ウェルシュ・コーギー・カーディガンの性格や特徴、ブリーダーから寿命まで

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの性格や特徴、ブリーダーから寿命まで

ウェルシュコーギーカーディガンは、日本で登録されている頭数は63頭という希少な犬種です。実はコーギーはウェルシュコーギーカーディガンとウェルシュコーギーペンブロークの2種類に分けられ、日本で馴染みのあるコーギーはウェルシュコーギーペンブロークという犬だからです。そんなウェルシュコーギーカーディガンはどんな犬でしょうか?性格や特徴などをご紹介致します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの性格

座るウェルシュコーギーカーディガン

好奇心旺盛

ウェルシュコーギーカーディガンはエネルギッシュで行動的です。その好奇心旺盛な性格から、視界に入ったものは触ってみたいと思ってしまいます。いたずらに困る前にきちんとしつけてあげましょう。そしてとても運動好きのため、運動や遊びが不足するとストレスを溜め込みやすいので注意が必要です。

明るく社交的

ウェルシュコーギーカーディガンは明るく社交的な性格のため、家族と一緒に過ごす時間や楽しいこと、人と接することが大好きで、慣れれば小さな子どもや他の犬ともふれ合うことができます。遊び好きな性格と相まって他の犬に遊ぼうと誘いにいく姿も見ることができます。

忠実で利口

もともと牧畜犬として働いていたので状況判断に優れています。そのためウェルシュコーギーカーディガンは利口で飼い主に忠実といわれています。注意点としては、賢いがために曖昧なしつけをすると、飼い主への信頼を損ねることがあります。飼い主がリーダーシップをきちんと示し、しっかりとした信頼関係を築きましょう。

愛情深くて献身的

ウェルシュコーギーカーディガンは愛情豊かな性格で、飼い主を喜ばせることが大好きです。飼い主が喜ぶことに喜びを感じる、とても献身的な犬です。飼い主にぴったりと寄り添う姿もよく見られます。

知らない人には警戒

社交的なウェルシュコーギーカーディガンでも、初めて会う人や犬は少々苦手な一面があります。攻撃的な性格ではありませんが、牧畜犬らしい持ち前の観察眼でまわりの様子を注意深く見守ります。この警戒心の強さから番犬に適しているといわれていますが、噛み癖や吠え癖が出ないようしっかりとしつけることが大切です。子犬の頃からさまざまな場所や人とふれ合うことで、家族以外の相手とも上手に付き合えるようになるでしょう。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの特徴

ウェルシュコーギーカーディガン横向き

大きさ(体重/体高)

体重 11~17キロ
体高 27~32センチ

ウェルシュコーギーカーディガンは中型犬に分類され、体型は骨太でがっしりとした印象です。また1年から1年半くらいで成犬になるといわれています。子犬の時期は体重が大きく増えるため、体重の推移は健康バロメーターとなります。体重測定でこまめに体重を確認してあげると良いでしょう。

1歳までの体重推移

月齢体重
生後2カ月2.6キロ
生後3カ月5.8キロ
生後4カ月8.5キロ
生後5カ月10.2キロ
生後6カ月11.5キロ
生後7カ月12キロ
生後8カ月12.4キロ
生後9カ月12.6キロ
生後10カ月12.9キロ
生後11カ月13キロ
生後12カ月13.1キロ

このように、生後6カ月までは体重が大きく変化します。3~5カ月位までは1週間単位で変化することもあります。

被毛(毛色/毛質)

ウェルシュコーギーカーディガンの毛色には、ブラック・ホワイト・レッド・ブリンドル・セーブル・トライカラー・ブルーマール・セーブルマールなどがあります。ウェルシュコーギーカーディガンの毛色はホワイトが優勢の場合を除いて、全ての色が認められています。

毛色の種類が豊富な犬種で、中でも黒&白、ブリンドル&白が多いとされています。ペンブロークではブリンドルの毛色は認められていないため、ブリンドルのコーギーを見かけたらカーディガンと思って間違いないでしょう。 

被毛はダブルコートでやや硬く中くらいの長さの毛があり、その下に短くてふわふわした毛が生えています。年2回の換毛期には、大量の抜け毛が発生します。

体の特徴

ウェルシュコーギーカーディガンといえば、胴が長くて足が短いのが特徴です。足が短く体長は体高の約2倍と重心が低いため、おしりをふりふりしながら歩きます。その歩く後ろ姿もかわいいと人気です。

ウェルシュコーギーカーディガンの耳は大きく、先端が丸くなっています。また、長くてふさふさなキツネのようなしっぽも特徴的です。ペンブロークは断尾されることが多く、しっぽのあるなしでカーディガンと見分けることもできます。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの子犬の価格

ウェルシュコーギーカーディガンの親子

ウェルシュコーギーカーディガンの販売価格は、10~20万円前後が相場のようです。血統などによって値段が前後します。一般的に親犬にドッグショーなどの受賞歴があると値段は高くなり、生まれつきの疾病があったり体が弱かったりすると低くなります。極端に安い場合や高い場合は、理由があります。購入前にきちんと確認しておくとよいでしょう。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンをブリーダーから迎えるには

二匹のウェルシュコーギーカーディガン

ウェルシュコーギーカーディガン専門のブリーダーは国内ではとても少ないようです。その中でもおすすめのブリーダーをご紹介します。

Lily's Cardiさんは福岡県のブリーダーですが、全国に巣立たせている実績があります。またアフターフォローもしっかりしていて安心です。メールなどで随時相談できる環境やウェルシュコーギーカーディガンのオーナー同士の交流も盛んで、こちらの犬舎出身犬の家族会も定期的に行っているようです。

Lily's Cardi

TREASUREさんは長野県のブリーダーです。コーギーの魅力にとりつかれ、ウェルシュコーギーカーディガンとウェルシュコーギーペンブロークどちらも育てています。こちらのブリーダーはナチュラルフードとペット用品のお店もされているため、ウェルシュコーギーカーディガンの健康管理やしつけの相談に加え、フード関係やケア用品に困ったときにも相談できます。またこちらの犬舎出身の犬を集めてのファミリーパーティーやわんわん運動会も行っているようです。

TREASURE

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの里親になるには

ウェルシュコーギーカーディガン

ウェルシュコーギーカーディガンを迎え入れたいと思ったら、里親になるという方法もあります。ただし希少な犬種なので、里親募集していることは稀なようです。里親募集サイトをこまめに確認したり、自治体や動物愛護団体主催の譲渡会に参加してみると良いでしょう。

里親になる場合は、ワクチン情報や疾病の有無などをきちんと確認した方が良いでしょう。また成犬を迎え入れることがほとんどなので、トイレなどの基本的なしつけができているか、どんな性格でどんな癖があるかなど、注意点もあらかじめ把握しておくとよりスムーズに迎え入れられます。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの飼い方

ウェルシュコーギーカーディガンの親子

環境

ウェルシュコーギーカーディガンの多くは、室内犬として飼われているようです。しかし、もともとが牧畜犬だったため屋外で飼っても問題はありません。ウェルシュコーギーカーディガンは寒さには強い犬種ですが暑さには弱いので、屋外で飼う場合夏は注意が必要です。また吠える声が大きく太いので、集合住宅など家が近隣と密接した場所で飼う場合は防音対策をしっかりと行いましょう。

ウェルシュコーギーカーディガンは、腰が弱く痛めやすい体質です。階段の上り下りやソファやベッドの上り下りは、なるべく避けてあげる環境にしましょう。フローリングで滑って腰を痛めるケースもありますので、カーペットや絨毯、犬用マットなどを敷くことをおすすめします。

また、胴が長いウェルシュコーギーカーディガンは、トイレからはみ出てしまうこともあります。トイレは少し大きめのものを用意してあげると安心です。

運動

ウェルシュコーギーカーディガンは、もともとが牧畜犬で牛や羊を追いかけて生活をしていため、かなりの運動量が必要です。1時間以上の散歩を1日2~3回が目安となります。ドッグランなどに出かけて広い場所を走らせてあげるのも良いでしょう。

ただしウェルシュコーギーカーディガンは軟骨異栄養症を遺伝的に持っていることが多く、腰椎間板ヘルニアのリスクが高いため、ジャンプするドッグスポーツは避けましょう。 

しつけ

ウェルシュコーギーカーディガンのしつけは、簡単ではないといわれています。まずは飼い主との信頼関係をしっかりと築きましょう。ウェルシュコーギーカーディガンは、牧畜犬として牛の足を噛んで動きをコントロールしていた習性から人の足を噛んでしまうことがあります。子犬の頃から噛まないように教えてあげましょう。

ウェルシュコーギーカーディガンは、特に噛み癖、吠え癖、暴れ癖がつきやすく、直すのが大変な犬ですので、癖がつく前にしっかりとしつけを行いましょう。 

ウェルシュコーギーカーディガンは食べ物への執着が強く、元々太りやすい体質の犬種です。食事管理はしっかりと行い、むやみにおやつをあげすぎないようにしましょう。餌もあげればあげるだけ食べてしまいますので、カロリーも気にしながら体重に合った量をあげてください。成長が著しい幼少期には栄養のバランスを考えてあげることも大切です。

お手入れ

短毛のウェルシュコーギーカーディガンは毛が絡まることはありませんが、ダブルコートで抜け毛が多いため、週に2~3回はブラッシングが必要です。ただし換毛期は大量の抜け毛が発生しますので、毎日のブラッシングと掃除を心がけてください。またシャンプーは月に1度程行うと良いでしょう。定期的なシャンプーで皮膚を清潔に保ってあげることで皮膚の疾患予防にも繋がります。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンにカットは必要か

遠くを見るウェルシュコーギーカーディガン

ウェルシュコーギーカーディガンは、基本的にカットは不要です。毛量が豊富で長い場合はカットを楽しむ方も多くいますので、おすすめのカットスタイルをご紹介します。それぞれのカットスタイルを、写真や動画で見るとその魅力がより伝わってきます。ぜひ写真や動画も見ながら、愛犬に合ったスタイルを探すことをおすすめします。

サマーカット

ウェルシュコーギーカーディガンは暑さに弱い犬種のため、暑さをしのぎやすくするカットスタイルです。バリカンやはさみで毛を短くするため体のラインが際立ち、毛が豊富なときとは印象が変わります。毛を短くカットすることにより、抜け毛が目立たなくなるというメリットもあります。

ライオンカット

顔周りの毛をライオンのたてがみのようにカットするスタイルです。長毛が特徴のウェルシュコーギーカーディガンは、顔周りの毛だけを残し体の毛を短くすることでこのライオンカットが成立します。

桃尻カット

ウェルシュコーギーカーディガン独特の、おしりをふりふり歩く後姿をより愛らしく見せるカットスタイルです。ウェルシュコーギーカーディガンの毛は硬めでカットがしやすく形が整いやすいので、丸々としたかわいいおしりになります。おしりの毛色だけ白いなど、背中の毛色と違っていたらより桃尻が際立ちます。

ハートカット

ウェルシュコーギーカーディガンのかわいいおしりをハート型にカットするデザインも人気のようです。体全体を短くカットしておしりの毛を残し、残した毛をハート型にするとまるでハートが浮かび上がってくるようなスタイルになります。チャームポイントのおしりをさらにかわいく見せてくれます。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの寿命

上目づかいのウェルシュコーギーカーディガン

ウェルシュコーギーカーディガンの寿命は12~15歳といわれています。最近では15歳以上の長生きをするコーギーが増えているようです。長生きのコツは小さなときから生活習慣をきちんと考えてあげることです。体重管理や疾病予防などに気をつけて生活すると18歳前後まで長生きすることもあるそうです。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンのかかりやすい病気

ソファの上のウェルシュコーギーカーディガン

椎間板ヘルニア

ウェルシュコーギーカーディガンは、胴長短足で背骨に負担がかかりやすい体型であることから、椎間板ヘルニアには注意が必要です。

椎間板ヘルニアは軽症で初期であれば、背中や首に痛みがあるのみで、安静にすることで改善することもあります。しかし症状が進むと麻痺によって歩けなくなったり立てなくなったりする場合もあり、排尿や排便のコントロールができなくなってしまうようです。

さらに、再発を繰り返す場合には手術が必要となりますが、状態によっては、手術やリハビリテーションを行っても完全には回復しないケースもあるようです。  

皮膚疾患

ウェルシュコーギーカーディガンはダブルコートで毛並みが厚いため、皮膚疾患の多い犬種です。皮膚が蒸れて細菌が繁殖しやすく、アレルギー性の皮膚疾患を起こすこともあります。

ノミやダニのケアのためにも、ブラッシングや定期的なシャンプーで抜け毛をきちんと取り除くことが予防に繋がります。またブラッシングでコミュニケーションを図りながら、皮膚に異常がないかのチェックも日常的に行いましょう。 

股関節形成不全

ウェルシュコーギーカーディガンに多い遺伝性の病気として、股関節形成不全があります。股関節がしっかりはまっていない状態になるため、腰を左右に振りながら歩いたり、足を引きずったり、ぴょんぴょんとウサギのように跳んで歩いたりします。また後ろ足をたたむことができないので、おすわりが上手にできないなどの症状が現れ、脱臼もしやすくなります。

生後6カ月頃から症状に気づくことが多いようですが、遺伝性の病気のため生後4カ月頃から検査をすることもできますので、早期発見をし軽度のうちから治療をすることが大切です。 

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの歴史

ボールで遊ぶウェルシュコーギーカーディガン

ウェルシュコーギーカーディガンの歴史は古く、紀元前1200年頃に中央ヨーロッパのケルト族によってイギリスのウェールズ州に持ち込まれたと伝えられています。ウェールズ州の山間のカーディガンシャー地方で飼われていたことから、ウェルシュコーギーカーディガンの名がついたといわれており、古くから牧畜犬として働いていました。

ウェルシュコーギーカーディガンは歴史の古い犬種ですが、一般に知られるようになったのは、1933年イギリスのジョージ6世が宮廷で飼育していたことがきっかけのようです。これはとても有用な犬であったために、カーディガンシャー地方の丘陵地帯に住む貧しい人々が大切に育て、世間に知られたくなかったことが理由の一つであるといわれています。

ウェールズ語でコーギー(Corgi)のCorは「小人」giは「犬」という意味で、コーギーの首周りの毛色が白く、その部分を妖精のサドルと呼び、妖精の馬車を引いていたというウェールズの伝説から、「小人の飼っていた犬」「妖精の犬」という意味だとする説もあるそうです。

まとめ

ウェルシュコーギーカーディガン

ウェルシュコーギーカーディガンは、胴長短足の見た目とチャームポイントのおしりを振って歩く姿が魅力的な犬です。そんなかわいい体型に反し、凛々しい顔つきや活発的に行動する姿などギャップもあり見ていて飽きないでしょう。

牧畜犬らしくエネルギッシュで活動的なので、ドッグスポーツを一緒に楽しめるアクティブな飼い主にもおすすめの犬種です。また日本では希少な犬種なので、珍しい犬種を飼いたいという人にもおすすめします。 

愛情深くて献身的なウェルシュコーギーカーディガンは、飼い主をよく観察し喜ばせようとしてくれます。飼い主もたっぷりの愛情を注いであげると、きっと返してくれることでしょう。日頃のお手入れや遊びで十分なコミュニケーションを図ると、素敵な家族の一員になってくれることと思います。

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