動物介護士解説!シニア犬がかかりやすい病気と飼い主にできる予防法

動物介護士解説!シニア犬がかかりやすい病気と飼い主にできる予防法

愛犬がシニア期に入り体調面を心配する人も多いのではないでしょうか。今回は動物介護士資格を持つペットケアアドバイザーが、シニア期の犬がかかりやすい病気と飼い主が取り組める予防について詳しくお話します。

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以前はトリマーとして働いていましたが、愛犬を亡くしたことをきっかけにペットロスカウンセラーに転身しました。現在はペットロスカウンセリングやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する記事を執筆しています。

なぜ病気にかかりやすい?

睡眠中の犬

人でも親しい間柄だと「もう高齢なんだから体調には気をつけて」なんて声をかけることがありますよね。犬でも人と同じように、シニア期に入ると徐々にかかりやすい病気が増えていきます。

では、そもそもなぜシニア期に入ると病気にかかりやすくなるのでしょうか?シニア犬が病気やケガを引き起こしやすい理由からお話していきます。

免疫力の低下

シニア期に入った犬が病気にかかりやすいと言われている理由の一つが「免疫力の低下」です。

犬でも人でも、シニア期に入るとさまざまな体の機能が衰えてきますが、病原体に抵抗する力も例外ではありません。

若い頃には平気だったほんの少しの病原体が、シニア期には免疫が十分ではないため、すぐに体調不良や病気を引き起こしてしまうのは決して珍しいことではありません。

「こんな些細なことで…」と思ってしまうようなことが病気の引き金になることもあるので、飼い主さんは日頃からよくワンちゃんの体調に気を遣ってあげるようにしましょう。

骨や筋力の老化

また、シニア期では病気だけではなくケガも多くなります。

こちらも先ほどの病気と同様に若い頃には平気だった事柄が原因となる場合もあるので、「前は大丈夫だったのに」とショックを受ける飼い主さんも多いかもしれません。

見た目は若い頃のまま可愛らしい愛犬でも、シニア期では骨や筋肉など目には見えないところも段々と老化して弱まってきています。

「うちの子はまだまだ若い」と思いたい気持ちもとてもよくわかりますが、愛犬の健康を守るためにも、少しずつ家庭でもシニア期の生活への対策を取り入れていくことが重要です。

シニア犬がかかりやすい病気

動物病院と犬

シニア期に病気にかかりやすくなる理由についてお話しましたが、具体的にはどのような病気が多いのでしょうか。ここからは、シニア期の犬がかかりやすい病気について詳しくお話します。

あくまでも一例ではありますが、ご自宅のワンちゃんで思い当たる節がないかどうかも確認してみてくださいね。

認知症

人でも耳にすることの多い「認知症」は、犬でも同じように発症します。

認知症は「高齢性認知機能不全」とも言われており、老化によって認知機能が徐々に低下し、その結果さまざまな行動障害が出てくることが特徴です。

  • 夜鳴きが増えた
  • トイレの失敗が多くなった
  • 夜に徘徊するようになった
  • 呼びかけても無反応
  • 特に意味もなく単調な声で鳴き続ける

このような症状が見られた場合には認知症である可能性が高いです。認知症は根本的な治療方法が見つかっておらず、一度なってしまうと完治できないのが現状です。

しかし、投薬によって認知症の進行を遅らせたり問題行動を緩和したりすることはできるので、「おかしい」と感じたら早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。

悪性腫瘍(がん)

「がん」と呼ばれることの多い悪性腫瘍も、シニア期にかかることの多い病気の一つです。

一言に「悪性腫瘍」と言っても、消化器・皮膚・泌尿器・呼吸器・血液などさまざまな種類があります。

また、別の場所に移動し増殖してしまう「転移」や治ったと思ったらまた発生する「再発」などもあるので、早期の発見や治療がとても重要だと言われている病気です。

心臓病

心臓の機能や構造に問題が生じる病気を総称した「心臓病」も、シニア期の犬に多い病気です。

悪化すると突然死もあり得る心臓病ですが、初期に見られる症状は少ないと言われており、進行してから「気づいてあげられなかった」と嘆く飼い主さんは珍しくありません。

また、「高齢だから仕方ない」と思ってしまうような症状がじつは心臓病から来ていた…という可能性も十分にあり得ます。

  • 食欲不振
  • 呼吸が乱れる
  • 動きが鈍くなる
  • 咳が出やすい
  • 散歩に行きたがらない

こうした様子が見られた時には、一度動物病院での検査をおすすめします。

歯周病

歯磨きを行っていないワンちゃんに起きやすい歯周病も、シニア期には特に多いと言われています。

口臭・歯石・歯茎の痛みや腫れなどの症状が起きる歯周病ですが、放置すると心臓や肝臓・腎臓など他の臓器にも影響を及ぼすと言われている、じつはとても恐ろしい病気です。

口に痛みを伴うので食欲がなくなったり、溜まった膿が歯の周辺や鼻から出たりすることもあります。症状に気がついたら、早めに動物病院に連れていくようにしてください。

関節炎

人でも年齢を重ねると関節に痛みが出ることがありますよね。犬もシニア期になると骨や筋力の衰え・関節部分の軟骨のすり減りなどから、関節炎を起こしやすくなります。

中には老化で代謝が落ちたことによって体重が増加し、膝や足首などに大きな負担となっているワンちゃんもいます。

愛犬がシニア期に入ったらフードを適切なものに切り替えて肥満対策をするのも重要です。

シニア期の病気予防のためにできること

シニア犬と散歩

シニア期の犬がかかりやすい病気についてお話しましたが、どの病気も「高齢だから」と諦める必要はありません。

歳を重ねて病気にかかりやすくなることは事実ですが、日頃の小さな積み重ねによって予防したり早期発見につなげたりすることは十分に可能ですよ。

最後に、シニア期に入ったワンちゃんの病気予防のため、飼い主さんが取り組めることについてお話します。

適度な運動

シニア期に入ると愛犬の体力も落ちてくるので、ついお散歩などの運動を控えてしまう飼い主さんも多いかもしれませんね。

実際に筆者も、愛犬がシニア期に入ってからは良かれと思ってお散歩の回数を減らした経験があります。ところが、冒頭にもお話したようにシニア期に病気になりやすい理由の一つは犬の免疫力低下です。

つまり、愛犬の体力維持や免疫力向上にもつながる適度な運動は、病気を防ぐためにとても重要なことなのですね。

また、お散歩などで外の空気や音に触れる行動は脳への良い刺激にもなり、愛犬の認知症予防にもつながります。

体の部位を痛めているなどの場合に無理をさせることはいけませんが、シニア期であっても無理のない範囲内で運動をしたり外に連れ出したりすることを心がけましょう。

スキンシップ

愛犬との仲を深めるスキンシップですが、じつは病気の早期発見にもつながることだというのはご存知でしたか?

犬種にもよりますが、犬の体はほとんどの場合が毛に覆われていて、皮膚の異常に気づきにくいですよね。

一方で、頻繁にワンちゃんの体に触っていると今まではなかった腫瘍や皮膚の炎症などにも気づきやすくなり、病気の早期発見・治療につながるのです。

実際に、獣医療やトリミングの現場では「一緒に過ごしている飼い主よりも、シャンプーで犬の体に触るトリマーの方が皮膚異常に気づくのが早い」なんて言われているくらいです。

飼い主さんは少なくとも1日1回は愛犬とのスキンシップの時間を設けて、ブラッシングなども行いながら「愛犬の体に異常はないか」を自分の目と手で確認するようにしましょう。

定期的な健康診断

どんなに気をつけて愛犬の体調を管理していても、やはり素人目にはわからないことも多いですよね。

特に内側で起きている異常にはどうしても気づきにくく、愛犬の病気が悪化してから後悔する飼い主さんも少なくありません。

動物病院は病気やケガなどの際にはもちろん、愛犬が元気な時であっても定期的に健康診断で訪れるのがベストです。

定期的に健康診断を行い、病気予防はもちろん、飼い主さんの安心や愛犬の生活の質向上につなげていきましょう!

執筆者情報

写真
Rapport Ciel
代表・ペットロスカウンセラー・ペットケアアドバイザー
松永由美

以前はトリマーとして従事していたが、愛犬の死をきっかけにペットロスカウンセラーへと転身。現在では、Rapport Cielの代表として、ペットロスカウンセラーやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する様々な記事の執筆を行う。
著書「ペットロスで悩んだときに読んでほしい愛犬の死がきっかけで平凡主婦がペットロスカウンセラーとなって起業した話: 「意外」と驚かれるペットロスとの向き合い方 (ラポールブックス)

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