柴犬は外飼いが向いている?
柴犬は飼い主と一緒にいる時間も好きですが、自分だけの自由な時間も大切にするという犬種です。あまりベタベタしない、ドライな付き合いもできる犬と言えますね。
元々は狩猟に出ていた犬なので外にいることも平気ですし、寒さにも強く、番犬としても優秀。
順応力が高いので、どんな環境にも直ぐに慣れてくれますから、室内飼いでも外飼いでも飼い主の都合に合わせて適応してくれます。
柴犬を外飼いする時に気をつけたいこと
柴犬はどんな環境にもすぐに順応するので、外でも問題なく飼うことができます。ただし、次の点について十分注意と対策をとってください。
フィラリア対策
外飼いされている犬の死因トップが、『フィラリア』という病気であることをご存じですか?
都心部では「もう心配いらない病気」とも言われていますが、心臓や肺にフィラリアという寄生虫が寄生し、感染してしまうと完治させられない恐ろしい病気です。
蚊が媒介する寄生虫なので、外飼いするときは子犬の頃から毎年の予防が欠かせません。だいたい5月頃から蚊の活動が活発化しますので、その頃には予防薬を服用するようにしたいですね。
フィラリア予防の薬は要処方薬といって獣医師の処方箋がないと購入できない薬です。必ず獣医師に処方箋をもらって購入するようにしてくださいね。
また、すでに感染している犬が薬を飲むと、薬の効果で死んだフィラリアが心臓や肺の血管に詰まって犬が死亡する可能性があります。必ず感染していないという検査結果をもらってから獣医師の指示のもとで薬を飲ませてくださいね。
ノミ・ダニ対策
柴犬はダブルコートといわれる「かたい質の上毛」と「柔らかで密に生えている下毛」の二層構造の毛をしています。
だいたい年に2度ほど、『換毛期』と言われるたくさんの毛が抜ける時期があります。非常にたくさんの毛が抜けますから、ブラッシングなどの手入れが欠かせません。このブラッシングなどの手入れと、犬小屋・犬舎の掃除をこまめにしないと「ノミ・ダニ」といった寄生虫が発生します。
柴犬は「自分のテリトリーを守る」という意識がとても強いので、寝床に敷いているクッションや毛布を掃除のためとはいえ、飼い主にとられることを嫌がることがあります。
しかし、ノミやダニは耳や皮膚トラブルの原因になりますので、犬小屋や犬舎の掃除はまめに行うようにしてください。柴犬はアトピー性皮膚炎になりやすく、それらはノミやダニが原因になるケースもありますから注意が必要です。
夏の暑さ対策
夏に外飼いする場合は暑さ対策が欠かせません。コンクリートの上に犬小屋や犬舎を置くのはやめてください。焼けたコンクリートが原因で、肉球にヤケドを負うことがあります。
外飼いするなら直射日光の当たらない風通しの良い場所で、できれば土の上に犬小屋や犬舎を設置してあげてください。掘り返しても大丈夫な土がある庭であれば、犬は自分で土を掘り、冷たい地面にお腹をつけるなどして体温を下げる工夫をします。
鎖で繋ぐ方法よりも、自由に動き回ることができる、それなりの広さがある犬舎を用意してあげたいですね。
犬は体温をさげるのが苦手です。
夏場は自由に好きなだけ新鮮な水が飲めるようにしてあげてください。暑い環境下では例え5分でも熱中症になる危険があります。
特に夏は外飼いに特別な配慮が必要になりますよ。
社会化訓練必須
柴犬は番犬として優秀な能力を発揮する犬です。つまり、自分や家族のテリトリーを侵入者から守ろうとする正義感がとても強い犬です。
このため、荷物の配達や近所の人が尋ねてきたときに吠えたり威嚇したりすることがあります。また、散歩中の犬も「テリトリーに侵入した犬」として排除しようとすることがあります。
犬の特性なのでなかなか苦労しますが、子犬の頃から人や他の犬に慣れさせたり、むだ吠えの防止訓練など、粘り強く社会化訓練を重ねるようにしてください。
柴犬を室内飼いする時に気をつけたいこと
ペットフード協会の統計からも、室内飼いされているペットの方が、寿命が長いと言われています。家族の一員として室内飼いしたい場合は、次の点に注意して飼うようにしてください。
指定場所を作る
柴犬には必ず柴犬だけの専用スペースを作ってあげてください。自分の時間を大切にする犬なので、誰にも邪魔されない犬だけの場所がないとストレスが溜まります。
ワイド版トイレシーツ、寝床、食事の場所がセットできるくらいの大きなサークルが理想的です。設置場所は家具から離し、エアコンの風が直接当たらないところで静かな落ち着ける場所にしてください。
サークルの中でくつろげるようになると、急な来客があった時でも犬をサークルに入れられるので、来客とのトラブルを防ぐことができます。
テリトリーを守る意識が強い柴犬にとって、知らない人は「侵入者」です。テリトリーと家族を守ろうと攻撃的になることがあるので、サークルには入れるようにしておきたいですね。
収集癖注意
柴犬は落ちているものを拾い集め、自分のテリトリーに持ち帰って守る習性が強く残っています。スリッパやオモチャはもちろん、飼い主が落としたペンや消しゴムといったものも瞬時に「自分のものだ!」と認識し、それを拾おうとした飼い主の手を「自分のものを奪う手」と勘違いして攻撃してくることがあります。
飼い主がケガをする危険があり、また誤飲の原因にもなるので、室内飼いの場合は柴犬が届くところに極力ものを置かないようにしてくださいね。
かじる癖をなおす
柴犬はかじるのが大好きです。テーブルの足、椅子などは事前にガードしておきましょう。また、かじるオヤツをあげたり、ロープのオモチャなどかじってもいいものを与えてあげてください。
かじっていいもの、だめなものをしっかりと教え、かじりたい欲求もきちんと満たしてあげると家具などをかじらなくなります。
必要なしつけ
柴犬はテリトリーを守る意識がとても強い犬で、少々ガンコなところがあります。次のことは子犬の頃から教えておいて、トラブルを減らすようにしておきましょう。
- 人の手を「嬉しいことをしてくれる手」と覚えさせる
- チョウダイの指示を覚えさせる
- ドイテを覚えさせる
これらを教えておくことで、勝手に収集したスリッパやオモチャを返してもらう、ソファの上からどかない、といったトラブルがなくなりますよ。
まとめ
外飼いも室内飼いもできる、家庭犬としても番犬としても活躍する利口で凜々しい姿が魅力の柴犬です。
その特性を理解し、長所を活かしながら飼い主の生活環境に合うよう躾・訓練をして、問題行動やトラブルを減らすようにしてくださいね。
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ユーザーのコメント
30代 女性 ハム
日中は外飼いですので、玄関から門扉までのアプローチにいます。
来客が来ても吠えませんがアプローチから動きません。
チャイムが玄関にあるので近所の人はいつもの事なのでまたいで通りますが、犬嫌いのセールスマンは帰ります。吠えないので私達も気づきません。
犬好きのセールスマンは、吠えない柴犬に感激して毛まみれで撫でまくって帰って行きます。
柴犬はすごい番犬になります!
ちなみに私達家族が通っても退きません。
女性 白川
飼い主さんや家族にアレルギーや喘息など気管支に問題があるならば、屋外飼いの方が良いかもしれません。柴犬は日本の気候に慣れているため、屋外でも適応して過ごせると思います。
ですが、夏は蚊や蜂など危険な生物も多くなります。年々蚊の発生時期も早まっているので、フィラリア予防をしっかりしておくことが必要になります。蜂に刺された柴犬も割と多いです。犬小屋などの設置場所は蜂が寄り難いところを選ばなくてはなりません。
柴犬が日本の気候に順応しやすいとはいえ、暑すぎるのは苦手です。熱中症にならない対策も必要です。また、水なども置きっぱなしにするとすぐに温くなってしまったり、ノロがはってしまったりと衛生面でもよくありません。こまめに入れ替えてあげてください。
室内飼いにする場合、柴犬はトイレの場所を覚えるのは得意な方です。トイレさえしっかりしつけができれば、後はそんなに困ることもないかと思います。
孤独な時間を好むことがあるので、甘えてこない時はスキンシップを控えた方が良いでしょう。ストレスになると攻撃的になってしまうことがあります。また、ストレスを感じるといたずらが始まってしまうことも。原因を解消してあげれば従順です。
屋外と違って室内ではあまり動く機会がありません。うっかりしていると肥満になりやすいので、食事量は注意した方がいいです。
柴犬はしつけがしっかりできていれば、室内飼いの方が向いていると思います。ただし、お掃除は覚悟が必要です。
女性 コロ
吠える声の問題がない所では屋外で番犬として飼われています。住宅密集地では抜け毛が隣家へ飛んでしまうこともあるらしく、完全室内飼育のようです。特に換毛期は大変です。
柴犬は室内飼いでもひとりの時間を大事にするので、フリーにしていても問題ないそうです。
20代 女性 ゆず
今になって考えるとそれで良かったと思っています。柴犬は日本の気候に適した犬種とはいっても、最近の気候(特に夏)はおかしいのでワンちゃんも家の中の方が快適に過ごせると思います。
女性 匿名
室内飼いでも全然問題ない犬種ですよ。むしろメリットしか感じません。自立心が強いから外飼いが向いてる云々言う人がいますが、自立心が強くても室内飼いに向いてないわけでは全くありません。むしろ現在の異常気象、治安の悪さ(おかしな人もいますし)を考えたら、自分には室内飼い一択ですね。
それに今は柴は比較的優しく甘えん坊で懐っこい子が多い印象です。紀州などは自立心強く気性が荒い印象ですが。昔のように番犬、猟犬としてではなく、愛玩犬として家庭で飼われるケースが最近は殆どですから犬の気質も変わってきているのだと思います。