犬のゼリー状のウンチってどんな状態?
これは「粘液便」とよばれるもので、大便に粘液が付着していたり、または便は出なくても粘液だけ排出されるような状態をいいます。
この粘液がゼリー状に見えるため、ゼリー状のウンチとして表現されることが多々あります。
さて、この粘液。正体は腸の粘液です。
食欲や元気に問題がなく、ごくたまに出るくらいであれば問題はありません。
ですがあまりにも症状が続くようであれば、動物病院で診察してもらうことをおすすめします。
粘液便の原因...分泌性大腸炎!?
粘液便の原因の代表として挙げられるのがこの「分泌性大腸炎」です。
ウンチの硬さに多少の変化は見られるものの、粘液以外の症状がはっきりと体に見られないことから、ついつい見逃したり治療を先延ばしにしがちな飼い主さんが多い病気でもあります。
ではこの分泌性大腸炎とはどのような病気なのでしょうか?
分泌性大腸炎と下痢
まず共通の症状として、下痢の症状が出る大腸と小腸における腸炎についてお話しましょう。
原因としては様々なものが挙げられますが、食べ物ではフードの急な切り替えや体質に合わない食事の摂取。
または細菌による感染、リンパ腫や腺腫などの腫瘍、消化・吸収の不良、その他に原因不明の慢性的かつ非感染的なものが挙げられます。
小腸性腸炎では脱水症状や体重減少など、目に見えやすい症状が出ることが特徴ですが、大腸性腸炎になるとこういった症状は見られず、一見健康そうなのが特徴になります。
さて、この大腸性腸炎の中に「分泌性大腸炎」というものがあります。
分泌性大腸炎は、小腸から流れてきた消化物により、大腸の粘膜が刺激されることで起こる炎症です。
そのそもそもの原因は、小腸の中で起こった消化不良により腸内の細菌バランスが崩れることによって起こるものです。
この大腸の粘膜が刺激された時に粘液が排出され、そればが便と一緒に排泄されて粘液便となるのです。
粘液便が出た時の対処法
粘液が混ざったウンチが排泄されても、便の硬さがある程度保たれている状態でしたら経過観察ということで大丈夫でしょう。
この段階でできる対処法として、食餌中の脂肪分を減らしてみることをおすすめします。
では、ウンチが柔らかめな時には...?
特に気をつけたいのは、体の水分量。
下痢気味の時には通常よりも多くの水分が便と一緒に排泄されてしまいますので、できるだけ水分を多く摂らせるようにしましょう。
ただし、下痢がひどくなる場合もありますので急激な水分摂取量の増加は控えましょう。
先述の小腸性腸炎との併発が考えられますので、柔らかめのウンチが出た時にはあまり無理をせず、鶏ガラのスープなどで水分を摂らせると同時にお腹を休ませます。
その後は白米と鶏肉など、脂肪を抑えできるだけ消化のしやすいものを数日続けて与えます。
それから徐々に通常の食餌に戻すとともに、これまで与えてきた食材やフード類の見直しもしてみると良いかもしれません。
尚、一説には腸内細菌のバランスととるために、少量のヨーグルトをおやつとして与えるのも良いといわれていますが、アレルギーを持っているワンちゃんや乳糖不耐性のワンちゃんもいるかと思いますので、与える際にはくれぐれも体調の変化に気をつけるようにしてくださいね。
それでも回復しない時は。。。
食餌の内容に心当たりがなく緩いウンチが続くような状態の時には、腸炎ではなく腸内寄生虫などの可能性も考えられます。
できるだけ早く動物病院へ行き、寄生虫の検査も兼ねて適切な診断と処置をしてもらうようにしましょう。
まとめ
ドライフードの中には油分が多く含まれているものがあり、その油分が原因で粘液便が出る可能性もあります。
その場合、1日に与える食餌の量は変えず、一回あたりの量を減らしてその分回数を増やして与えることで吸収を良くし、胃や腸に負担をかけない食餌方法に変えることで解決した、という例もあるようです。
この場合もそうですが、その他症状によっては食餌を抜くことで胃や腸を休ませるという方法もあるようですので、そういった対処の難しい仔犬や食欲の旺盛な子には良い手段かもしれません。
病気の中には、原因さえはっきりしてしまえばあとは日頃の習慣の見直しや工夫で治療できる病気もたくさんあります。
愛犬の健康を守るためにも、気になる症状がある場合にはモヤモヤしたままで終わらせず、その原因をしっかり突き止めて対処していきたいものです。
また、稀に人間用の整腸剤を与えることを勧める方がいますが、安易に与えるのはやめましょう。
下痢や粘液便の原因がわからないままなのは恐ろしいことですし、ましてや人間の飲む薬の中には、人間には問題がなくても犬が摂取してはいけない成分が含まれている場合があります。
また当たり前のことですが、犬と人間とでは体格差がありますので、摂取量もまったく違います。
手軽な薬だから、と安易に人間の薬を犬に与えて様子を見るなんてことは絶対にしてはいけません。
飼い主さんが素人判断するのではなく、必ず獣医さんのところで適切な治療と投薬をしてもらうようにしましょう。
ユーザーのコメント
20代 男性 KOMA
女性 RUKA
便の柔らかで餌の量を変えたりして色々試してきました。
便が柔らかいと餌の量が多い、便が硬くてポロポロしていたら餌の量が少ないと判断するそうです。
フードを違うものに変える際にも1週間かけて変えてあげています。
急に違うフードに変えてしまうと、食いつきが悪かったり体が慣れてないために、しっかりとした便が出なかったりすることがあります。
ワンちゃんは自分の気持ちを上手に表現できないので、飼い主がワンちゃんの小さな変化に気づいてあげることが大事ですよね。
これからも健康チェックとして便の様子をかかさず見ていきたいと思います。
女性 ゆん
また、小腸からくる下痢か、大腸からくる下痢かを判断する材料として、便がゼリー状というのは、大腸性下痢の鑑別に非常に重要な情報になります。動物病院に行くときには、最近出た便を持参することをお勧めします。便検査によって、消化の程度や寄生虫の有無、細菌叢などを観察できるので、便検査だけで下痢の原因が診断できることもあるからです。
治療でお薬を出されたら、しっかり飲みきることが大切です。1,2日だけでは下痢は治りません。下痢が長期的に続く場合は、血液検査や、レントゲン、エコー検査といった画像検査をしなければ見つからない病気かもしれません。普段から便の様子はしっかり見ておきたいですね。
女性 白川
脱水症状を起こしていたので皮下点滴をしてもらい、痛み止めの注射もしてもらいました。点滴を入れたので12時間は水もご飯も禁止でした。
今回の場合は出してしまった方がいいそうで、下痢止めはありませんでした。原因は、目を離してしまった隙に食べてしまった生おからです。
子犬のうちは適切な処置をすれば回復も早いですが、放置すると悪化するのも早いので、何か異常が見つかった場合は様子を見ずに動物病院へ行くことをおすすめします。
女性 カカオ
40代 女性 こたろう
女性 ぽち
女性 もふころ
うちではホットヨーグルトが効き目抜群です。