどり着きました。
    耳以外はいつも通りでとても元気です。それなのにある日突然耳だけがふっと遠くへ行ってしまったかのように反応が悪くなりました。の割に当事者の彼女は全く気にしていないようで、怯えた様子も一切ありません。本当に子犬のころのようにいつも通りなのですがこれも年老いた彼女の性格というだけの理由でしょうか。
    母はあまりにも突然の出来事だったので「ストレスからくるものなのでは」と疑っていますが、もともと猫みたいな子で、気ままなので無視と耳の不調の区別がつきません。私たち家族が気づく前から段々と聞こえなくなっていたのかもしれません。不甲斐ない。もちろんストレスが原因であればまた「ごはん」や「りんご」と聞くだけで飛び跳ねるあの頃の姿を拝めるように全力を尽くすのみなのですが。。。
    とりあえず明日には病院で診てもらうつもりなのですが、はっきり診断されてしまう前に覚悟を決めていたかったので、たくさんの方のお話を読めてよかったです。ありがとうございます。
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