犬の介護を通じて感じた事「病気になってからじゃ遅かった…」

【獣医師監修】犬の介護を通じて感じた事「病気になってからじゃ遅かった…」

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病気になった愛犬の介護をしていた時に、「あ~もっと元気な頃から慣れさせておいてあげればよかったなぁ」って感じたことがたくさんありました。病気になったり高齢になったり、その時に愛犬がストレスを感じずに過ごせるように、準備しておいたほうが良いことって沢山ありますよね。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

なんか「変」いつもと違う愛犬の様子

私の愛犬コタロウは、オヤツ大好き!
ご飯だって残したことなんてなく、いつも食欲いっぱいのやんちゃなワンコでした。
ところがある夏の日。夕飯を食べ残したんです。
ご飯を残しただけ」たったこれだけの事でした。

Facebookでつぶやくと、
「こんなに暑いんだもん、人だって食欲なくなるよね、夏バテじゃないかな?」
なんてお返事をもらうほど、大げさに騒ぐほどのことでは無いと思える出来事でした。

一緒に暮らす別のワンコは日常的にご飯を残すこともありましたし、コタロウはご飯を残したこと以外に変わった様子もなく、お散歩もいつもと変わらない様子。オヤツも普通に食べていました。

でも、なぜか私の頭には『この子が、ご飯を残した』ということが引っかかり、悪い予感がしていました。
その予感は翌日になっても晴れることがなく、念のため近くの動物病院に連れて行くことにしたのです。

うっすら感じた違和感は現実に

「ご飯食べなかったくらいで?」と呆れられちゃうかもしれないと言う覚悟をしての受診でした。
でも獣医さんは親身になって聞いてくださり、すぐに検査をしてくれました。

そして、診断結果は、「心タンポナーデ(心嚢水貯留)」
二層になっている心膜の間に体液や血液が溜まってしまい心臓が圧迫されて十分に動けない病気だったのです。
その上この日は「肺」にも水が溜まって「腹水」までもたまった状態でした。

この状態では、
午後まで様子を見ようなんて思っていたら亡くなっていたでしょうね
と言われて、驚きと恐怖に襲われました。

この病気は、「腫瘍」などの原因による場合と「突発性」の場合があると言う事でしたが、この時点での腫瘍はみつからず、どちらの原因なのかは様子をみることになりました。
しかし高齢での発症ということもあり、「今すぐ亡くなってしまう可能性もある。その覚悟も必要です」と言われしまいました・・・。

のんびり眠るワンコ

絶対的な安静が必要と言われたのですが、心臓のお水を抜いてもらったワンコは元気と食欲を取り戻し、その日はご機嫌な帰宅となりました。

帰宅後、治療法について家族で話し合い、出した結論は「痛みや苦痛をできるだけなくし、ストレスを与えないで、最後まで普段通りの生活を平穏に送らせてあげたい」でした。

手術や高度医療を受ける事もできると言う事でしたが、愛犬の性格を考えると、高齢であり「手術しての入院」や「大学病院への通院」はそれ自体がストレスになり、病気が悪化する可能性が大きいと考えたからです。

ゆっくりと始まった闘病生活

14歳と言う高齢での発病でしたが、最初のうちは緩やかに介護が始まりました。
酸素室に入ると楽になると言う事だったので、酸素室のレンタルを考えましたが、明らかな腫瘍も見つからなかったので、長期にわたる治療になる可能性を考え、レンタルではなく酸素室を購入しました。

そして、少しでもストレスを与えないように、普段通り暮らせるようにと、今まで使っていたケージを囲い「手づくりの酸素室」を用意しました。

手づくり酸素室に入ってるワンコ

夏に発病したので、24時間エアコンを効かせて冷えすぎず暖かいくらいの気温を心がけました。
そして呼吸が荒かったり、舌の色が悪かったり、目の力が無かったりと、様子が変わった時にだけ酸素室に入れましたが、体調が戻ると「出してくれ!」と要求して、いつも通りに居間で過ごすと言う生活がしばらく続きました。
短めでしたが毎日2回のお散歩も変わらず出かけて、マイペースを崩すことなく過ごしました。

季節が変わると介護も変わる

秋になり、外に出るとゾクッと寒さを感じる日が出てきました。
その寒さはもちろん心臓には良くなく、でもコタロウは散歩には行きたがるし、と言うことで、初めてお洋服を着ることになりました。
「服」なんて着た事の無いワンコだったので、どんなタイプの服を買ったら良いのかと言うところから始まり、サイズも手探り状態で、まず飼い主である私自身が戸惑ってしまいました。

初めてお洋服でお散歩を経験

そして、病気にはストレスが大敵だと言うのに、初めての服がコタロウのストレスになるんじゃないか?という心配がありました。
「うちの子には服なんて必要ない」って思っていましたが、元気なうちから服に慣れておけばよかったと、この時になって思いました。

それに問題は「雨の日」。
元気な時は濡れてもヘッチャラ!ルンルンでお散歩していましたが、病気の子が「寒い雨の日」に外で濡れるなんてありえない事でした。

初めてレインコート

いくら拭いても乾かしても、濡れれば体が冷えてしまいます。
でも、コタロウにはお散歩は必須でした。
なぜなら完全室内飼いをしていましたが、「トイレは外派!」これは譲れなかったようで、何があっても「外!」と言い張ったのです。

2頭目3頭目を迎えた時に、一緒にトイレシーツを使って、この子も室内トイレトレーニングをしたのですが、頑固な性格だったので私が根負けして断念してしまっていたのです。ここも反省ポイントでした。

「トイレは外派!」の子は多いと思います。
でも、うちの子のように、病気によっては今までよりトイレの回数を増やすほうが良い場合もあります。
「トイレは外派!でも必要なら室内でもできるのよぉ!」ってなっていれば、お天気の良い気候の良い時は外、体に悪そうだなぁって時には内、ってワンコの体調にも合わせてあげられるんですよね。

簡単に抱っこできる子なら多少の融通も利きますが、うちの子は18キロありましたので、抱っこして出かけるなんて難しく、灼熱の時間帯でも極寒の夜でも豪雨でも、トイレの為だけでも歩いて外に出なければなりませんでした。
これがどれだけこの子の負担になっているかと思うと、辛くてなりませんでした。

室内でのトイレトレーニングは元気な時にしかできませんから、機会を見つけて少しづつ進めておくべきだと思いました。

通院回数が増える

心嚢水が溜まる間隔が短くなって行き、通院回数が増えてきました。徐々にですが体力も衰えてきて、発病から半年が過ぎた頃には、今まで苦労しなかった車の乗降もできなくなってきました。

人に寄り添ったりベッタリもたれている事が好きでも、抱きかかえて持ち上げられる事には慣れておらず、助けようと手を出しても嫌がりました。
ペット用の階段を購入しましたが用心して使わないし、簡単な台を置いても避けて乗降しようとします。
いつも通りの自力で乗降したがるのです。
飛び乗ろうとしても届きません。飛び降りようとすれば転がります。
危険ばかりです。

病気になって飼い主が初めて気づき反省しても手遅れなんです。
何事も元気なうちから練習して、「飼い主もワンコ」もお互いに慣れておかなければ、「その時」には困るんですよね。
病気になってしまったわが子を守るには、元気な頃から「慣れ」ておくことが必要だと痛感しました。

避けられない高額な治療費

これまで書いた通り、元気な頃には何にも問題を感じなかったのに、病気になって初めて気づくことが沢山ありました。
その中でも治療費については、避けて通れない悩みの種でした。

最初の数か月は7~10日に一度の通院、途中からは3~5日も間が空かなくなり、最後の1ヶ月くらいは2日おきくらいの通院となりました。結果的には7か月弱の闘病生活でした。

診察は、エコーで心臓の水の溜まり具合を見るだけの時や、腹水を抜いてもらった時、レントゲンを撮った時、麻酔をかけて針を刺し心臓の水を抜いた時など、かかる医療費はさまざまでしたが、1回数千円の時から、3万円弱もかかることもありました。

平均しても1~2万円の費用を必要としましたので、7か月で治療費は軽く150万円を超えていたと思います。

これに交通費や普段と違う食事代、家庭で介護すると決めた為に必要となったの酸素室代など、他にも費用は掛かりました。

別の治療法をとれば、もちろん医療費も違っていたかもしれません、それが高かったか安かったかはわかりませんが、我が家は保険に入っていなかったので、全額実費での治療となりました。

今回は、これだけ費用がかかってもお金には代えがたい大切な家族だったので、もちろん後悔はありません。

しかしこれがもし、もっともっと治療が長引いたり、若いワンコで放射線治療などの高度医療を受ければ完治できるとなった場合でも、どれだけ希望しても、ひょっとしたら費用面で治療方針を決めざるを得ないことになるかもしれないと思いました。

これまでは病気と縁のない子でしたので、こんな病気になるなんて想像もしておらず保険に入っていませんでしたが、入っていれば違ったこともあったのかもと思います。
病気というものは予期せず訪れるもので、またいつかは必ず訪れてしまうものだと思います。もし事前に何か備えるとするならば、まずは保険なのかもしれません。

おわりに

うちの子の場合、7か月弱の闘病生活での介護でしたが、最後の瞬間まで家族と一緒に普段通り過ごし、自力で歩いて食事をとり、トイレの失敗もなかったので、一般的なイメージの介護ではなかったのかもしれませんが、今までとは違った生活が始まり、飼い主ともども戸惑いも多くありました。

この闘病生活から学んだことは、まだ愛犬が元気なうちに、病気になってしまった時のことをきちんと考え、いろんな事を一緒に体験したり、用意しておくことが、飼い主としての最低限の義務だということです。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 ケイザブロー

    17歳でお空に行きました。レインコートやハーネスは慣れていたんですが、トイレは外だったので、お散歩の回数を増やし、さらにオムツになりました。足が弱っても、どうしてもキチンと体制を作ってしたいらしくフラフラしながら最後まで頑張りました。どうして目を離す時にオムツは使いました。後、元々外にいた子なので、お水を中では呑まないのが大変でした。家族でした協力して今では良い思い出かも知れません。その子に合った環境か大切です。でも少しづつ室内も安心出来る様になってきたのは良かったかな?介護だ!と気合ではなく変化を楽しんで笑顔で過ごしてあげるとお互い良いのかな?と感じました。老犬はとにかく、安心とこちらの笑顔が1番嬉しいのかな?
  • 投稿者

    40代 女性 匿名

    愛犬が心臓病と診断されたのは調度、1年位前の事でした。肥満ぎみだと言われ散歩を毎日することを心掛け、水も専用のものに替え、フードもヒルズのプロサポートにかえ、咳も静まっていました。それでも、波があるようで5日に一回位苦しそうな咳、吐き出しそうな咳をしていました。
    市販の牛レバーを茹でたり、舞茸と焦げないようにいったものをあげたりして、喜んでいました。
    日がくれる寸前のお散歩も楽しく進んでいました。症状が悪化したと思ったら、座ったまま、横になりたいけど、なれない。呼吸にも波があったのが、過呼吸のまま。見つめる目が剥製の狼みたいだったので、危険を感じて病院に向かいました。犬はよく外を眺め、どっちに行くのかみていたので、病院に行く事はわかっていたと思います。あともうちょっとで着くよって言葉を聞いて顔を布団に静まったと思ったら、呼吸をしていませんでした。犬用マッサージをしながら、頭を撫でると、息を吹き替えしてなくなったように見えましたが。色んなブログを見ていると、薬の治療をしても同じだったのかなとは思います。
    ただ、肺水腫だった水をもっと早く抜いて、痛覚がないようにはしてあげたかったなぁとは思います。呼吸の荒いまま、物音なく無くなりました。
    特に熱中症からくる肺水腫もあると聞いて、残された仲間を思う今日です。反省点をあげるとしたら、散歩からかえった手が洗えたようで匂っていたところをなめたりして咳こんでいたように見えた事、フードを柔らかくしようとミネラルウオーターを使ってしまった事に気がつかなかった事。
    小さい頃、人が食べるものをあげたりして、中毒を起こしたこと。部屋の掃除や芳香剤に強い薬剤を使っていた事などです。
    散歩していても飼い主より、我が道を行く感じだったので、色んな犬と戯れているだろうと今は思います。
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