犬はピーナッツを食べても大丈夫です
ピーナッツ(落花生)の硬い殻を剥き、それを柔らかく細かくした状態でしたら、犬に与えても問題ありません。また、薄皮も剥かないといけないという話もききますが、そうすべきという理由は科学的には示されていません。
ただし、犬に対してピーナッツは中毒を起こす要素はないようですが、消化に悪いことから積極的に与えることはおすすめできません。
ピーナッツは「ナッツ」と呼ばれるので、犬に与えると危険なナッツ類と思われがちですが、実はマメ科のラッカセイ属に分類されます。つまりピーナッツは豆類です。
ちなみに、ナッツは「種実類」で木の実のことを指します。ピーナッツの形状や味、硬い殻に覆われていることから、木の実のナッツ類と同じに扱われていることが多いのです。
与えて良い分量
一般的に犬におやつを与える時は、一日に必要なカロリー量の10~20%以内が目安といわれていて、ピーナッツも量に気をつければ犬のおやつに与えることができるのかもしれません。
日本食品標準成分表によると、ピーナッツ(落花生)のカロリーが100gあたり約60kcalなので、小型犬(約5kg)の成犬の場合、約14g(14粒:84kcal)が一日の適量と考えてください。
細かく砕いたり柔らかく茹でて与えた方が良いことを考えると、おやつに与えるよりもフードのトッピングや手作りご飯の食材として使う方が向いているでしょう。
なお、必要なカロリー量は個体差がありますので、下記の記事も合わせてご参考ください。
食べさせる際の注意点
与え過ぎない
ピーナッツは、成分のおよそ50%ほどが脂質で、不溶性食物繊維も多く含まれていることから、食べ過ぎると消化不良や下痢、嘔吐を引き起こす可能性があります。
また、脂肪分の多いものを食べると、胃腸炎だけではなく急性膵炎を引き起こす恐れもあります。急性膵炎は早く治療を始められないと命取りにもなる病気です。
ピーナッツはマグネシウムを特に多く含みますので、大量に摂取するとストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム結石)が作られやすくなってしまいます。
また、ピーナッツにはカリウムが多く含まれますが、腎機能が低下している犬ではカリウムの摂取量を控えなければいけないこともあります。
丸呑みに注意!
犬がピーナッツを丸ごとや殻つきのままで食べてしまうと、食道や腸で詰まってしまう可能性があるので、特に小型犬では丸ごと、または殻ごと食べてしまわないように注意してください。
アレルギーになる可能性あり
犬でもアレルギーの可能性があるそうです。食物アレルギーの症状には、皮膚症状(痒い、皮膚が赤いなど)と消化器症状(軟便や下痢、嘔吐など)があります。このような症状が見られた場合は、与えることをやめて動物病院で受診しましょう。
人間用に加工されたものは与えない
人間用に加工された、塩やピーナッツバター、砂糖がついているようなピーナッツは犬に与えないでください。犬には多すぎる量の塩分・油・糖分などが含まれていることが多く、肥満や他の病気へのリスクが高まるため注意が必要です。

犬も食べ物からアレルギーになる??実はなるんですよ。犬の食物アレルギーがどのような症状なのかそしてどんなものがあるのか詳しくお話ししましょう。
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女性 30代
以前、愛犬が落ちていたピーナッツを1粒食べてしまった事があり、喉に引っかかったようでしばらく「ヒーヒー」と吐き出そうとしていました。そして「カッ!」と吐き出した事があります。ピーナッツ1粒くらいなら体には害が無いと思いましたが、やはり与えるのであれば小さく砕いて与えてあげなければ、犬種によっては危ないなと思います。
もし、たくさん食べてしまったら
犬がピーナッツをそれなりの量食べてしまった後に何回も吐いたり下痢をしたり、元気がなくなったり、お尻を上にあげて胸は床につけるような「祈りの姿勢」などをしている場合には、すぐに動物病院に連れていきましょう。「祈りの姿勢」は腹痛のサインです。
どのくらい大量なのかにもよりますが、愛犬がピーナッツを多く食べてしまっても丸一日何も異常が見られないのであれば、激しい運動は避けてピーナッツが消化、排せつされるのを待つこともできます。その後の食事は、消化の良いものを用意してあげましょう。
ただし、油っこいものを食べるとお腹を壊すことが分かっている場合や、急性膵炎のリスクが高い犬(以前に急性膵炎になったことがある、慢性膵炎がある、糖尿病がある、肥満であるなど)がピーナッツを大量に食べてしまった時は、すぐに動物病院に連絡しましょう。
※無理に吐かせることは危険ですのでやめましょう。吐かせることで気管や食道に傷をつけてしまうかもしれません。ピーナッツの栄養成分
ピーナッツには、ビタミン類(ビタミンE、ビタミン群)や、ミネラル(マグネシウム、カリウムなど)が含まれています。ビタミンの中ではピーナッツはビタミンEとナイアシン(ビタミンBの一つ)を多く含みます。
ビタミンEは、抗酸化作用を持ち、老化防止や様々なダメージからの体の回復をサポートしてくれます。ナイアシンは様々な物質の代謝や皮膚の健康維持に欠かせません。ミネラルの中では、ピーナッツはマグネシウムとカリウムを特に多く含み、他にもカルシウムやリンなども含みます。
また、ピーナッツの半分を占める脂肪には、オレイン酸やリノール酸といった不飽和脂肪酸がバランス良く多く含まれています。このような不飽和脂肪酸は人間では悪玉コレステロールを減らす働きがあると言われています。
さらにピーナッツは、不溶性の食物繊維を含むため、腸内環境を整えると言われています。
まとめ
ピーナッツは、ごく少量で喉や腸で詰まらないようにすれば与えても大丈夫な食べ物ですが、注意する点も多いことから、進んで与えるものではないでしょう。ピーナッツに含まれる栄養素は、他の食べ物でも摂取できます。
また、薬を飲ませるためのピーナッツバター味の犬用の商品もありますが、脂肪分の高いものを利用する際はかかりつけの獣医師さんに相談することをおすすめします。
飼い主はしっかりと知識をつけて、知らずのうちに愛犬を危険にさらしてしまわないように注意しておきましょう。