ベドリントンテリアの特徴
「なんだこの犬は!」
「変なカット!」
「デカいプードル!」
なんて声が聞こえてきそうなこの犬。
その名も『ベドリントンテリア』。
知れば知るほど奥が深く、美しく、魅力に富んだ犬なんです。
イギリスのノーザンバーランド州ベドリントン市に住む炭鉱労働者が、カワウソ狩りやネズミ捕り等に用いるため、18世紀初頭に作出されました。
そのユニークなカットも、狩りで邪魔になる余計な被毛を刈り落とし、1877年に「よりテリアらしく美しさを追求した形」が現在の子羊のような上品なスタイルとなりました。
このようなスタイルの形はシザーやクリッパーを使って作られているのであって、伸びてくる被毛を放っておけばプードルのように伸びていきます。
通常、テリア種のカットといえばナイフを使ったプラッキングという技法を用いるのですが、ベドリントンテリアにおいてはハサミとクリッパーを使って仕上げるテリア種でも珍しいタイプです。
その為、その奥の深さにハマるトリマーはそのカットにおいて・犬種においての奥深さや魅力にどっぷりとりつかれてしまうことがあります。
まさに『知る人ぞ知る』ですね。
この犬種の魅力がわかる人はペット界でも一目おかれることでしょう。
ベドリントンテリアの魅力はその愛らしさの中に潜むガッチリ筋肉の肉体美。
子羊のような愛らしさなのに、どこか力強さが垣間見れます。
黒い皮膚から生えた柔らかい薄色の被毛も魅力的で、体はコシのあるパリパリした被毛なのに足は柔らかい被毛。
その局所的に違う被毛の質感からもテリア種であることがよくわかります。
せっかくベドリントンテリアとして産まれてきたのですから、その風貌をベドリントンテリアの専門家と協力して管理してあげることが望ましいでしょう。
ベドリントンテリアの性格
テリア種とウィペットを交配されていることによりテリア独特の防衛・闘争本能を持ち合わせています。また、テリア種に多くみられる他人への強い警戒心もあります。気性があらいとも言われていますが、上手に社会化期へのアプローチ、しつけやトレーニングが出来れば、寡黙な従順な風貌を醸し出す心身ともに美しい犬となるでしょう。
場の空気を読むことができる犬種のため、見知らぬ人へは警戒心を抱き家族を守ろうとする姿も見られます。テリア種は考える力に優れていて非常に賢いです。アーチ形の体型は、獲物を追うスピードを高めるためにウィペットなどのサイトハウンドの血が入っている結果だといわれています。ベドリントンテリアは、ウサギやネズミ捕りのためにつくられた犬種のため、小さい動物や獲物だと判断した動物を見つけると追いかけまわしてしまう本能が残っています。
原産国/イギリス(ベドリントン)
体高/雄40~44cm、雌38~42cm
体重/9㎏前後
毛色/ブルー、サンド、レバーの単色。ブルー&タン、サンド&タン、レバー&タンの2色。
毛質/体にはコシがあり、足に向かい柔らかい被毛。
ベドリントンテリアを飼うには
純粋なベドリントンテリアを専門にブリーディングしているブリーダーの数は少ないです。
その為、情報収集が必要になります。
乱雑な交配を試みるようなブリーダーからの購入は避けたいところですね。
防衛・闘争本能のあるテリア気質を兼ね揃えている性格なので、飼う前に犬のしつけ、社会化期のアプローチ方法を出来る限り学んでから迎え入れるようにしたいですね。ベドリントンテリアは、初心者より犬の性格などに馴れた人向けの犬種です。
トリミングも必要な犬種ですが、ベドリントンのカットをマスターしているトリマーも数少ない為、ベドリントンテリアの美しさ、風貌を求めるのであればベドリントンテリアのカットをマスターしたトリマーを探す必要もあるでしょう。
被毛の管理も難しく、ブラッシングの仕方、皮膚の管理を怠ると、被毛の色が濃淡のある汚ならしい色へと変化することもあります。
白い毛色のベドリントンテリアも、生まれた時は真っ黒い毛色だそうです。成長していくにつれだんだんと白色に変化していくそう。他の犬種にはなかなか見られない魅力のひとつですね!
ややカールしている毛質のため、毛玉やもつれもできやすいです。
また、涙ヤケや汚れる部分の被毛が赤くやけることもあります。
ベドリントンテリアの価格
標準的な価格は18万~25万ですが、ブリーダーや犬の血統、その他の条件で値段は前後します。ベドリントンテリアがかかりやすい病気に肝臓疾患があります。遺伝的に肝臓の数値が基準より高いことが多いそうです。肝機能障害を予防するためにも定期的な血液検査で早期発見に努めましょう。
ベドリントンテリアのしつけ
大前提として、十分な社会化期の仔犬トレーニングが必要です。
テリアの気質を兼ね揃えている為、家庭犬として生活するには日常生活のトレーニング以上に感情のコントロールが重要となります。
知識のない飼い主が本や雑誌などでやたらと学び、統一性のないしつけやトレーニングを行うと、その防衛・闘争本能から飼い主でも手の付けられない犬となってしまう可能性が考えられます。友好的で穏やかな性格と短気で攻撃性のある性格を持ち合わせているため、個体差はありますが、それぞれの性格をよく把握しながらしつけていきましょう。
一番の理想は、しつけトレーナーやインストラクターなどの力を借り、丁寧なしつけやトレーニングを行いたい犬種です。
ベドリントンテリアの飼い方
美しい被毛をキープしたいのであれば、トリミングサロンでシャンプー、カットにも慣れてもらわなければなりません。
「せっかくベドリントンテリアを飼ったのにトリマーさんを嫌がり咬んで暴れて、いつも丸坊主にしかしてもらえない」
なんてこともあります。
まとめ
ベドリントンテリアは飼育頭数も少ないため、現在の日本ではその特性や風貌、飼育方法があまり知られていないのが現状です。
だからこそ、共に生活をしたいと考える人はこの犬種についてしっかりと学ぶ必要があります。
テリア気質の防衛・闘争本能をいかにコントロールできるかが重要で、これらについて理解のある飼い主のもとで生活できるベドリントンテリアはとても魅力のある犬となるでしょう。
ユーザーのコメント
50代以上 男性 匿名
とても頭が良くて、犬の体長では届かない高い場所に置かれたヤクルトも、架台の上に乗って取りました。
当時、母が自宅近くでお店をやっいて、自宅からワンコが逃げ出して母の店に現れた時に、ワンコをつなぎ止めるのに、細い毛糸でつないでもそこに留まっていました。
犬本来の勇敢さと賢さを兼ね揃えた、良いお坊っちゃんでした。
洋犬のミックスと思って一緒に暮らしていましたが、病気で動物病院にお世話になった時に、初めてのベトリントンテリアと解りました。
残念ながら肺炎で寿命をまっとうさせてあげれませんでしたが、飼育しやすい子でした。
今は、柴犬のお姫様と一緒に暮らしています。
女性 カカオ
女性 mocmoc
日本では殆ど目にすることがない犬種なので、写真でしか見たことがないですが、体高は人の膝より少し上くらいの大きさのようです。プードルに似た外見なのでもっと大きいような気がしていました。
性格は一言でいうならクール。飼い主には忠実さをみせますが、知らない人や慣れない人、他の犬に人見知りをします。警戒心も強いので、子犬の頃からたくさんの人と犬に慣れさせておき、社交性を磨いておくといいでしょう。
背中は丸くアーチ状です。これはウィペットなど走る犬種の血統からくるものです。ウサギやアナグマなどを捕獲していた本能があるので、目の前を走る小動物に対し反応し、急に走って追いかけてしまうことがあります。リードは離さないようにしっかりと持つ必要があります。基本はタフな犬種なので飼い主さんもタフでなくてはならないですね。
40代 女性 トマト
街でもあまり見かけることがないので図鑑の中でしかお目にかかった事がありませんが、プードルのような子羊のような姿で少し離れ気味の目が愛らしいですね。
ペットショップなどではお目にかかった事がないので、やはり直接ブリーダーさんとの取引になるのですね
イギリス原産で猟犬としてとても優秀で近年では番犬として活躍しているそうです、
その昔はイギリスで闘犬としても飼われていたようで、気質的に一度喧嘩を始めたら勝つまでやめなかったりすることがあるようなので、子犬からの躾がとっても大切ですね。
日本ではお目にかかること本当に少ない犬種なので、しっかり勉強したうえで飼う事が大事なようです。
女性 くるみ
40代 女性 匿名
社交的な友人が飼い主だったせいもあって人にも犬にも温和に接することができる
賢い子でした。
我が家で飼っていた運動好きなメスのシーズーと
とてもいい遊び相手でいつも楽しそうに追っかけっこをしていました。
ただ、シーズー相手では若干物足りない感が見え隠れしていましたので
運動量はとてもいると思います。
うちの子と遊んでいたときにほかのオスがちょっかいかけてきたときは
激しくけんかになったときもありましたので注意が必要だと思いました。
体の大きさの割には目が小さくて若干表情が乏しい感もあるので
表情豊かな犬種が好きな人は物足りなさも感じるとは思いますが
猟犬やテリアを飼ったことのあるオーナーなら
すすめてもいい犬種だと思います。
50代以上 男性 動物が
女性 もふころ