犬の脱水症状
・元気がなくご飯を食べない
・下痢や嘔吐
・皮膚の弾力がなくなる
・歯茎が乾きべったりしている
・尿の色が濃くなる
・震えや痙攣
・血尿や血便
犬が脱水症状で体液が失われつつあると、元気がなくなりグッタリとし食欲不振に陥ることがあります。犬の脱水症状の原因のひとつでもある下痢や嘔吐がなかなか治まらず、長引いてしまうこともあるようです。
体内の水分が減るため皮膚の弾力がなくなり、普段よりも皮膚をつまんで離すと、元に戻るまでに時間がかかります。歯茎も指で押してみると白っぽく色が変わると思いますが、こちらもピンク色の歯茎の色に戻るのに時間がかかったり、犬が脱水症状を起こしている場合は、唾液が少なくなってるので触った感じもベタつきがあり、ネバネバしています。また水分不足になり高濃度の尿が出るため、濃い色の尿が見られることもあります。
犬の脱水症状が重症化してしまうと、震えや痙攣、血尿や血便などの症状が出て、最悪は意識障害の症状も出てきてしまうので、犬は呼びかけに全く反応しなくなり、立てないときもあります。
冬場、夏場共に熱中症による、室内での脱水症状も引き起こす可能性があります。重症の場合は命にかかわる危険な状態です。あまり長く犬の様子を見ずに、重症な症状が見られた時はすぐに獣医さんに相談しましょう。
犬の脱水症状の原因
嘔吐や下痢
犬の脱水症状の主な原因は嘔吐と下痢です。犬が嘔吐や下痢を起こしてしまう原因はさまざまですし、犬は人間と比較すると嘔吐や下痢を起こしやすいと言われています。
しかし、長い時間、嘔吐や下痢を繰り返すことで体内の水分と合わせて水分に含まれているカリウムやナトリウム、ミネラル分も喪失されて脱水症状になってしまいます。嘔吐と下痢を同時に起すことで、脱水症状になる可能性が非常に高まります。
熱中症
熱中症でも、犬は脱水症状を引き起こします。犬は汗をかく所が主に肉球にしかなく、発汗で体温調節が出来ません。舌を出して唾液を蒸散させてハァハァとパンティングと呼ばれる呼吸をすることで体温を調節しますが、このパンティングで体内の水分はどんどん失われていきます。
この状況の中でお水を飲めていなかったり、排泄を我慢していると熱中症になりやすいと言われています。体温を下げる為の体の中の水分がなくなってしまうため、熱中症になり結果的に脱水症状も引き起こします。熱中症と脱水症状は繋がっていますので、これからの時期に注意が必要です。
脱水症状は室内でも起こる
熱中症が犬の脱水症状の原因の多くではありますが、真夏の暑い時期のお散歩であれば注意されている飼い主さんも多いですよね。しかし犬の熱中症や脱水症状は季節を問わず室内でも起こることがありますので注意しましょう。
真夏の対策としては、室内はエアコンで温度調節をし、脱水症状にならない様いつでも必要なだけ新鮮なお水を飲めるように用意しましょう。真夏の高温な時期の熱中症は短時間で悪化し、死に繋がる可能性も高いので、まんがいちの事を考え長い時間のお留守番はできるだけ避けてあげたほうが良いですね。
冬になると一気に気温が下がるので、熱中症の心配をしない方も多いと思います。しかし室内の暖房の設定温度が高く、熱中症になってしまうケースもあります。特に気をつけてあげたいのがこたつです。人間の足元を暖めるのに最適な暖房家具で、こたつが好きな犬も多いと思います。
人間のように足元だけ入れてくれるといいのですが、大抵の犬が頭からスッポリと体全体を入れてしまうと思います。ポカポカと気持ちよく、ぐっすり眠ってしまい、気がついたら熱中症になり脱水症状まで起こしてしまう可能性もあるので、頻繁に犬の状態を確認してください。
また冬になると気温が下がるため、犬が水分を取らないこともあると思いますが、これも冬に犬が脱水症状を引き起こす原因のひとつになります。お水だけでは飲まない犬にはミルクを溶いて与えたり、ご飯にスープをかけるなどして積極的に水分を採らせましょう。年を重ねた老犬は、成犬と比べると脱水症状になりやすいので、今までは大丈夫だったからと気を抜かずに出来る限り気を配ってあげましょう。
犬が脱水症状を起こした時の対処法
自宅で出来る応急処置
犬の脱水症状は命にかかわる危険な状態なので、基本的にはすぐに動物病院で診てもらうことが一番です。犬が自宅で急に脱水症状を起こしたとき出来る応急処置としては、すぐにお水を飲ませるのではなく、ミネラルや電解質を含んでいる飲み物を少しずつ与えることです。
お勧めなのが砂糖水です。水1リットルに対して砂糖大さじ1、食塩をひとつまみ溶かしたものスプーンなどでゆっくりと飲ませてあげて下さい。
病院での治療
自宅での応急処置が済んだら、すぐに病院で診てもらいましょう。動物病院での犬の脱水症状の治療は入院して行うことが多いです。点滴による薬剤で体から失われてしまった水分や電解質を補いながら治療を行ってくれます。
「脱水だから水をあげたらいい」と思っている飼い主さんも多いと思いますが、その行為が更に犬を危険な状態にする事もあります。
弱った胃腸に大量のお水を与える事で、胃腸を刺激し更に嘔吐と下痢を引き起こしてしまいます。犬の体に負担がかかります、体力を消耗し、体温までも下げてしまいますので、注意が必要です。
激しい嘔吐や下痢の場合の注意点
・嘔吐、下痢が止まるまでお水は飲ませない。(食事もNG)
・湯タンポや小豆カイロ、ペットヒーターなどで犬の体を暖める。
・症状が落ち着いてからはお水は少量ずつ、様子を見ながらあげる。
飼い主さんは犬の脱水症状を更に酷くしないように対処方法を間違えない様に注意しましょう。嘔吐や下痢をした場合は、弱った胃腸を休ませる為に絶食する事をお勧めします。
犬の脱水症状の予防法
スポーツドリンクを与える
熱中症による犬の脱水症状の予防には、市販のスポーツドリンクを与えるのも有効です。パンティングで水分を失ったり、わずかながらでも汗をかき、体の水分が失われるとき、水分だけでなくナトリウムやカリウムなどの電解質も一緒に失われています。
スポーツドリンクは電解質と一緒に糖分も摂取することが出来る飲み物です。市販のスポーツドリンクはポカリだけでなく、アクエリアスやos1など多くの種類が販売されていますが「飲む点滴」と呼ばれるほど素早く水分補給できる飲み物です。犬の脱水症状の予防として与える際はお水で3,4倍に薄めて飲ませてください。1本用意しておくと安心ですね。
フードを見直す
嘔吐や下痢を起しづらい消化の良いフードに変更するのも良いでしょう。
また脱水症状にならない様に普段から生活環境も整えましょう。
・清潔を保つ
感染症を防ぐ為に犬の生活環境を清潔にしましょう。トイレやペットゲージ等もマメに掃除しましょう。
・腸内環境を整える
下痢を防ぐ為に腸内環境を整える事も大切です。お腹が弱い犬には、りんごのすりおろしたものを温めて、犬にあげて下さい。りんごは水溶性の食物繊維は悪玉菌を制御する力が強いのでお勧めです。また、フルーツ類で下痢をする犬もいますので様子を見ながら少しづつあげるようにしてください。
・水分が多い食事
普段の食事でも積極的に水分を摂取しましょう。ドライフードに、お肉や野菜のスープをトッピングしたり缶詰を与えたり工夫しましょう。
・飲み水にハチミツ
動物病院の先生にはハチミツを飲み水に混ぜる事を勧めてもらいました。国産の瓶に入ったハチミツを少量混ぜるとお水をよく飲んでくれるようになるそうです。犬に合わない場合もあるので、様子を見ながらあげて下さい。
脱水症状の見分け方
激しい嘔吐や下痢が続く場合は脱水症状が起きていないか、水を飲まない日が何日か続いていないかも含め犬の様子を注意して観察しましょう。
・無気力
・くぼんだ目
・呼び掛けても反応がない
犬の脱水症状は見た目には大きな変化がなく、初期の脱水症状ではなかなか異変に気付きづらいです。何となくいつもより元気がなく、無気力な感じがしても、疲れているのかな?と思ってしまいますよね。
犬の脱水症状の初期の症状で目がくぼんでしまうことがります。これは顔を見ると分かるので確認しやすいですね。呼びかけて反応がないのは重症化が始まっているサインなので、そうなる前に下記の方法でしっかりと犬をチェックしましょう。
犬の脱水症状のチェック方法・病院に行く目安
・犬の首もと
首の皮膚を持ち上げて放して、すぐに皮膚が元に戻らなければ脱水症状を疑いましょう。
脱水によって皮膚の弾力性を失っている状態です。
・歯茎
歯茎の一部を白くなるまで指で押して放した後、すぐに歯茎がピンク色に戻らなければ脱水症状を疑いましょう。毛細血管再充満時間が遅いのは脱水症状の一つです。歯茎の状態も同時に確認して下さい。通常は潤ってつるつるしていますが、脱水症状の時は体の水分が不足している為にネバネバしています。
これらの症状が確認されたら、飼い主さんだけで判断することなく、すぐに動物病院に相談しましょう。動物病院では血液検査で犬が脱水症状になっているか検査をしてくれますし、確実に回復も早くなります。なぜ犬が脱水症状になってしまったのかの確認もして、獣医さんに改善する方法も相談してみましょう。
脱水症状を引き起こす犬の病気
嘔吐や下痢を引き起こす病気
・感染症
・急性胃炎
・糖尿病
・急性腎不全
犬は犬種により脱水症状の原因でもある、嘔吐や下痢を起しやすい子もいます。一時的なものであれば良いのですが、飼い主さんでも気づかない病気によって嘔吐や下痢を繰り返している可能性もあります。上記の病気は内臓の炎症や機能障害により、頻繁に嘔吐や下痢を起こす病気で脱水症状の原因にもなるものです。嘔吐や下痢の頻度が高い時は重症になるまえに獣医さんに診てもらいましょう。
熱中症
犬が脱水症状を引き起こす1番可能性が高い病気が熱中症です。重度の熱中症だと痙攣をともなう症状が出てしまい非常に危険な状態です。てんかんの痙攣発作と見分けがつきづらいです。脱水症状や熱中症による脳障害による痙攣であれば死に繋がる可能性がありますので、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
犬の脱水症状は死亡するケースもある怖い症状
命の危険にも繋がる可能性があるにもかかわらず、犬の脱水症状はなかなか気づいてあげる事が難しい症状だと思います。特に熱中症の危険性が下がる冬に脱水症状になるとはあまり考えませんよね。
風邪をひいて熱が上がっているときも、犬は脱水症状を起こしやすいので日頃から犬の健康状態をチェックしておくことが大切ですね。なんだか最近あまり元気がなかったり、ご飯を食べない、おしっこの色が濃くなっているなど、確認できることもいくつかありますので日々しっかりとチェックしましょう。
犬の脱水症状が重症化したときは急に死ぬこともあります。生活環境などで改善できる部分があればすぐにでも実行しましょう。もしも犬が脱水症状を起こした時は焦って水を飲ませたりせず、適切な応急処置をして、動物病院で治療を受けることが回復への近道になります。
まとめ
犬の脱水症状は、普段から生活環境を整えておけば防げる場合が多いと思います。犬が嘔吐や下痢をしたら飼い主さんはハラハラですよね。我が家のワンコもつい数ヵ月前に激しい嘔吐が続いた時がありました。
心配ばかりしてうっかり、お水を片付けるのを忘れていて、ワンコはお水を飲んでしまい、止まりかけてた嘔吐が更に激しくなってしまいました。幸い脱水症状にはなりませんでしたが、とても可哀想な事をしたと反省したのを覚えています。
わかっていても思っている通りに動けない事もありますし、普段から対処方法をしっかりと把握しておきましょう。犬の安心な生活を守れる事が出来るのは、飼い主さんだけですからね。生活環境を整えて、犬の脱水症状を防ぎましょう。犬と飼い主さんが笑顔溢れる毎日でありますように♪
ユーザーのコメント
30代 女性 ちびまま
この記事の「愛犬の健康チェック」では、わたしも知ったいた事がいくつかありましたが、新しく知った事を今後のチェックに活かしたいと思います。
20代 女性 なっちゃん
もう成犬だというのに哺乳瓶で飲みたがってなかなかお皿で飲むのを極限まで我慢するんです…
これがまたお留守番の時が大変。家にいる時は適当な時間にあげれるのですが…
その時にウエットフードなどで与えてもいいんですね!
40代 女性 MAKI
今回、犬の歯茎のチェックで脱水状態か知る事が出来るとわかり、我が家でもいざとなったらこの方法を取り入れようと思いました。また、場合によっては処置として水を大量にあげてはいけないという事も頭に入れておかなければと思いました。
20代 女性 しずえ
水をこまめに飲むようにするのは当然ですが、すりりんごを少しあたためた物を与えると良いとあり驚きました。ちょっとしたおやつにもなりますしぜひ試してみたいと思いました。
50代以上 女性 ほーちゃん
さすがに食事はあげなかったのですが、脱水症になっては困ると思い、お水はあげてしまいました。
本人ものどが渇いていたのか、よく飲みましたが、やはり吐いてしまいました。あげてはいけなかったんですね。
今は元気になりました。大事にならなくてよかったです。
この次は気をつけます、いや、次はあって欲しくないですが。
40代 女性 かえで
気をつけて水を飲ませていたのですが、あまり飲んでくれなくて散歩してたらふらふらになり、息切れがして体は波打つし、心配になって獣医さんに診ていただきました!
脱水症状になってしまっていました。
すぐに、点滴などをしていただきました、一応、一晩入院になりまして元気になりました。
体の毛も伸びきっていたので少し切っていただき、涼しくして過ごせるようにしました。
食事内容も、替えました。
キャベツや人参も湯がいてフードの上にのせました。
獣医さんに相談もして食べさせたい野菜などを選びました。
体を冷やしすぎたらだめですが、夏は体を冷ましてくれる野菜もたべさせないといけないので、きゅうりの千切りも与えました。
脱水症にならないために、冬場もきをつけたいですね。
女性 Momoko
人間の私でも、常に何か飲んでいないと頭痛などが起こってしまいました。人間でも
いろんな症状が起こるのだから、犬にも同じような症状が起こるだろうと思っていま
した。脱水症状で、愛犬がくぼんだ目や無気力になるなんて、怖いですね!我が家で
も今年は犬の環境を涼しく整えてあげて、常に新鮮なお水を飲ませていました。