老犬の咳について。 深刻な病気の可能性も…

老犬の咳について。 深刻な病気の可能性も…

老犬の咳は、部屋が乾燥していたり、軽い風邪をひいた場合などにも起こることがありますが、中には、深刻な病気が原因となっていることもあります。咳が続くような場合には、病院へ行くことをおすすめします。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

人間と同じように、咳は気道から異物や細菌を取り除く働きをするものです。老犬が咳をするには様々な原因が考えられますが、中には深刻な病気の場合もあるのです。

もし、風邪だったとしても、老犬の場合は病院に行くことをおすすめします。

犬の横顔

老犬の咳の原因となる病気

老犬に咳の症状が出る病気には、主に以下のものが挙げられます。

ケンネルコフ

細菌やウィルスの感染が原因で起こる病気です。免疫力の弱い老犬が感染すると、肺炎になり、命の危険があるほど重症化する可能性があります。

気管虚脱

気管虚脱は、ガー、ガーという独特の咳が出ます。気管の変形によって、気道が狭くなることが原因です。

老犬に多く見られる病気でもあります。

早期に気付くことができれば、薬や運動の制限などで症状を抑えることも可能ですが、放置すると気管が炎症を起こし、ますます気道が狭くなり、呼吸が十分にできなくなってしまいます。

場合によっては、失神してしまうこともあります。

アレルギー

気道に入り込んだ花粉やたばこの煙などのアレルゲンを取り除くために、咳やくしゃみが起こることがあります。

寄生虫

フィラリアなどの寄生虫が原因で咳が起こることがあります。

肺腫瘍

乾いた咳がずっと続くような場合、肺腫瘍の症状である可能性もあります。

ジステンパー

空咳が続いて、発熱もある場合は、ジステンパーの可能性もあります。しかし、定期的にジステンパーの予防接種を行っている場合は、感染する可能性は低いといえます。

インフルエンザ

咳やくしゃみ、発熱などの症状が現れますが、 人間の場合と同じように、免疫力の低い老犬は症状が重くなることがあります。

肺炎

肺炎は感染して発症する場合や、他の疾患によって起きる場合があります。肺と気管支の合併症が起こると肺炎が起こります。

咽頭炎

口や鼻の内側で起こった炎症が、喉にまで広がることで起きます。重症になると痛みのために、食欲がなくなったり、よだれの量が増えたりします。

気管支炎

気管支の炎症によって、咳や呼吸困難が起こります。

老犬に特に多い、心臓病が原因の咳について

寝ているシーズー

老犬の場合、ひどい咳の原因が心臓にあることが多いようです。

心臓の機能が低下して起こる、心不全や、心臓を構成している筋肉である心筋が正しく働かなくなることによって起こる、心筋症といった病気が原因である場合があります。

心不全の場合、初期の症状としては、夜中から朝方に咳が出ることが多いようです。その時間は飼い主も寝ていることが多いため、なかなか気づくことが遅れてしまいがちです。

心筋症の場合は、初期の段階では、症状が出ないこともあり、気が付いた時には手遅れとなってしまう可能性もあるのです。

咳や呼吸困難、失神などの症状が次第に現れるようになり、不整脈が起こるようになります。特に老犬の場合は、体力面でも衰えているので、異常を感じたら、一刻も早く、受診すべきです。

老犬の咳の対処法

老犬の咳が続くようであれば、薬による治療が必要な場合もありますが、家庭でできる対策としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 室内が乾燥していると、咳が悪化するので、換気や加湿を心がけましょう。
  • 老犬は興奮するだけでも疲れてしまいます。また暑い場所に長時間居ないようにしましょう。
  • 老犬の咳がひどい場合には、咳によって体温が上昇し、体温が上がることで、さらに咳が出るという悪循環に陥ってしまいます。タオルを濡らして、全身を包んだりして、体温を下げるようにしましょう。(下げる前に本当に熱があるか体温計で確認してください)

老犬のこんな咳は、すぐ病院へ

ヨークシャーテリア

老犬に以下のような病状がある場合は、すぐに病院へ行くことをおすすめします。

  • 呼吸が苦しそう。
  • 横になることができない。
  • 歯茎はピンク色をしていない。
  • 咳が数分以上続く。
  • 粘液、血液や膿を吐く。

リードの引っ張り癖に注意

散歩中の犬

さまざまな病気が潜んでいる可能性も高い、老犬の咳ですが、普段の行動が咳の原因になっている場合もあります。

若いころから、お散歩時にリードを引っ張って歩く習慣のあったワンちゃんは、老犬になっても、その調子でお散歩しているかもしれません。

しかし、リードの引っ張り癖は、気管に強い力が加わって、気管虚脱を起こす危険性もあります。最近では、首に負担がかかりにくい、ハーネスのようなタイプもありますので、老犬の体に無理のないものを選びたいものです。

▼老犬を飼うときに知っておきたい基本的な知識についてもっと知りたい方はこちら
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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 mocmoc

    我が家のシーズーの咳の原因は寒暖差からくるものでした。
    高齢になると、体温調節も難しくなってきてしまいます。気温の変化に弱くなるようです。
    咳が出るのは決まって夜中~早朝、季節は春先か秋頃です。朝晩の気温差がある季節の変わり目ですね。
    私も気管が弱い方なので、季節の変わり目は愛犬と共に少々苦しい思いをしてしまっていますが、自分が息苦しく感じる時は愛犬も咳が出始めるので目安になっています。

    寒暖差からくる咳の場合、体が冷えると出やすくなるので、咳が出始める時期になったら暖かく過ごせるようにしています。ベッドには熱を逃がしにくいパッドを敷いたり、フリースを掛けたり、乾燥もよくないので湿度も保つようにしています。そうすることで咳も治まります。
    記事にもありますが喉を圧迫させないことも大事です。お散歩にはハーネスタイプがいいですね。胸辺りはクッション素材だと安心です。
  • 投稿者

    40代 女性 かえで

     我が家のわんちゃんの中で一番長生きしたのが雑種のわんちゃんで、19歳でした。
    基本的には、健康であまり病気をしなかったのですが、10歳の時にケンネルコフになり治療に時間がかかりました。毎日の通院と、お薬を飲ませることと、栄養のある食事を食べさせることに力を注ぎました。さつまいもやブロッコリー、人参を湯がいてフードの上に乗せて食べさせました。幸い、よく食べてくれました。お散歩が大好きな子だったので、人が少ない明け方などに、少しお散歩に行きました。
    一ヶ月ちょっと、かかって完璧に治りましたが、とっても心配しました。とにかく、せきが激しくてかわいそうでした。熱も微熱が続きしんどかったと思います。 
    もう、治らないかと思うくらいにひどかったのですが、獣医さんのお陰様で完治し本当によかったです。
  • 投稿者

    40代 女性 めーも

    犬 マルチーズ 12歳
     女の子です

     今年の3月に咳が酷くなり検査の結果、慢性房室弁疾患と診断されフォルテコール2.5 ベドメディン1.25
    を服用しています。
    5月末から食欲がなく、たまに下痢をしていて。
    6/1にグッタリとしてしまい立ち上がるもフラついて倒れてしまい病院へ。体温40.4度  体重3.2キロ
    レントゲンとエコーの検査結果は急激な心臓の悪化ではないとゆーこと。
    血液検査では
    総白血球数  2.18
    好中球  0.17
    赤血球数  4.19
    血小板  87
    ALP 胆嚢 肝酵素 256
    いぬCRP  20.0
    と異常が多かったのですが、これといった原因は分からないとのことで。
    抗生剤の点滴
    アンピシリン  エンドプロキサシン
    乳酸リンゲル
    この点滴を2日間
    歩けるようになり少しだけ茹でたお肉をたべてくれました。
    その頃2日間は処方されたお薬を飲ませ様子を見ました
    アモキシジリン  エンドプロキサシン  胃腸のお薬 心臓のお薬
    しかし、あまり回復してるようには見えず病院へ
    血液検査の結果は横ばい、熱も39.9度と高いまま
    この日から新しい抗生剤の点滴に変えました
    スルバクタム  アンピシリン  アミカマイシン
    2日目からメトロニタゾールとゆう飲み薬も増やしたとのこと。
    この治療を3日間
    病院での検温では38.6まで下がったと少し安心していました。
    点滴は3日間やったので、また自宅療養に切り替え飲み薬
    スルバクタム  メトロニタゾール
    心臓のお薬と4種を朝晩飲ませています。食欲はあまり無いけれど、全く食べない訳でもありません。
    そのまま4日間自宅療養し病院へ6
    体温39.8度   体重2.9キロ
    血液検査の結果はやはり横ばいでした。
    先生も原因はまだ分からないとのことで。
    抗生剤を変えながら治療を続けています。

    7月からは咳が酷くて見ているのも辛いほど。
    咳止めのシロップを処方してもらい飲ませると落ち着いていますが、慣れてきたせいか最近では2時間程でまた咳き込んで苦しそうにします。
    ずっとアヒルのようにガーガーといっていた咳も、今では喉が潰れたようにかすれてきました。
    息苦しそうにしています。
    1日の半分は咳をしています

    心臓からくる咳だろうと利尿剤なども試しましたが改善することはなく、どんどん悪化しているように感じます。
    今日も病院へ行きました。
    もう体重も2.4キロまで落ちてしまい、体温も39.9度。
    最近ではフラつき身体も辛そうです。

    先生からは気管虚脱によるものかもしれないが、この子の場合。喉ではなく肺に近い胸のあたりかもしれないと。
    そうなると造影剤を入れ検査してステントを入れる方法があるけど、福島の病院で出来るところはないだろうと言われました。

    今日お薬を変えてもらいました。
    あまりにも苦しそうなので、少しでも楽になるよう咳止めをメインにしてもらいましたが、今も少し寝ては苦しそうに咳をする。の繰り返しです。

    6月にセカンドオピニオンも行ったのですが、やはり原因解明出来ず、初めの病院に戻り治療を続けてきたのですが。
    どんなに頑張っても改善しない
    何か他に検査することや治療する事は出来るのでしょうか。
    呼吸器に強い病院はあるのでしょうか。
    治すことは出来るのでしょうか。
  • 投稿者

    50代以上 女性 小梅

    皆さん愛犬の為に頑張っていらっしゃいますね。
    私も今、愛犬小梅と共に病気と戦っております。
    去年の11月から急に咳がでて呼吸が苦しくなり病院に駆け込みました。
    診断は心臓肥大、肺水腫、気管狭窄症、目の前が真っ暗になりました。
    入院退院の繰り返し、夜は病院が開いてない為緊急病院へ行ったりと大変です。
    皆さんもお分かりの通り夜、夜中、朝方と苦しくなります。
    見ていてもう辛くて仕方ありません。
    薬もかなり飲んでいます。
    降圧剤ベナゼプリン、アムロジピン、強心剤ピモベンタン、気管支拡張剤テオフィリン、ステロイド、利尿剤注射で打っています。
    もうフルコースです。
    一日、薬に終われています。
    でもこれで命が繋がれていると思うと一生懸命になれます。
    小梅も苦い薬を頑張って飲んでくれています。
    入院はもうさせません。
    離ればなれで精神的に何十日も無理なんです。
    出来ればこの先一緒に頑張っておうちで看取れたらと思っています。
    つらい毎日ですがなるべく笑顔で乗りきりたいと思っています。
    同じ症状で戦っている方々、どうぞ明るく前だけ見て頑張りましょう!
  • 投稿者

    40代 女性 匿名

    こんにちは。私は、12歳になるフレンチブルドッグを飼っています。
    先日、突然寝起きに渇いた咳をしはじめました。
    最初は、何か変なものを食べてしまったのかと思いましたが、心当たりがありませんでした。
    その後、咳をしては口から白い泡のような物をだすようになりなかなか止まらず病院へ連れていきました。レントゲン等、検査しましたが特に異常はないとのこと。もともとの持病でお腹が腫れやすいので、その影響もあるかもと。
    その後も、少し休んでは渇いた咳をして白い泡が出るという症状が続いています。
    同じような症状があった方いらっしゃいませんか。
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