ペット販売をやめた岡山のペットショップが始めた事とは?
ペットを販売しない岡山県のペットショップ『シュシュ』の挑戦は、今あるペット業界に衝撃の走るものでした。
ペットを売らないペットショップへの転換
岡山県岡山市のペットショップ『シュシュ』は、全国的にも珍しいペットショップです。
このペットショップではペットグッズとペットフードを販売、トリミングをしながら、人に捨てられた犬や猫を保護し、その子達の譲渡の場所として活躍しています。
つまり、”生体販売”を行わない、新しい形のペットショップなのです。
このお店も、以前は従来のペットショップ同様に犬猫の生体販売を行ってきました。
しかし、事業責任者である澤木崇さんは、犬猫が次々に捨てられて殺処分されているにも関わらず、ペットを売るということに疑問を抱き始めたのです。
それが、このペットショップ『シュシュ』を変えるきっかけでした。
NPO法人と連携で実現した最高のペットショップ
岡山市のペットショップ『シュシュ』はNPO法人『犬猫愛護会わんぱーく』と連携し、ペットショップ『シュシュ』で保護犬保護猫を預かり、新しい飼い主を探すための支部となっています。
岡山県では近年、動物愛護管理法の改正により、動物に対する意識や飼い方に対する考え方が向上したり、動物保護団体の啓発運動などの働きにより、犬猫の殺処分数が減少しています。
それに加えて、今回のペットショップ『シュシュ』の取り組みは動物愛護意識の更なる啓発に繋がることが期待できます。
ペットショップ『シュシュ』では、今まで生体販売の犬猫を展示していたガラスケージには捨てられて、保護された犬や猫などが安心して過ごせるスペースとして利用されています。
また、犬猫を探して見に来た人々がここで保護された犬や猫を見ることができます。
そして、しっかりと飼ってもらえるように譲渡条件も強化されており、その条件をクリアした人にしか犬猫を渡さないように取り組んでいます。
譲渡の流れ
犬猫の引き取り希望があってから
引き取り希望者の自宅をスタッフが確認
引き取り希望者の自宅にスタッフが出向き、どのように飼育されるのか、飼育場所として適しているのかを判断します。
1週間のトライアル
飼育環境として問題なければ、お試しで1週間のトライアルを行います。つまり、1週間希望の犬猫と自宅で暮らしてもらいます。
正式譲渡前のチェック
- 狂犬病予防、混合ワクチンの毎年の接種、自治体での犬登録。
- 不妊去勢手術を受けさせる。
- 犬鑑札や注射済票を着けさせる。
- そして一人暮らしの人の場合、もしもの時、犬猫が路頭に迷わないように身元引受人を用意する。
- 引渡し後最低でも6ヶ月は近状報告を怠らない。
などの条件を承諾していただきます。
そして犬猫の生涯を責任と愛情を持って最後まで面倒を見る約束をしてもらいます。
正式譲渡
上記の条件内には、動物病院でかかる費用がいくつもあります。
これは飼い主となった方の自己負担となります。
これも譲渡に際して、必ず持たなければいけない飼い主の責任の一つです。
女優・タレントの杉本彩さんもペットショップ『シュシュ』を視察
女優でタレント、そして事業家としてもマルチに活躍する杉本彩さん。
実は杉本さんは動物環境・福祉協会団体である、公益財団法人『Eva』の理事長を勤めています。
杉本さんはこのペットショップ『シュシュ』を視察し、このように話しています。
「ペットショップは、犬猫を大量に生産させて売れなければ処分するというのがペットビジネスの実態であり、それが当たり前のように主流となってしまっています。そんな中でペットショップ『シュシュ』のような試みは、本来のペットショップのあるべき姿」だと話しています。
まだまだ懸念される犬猫の悲劇
NPO法人『犬猫愛護会わんぱーく』代表の茶本陽子さんは、まだまだ犬猫の置かれる環境は厳しいものだと話しています。
いくら「しっかり飼ってくださいよ」と力を入れてレクチャーしたり、話をしても人目につかないところに平気で捨てていく人々が後を絶たないそうです。
その根本を絶たなければ解決していかないのが現状だと。
ペットショップ『シュシュ』から広がる希望
岡山県岡山市のペットショップ『シュシュ』の取り組みは、日本ではまだまだ新しいペッショップの形態で、勇気ある試みだと思います。
犬や猫を商売道具としか考えていないペットショップやブリーダーショップがまだ多くある中で、このような動物愛護、動物福祉を充実させた形態は日本のペット事情の希望になることは間違いないでしょう。
年間で12万頭もの犬猫が殺処分されている日本。
これは許しがたい事実で、もっともっと重く受け止めなければいけないことなのに、この事実でさえ知らず、それどころか、犬の飼い主でありながらメス犬に生理があることすら知らない飼い主が居るのです。
また、未だに犬は外で飼うもので、子供を産ませるのが当たり前と考え避妊手術、去勢手術をしないで放置する飼い主も多くいます。
避妊手術は必要ないとか、自然に反しているから去勢手術はさせないという考えの飼い主も多くいますが、その選択をするからには子犬ができた時にちゃんと責任を持って飼うことができるのか、しっかりと考えて欲しいと思います。
しかし、このような考え方を変えていくのは容易ではありません。
ですが、ペットショップ『シュシュ』のようなペットショップが増えていくことで、飼い主の意識やこれから犬猫を飼おうとしている人たちの考えを変えていける、良いきっかけとなることも大いに期待できるのではないかと思います。
『シュシュ』の事業責任者、澤木崇さんのような方がペット業界に育ってくれば、いつか、日本におけるペットショップの在り方が変わり、犬や猫の譲渡が当たり前の時代になると思います。
その日が来るように、私たちひとりひとりの意識を変えていく努力をしていかなければなりませんね。
まとめ
岡山市のペットショップ『シュシュ』の取った”ペットショップで犬猫を販売しない”という試みは、並大抵の決意と実行力ではありません。
しかし、これこそが、ペットショップのあるべき姿なのです。
犬や猫をどんどん産ませて売る時代は終わろうとしています。
今ある命を最後まで責任を持つこと、それを啓発していくこと、これこそが日本のペット業界が目を向けるべきことなのです。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 鳥原真理子
生体販売をしないペットショップ、あるんですね。
お店はどこも、犬猫が商品である限り、大事な命だという気持ちが薄いと思います。
ある猫が尻尾の毛を舐めすぎて、毛が無くっている子もいた。
ストレスですね、と言ったら睨まれました。
海外では生体を売らず、個人のブリーダーさんと提携している。
ブリーダーさんは社会性など、最低限の躾までして送り出すので、上手に里親さんや先住犬等と馴染んで、大人になる。
命を商品ウインドウで売るなんて、日本人なら疑問に思うべきどと、ずっと思ってました。
ペットショップから、処分に回されるそんな可愛そうな命も無くなる。
悪質な仔犬製造として虐待されている命も助かる。
どんどんそんなペットショップが増えて欲しい。
出来れば、私も参加したい位です❗
写真の猫は、尻尾曲がりで商品にならない子達をブリーダーさんとの間で、世話をされている方から里子に頂きました。
ありがとうと、言わせて下さい。
40代 女性 SUSU
生体販売をしていたペットショップが保護・譲渡の方へ移行した話は新聞で読んだ覚えがあります。
現在、生体販売をしている大手ペットショップでもセカンドオーナー募集といったブースを設けているところもあります。店舗入り口の最も人目につくところで生体販売を続け、店の奥で譲渡犬が入っているゲージがあるとは、なんとも複雑な気持ちになったことを覚えています。
私も犬と暮らすまでは、ペットショップに子犬子猫がいるのは当たり前、その裏の世界を考えることすらありませんでした。
裏の事情を知ってしまうと、ショップのかわいいパピーを見ても、かわいそうとしか思えず、以前のようにかわいいパピーを見て癒されるなんてとても出来なくなりました。
無知とは恐ろしいものです。
よくペットショップを覗いている家族連れがいますが、親御さんにはぜひ、かわいいだけでは済まされない事情も子供に伝えていってほしいなと思います。
生体販売を禁止しているヨーロッパに比べると、日本はペット業界だけでなく国民全体の意識が先進国とは言い難いですね。
ペットショップの利益として大部分を占めるのは、生体販売とトリミングです。
どんなに質の良いフードやおやつを探して売ろうと、問屋を通して仕入れをしている場合、その利益は少ないのが現状です。
生体販売やトリミングサービスと抱き合わせたショップが多いのはそのためです。
この仕組みを変えない限り、良心的なショップほどやっていけないといった負の仕組みは変わらず、結果的に犬猫達へしわ寄せがいってしまいます。
生体販売をしているショップからは物を買わない、犬や猫を飼おうかなという人がいたらまず保護犬、保護猫の話をするようにしています。私もそうでしたが、犬や猫はパピーのうちから飼わないと懐かないと思っている人が多いようです。
保護犬、保護猫を迎えたご家庭を何軒か知っていますが、そのようなことは全くありません。
傷ついた分、心を開いてくれるまでに時間がかかる場合もありますが、必ず応えてくれるはずです。
1頭譲渡出来ればまた1頭保護できる、里親さんは2頭を助けたことになると保護団体の方のコメントを読んだことがあります。
自分の出来ることは微々たることでも、少しでも良い方向へ向かうよう行動していきたいと思っています。
女性 Saiko
女性 シュシュ❤️倉敷店もアルヨ❤️
しかし!品質の良いものを取り扱っているので、シュシュでの買い物を前提に足らずをネット等で補う様にして利用しています。
スタッフ対応は、穏やかで親身になって相談にものってくれます。
他店と比べても私にはあっています。
倉敷店では天然?の雑種の子を保護しています。
倉敷保健所から来たみたい。
一歩ずつ確実に、草の根的な感じで地味ですがとても好感がもてます。
岡山店は人気犬種がいるらしいので
気になる犬種がいて、多額の生体代金があればそれがあれば、シュシュから迎えてグッズを購入し、サロン通いができますね。
人気犬種を迎えたい人には、こうした命のバトンを繋げる手段を見て知っていただきたい。
競争したら淘汰される愛の行動が生まれるのは残念なので‥競争じゃなく
このシュシュの取り組みがどんどん広がって欲しいと願います。
50代以上 男性 日々研鑽
女性 匿名
年間12万もの命が奪われているなんて恐ろしいです。少しでも救われるならば是非協力したいです。保護犬を引き取れなければ寄付する事も良いですね。広島県にもピースワンコジャパンがあります。殺処分0を実現させています。譲渡される子達を見に行きましたが、清潔な環境で散歩もされていました。
ペットショップには時々行きます。家族が見つかりますように願いながら、どんな子がいるか見てしまいます。
うちの子はショップの売れ残りで、バックヤードで過ごしていたようで少し弱っていました。縁があったと思います。可愛い家族です。
(5の方のワンコの笑顔は最高です)
50代以上 女性 匿名
動物愛護が進む国では、もうすでにやっていること。
犬猫をショップのケージに入れて売買する行為を虐待としていますし、犬を飼う前は
面接があったり、実際に住んでいる場所を確認されたり、細かく、譲り受ける犬猫が最適な状況で暮らせるかの審査もあったりします。
日本のように飼い主に ポンと渡して売り買いできる手軽なシステムではありません。
私も日本だけに住んでいる間は、ペットショップの在り方に疑問など持ちませんでしたが、北米に来た時、ペットショップに犬猫がいないこと、その理由を知って、とても衝撃を覚えました。
ペットショップで犬猫の売買をする行為自体を、日本ではなくすべきだと思います
30代 女性 匿名