飼い主さん初心者が悩みやすい愛犬の散歩
まだ犬と一緒に暮らし始めて日の浅い飼い主さんが楽しみにされているのが、愛犬との散歩ではないでしょうか。
でも、散歩デビューのタイミングや最適な散歩量、行くべきではないタイミングなど、不安もお持ちだと思います。
愛犬にとって散歩は、運動不足を解消してストレスを発散する最適な手段であり、室内では得られないたくさんの刺激を受けて脳を活性化させ、かつ人の社会の中で暮らすために必要なたくさんのことを学ぶ場でもあります。
そのため、そんなに多くの運動量を必要としない小型犬であっても、毎日外で散歩することが推奨されています。
そんな大切な散歩について、考え方やふさわしくないタイミングなどをまとめました。
理想の散歩量
まずは、愛犬に最適な散歩の量に関する考え方を整理しておきましょう。ポイントは、体の大きさです。体のサイズが大きければ大きいほど、たくさんの運動量が必要になります。
ただし犬種特性によっては、少し多めの運動量が必要な場合もあります。
愛犬が元気な様子で散歩をし、家に帰ったら疲れて横になり眠ってしまうくらいがちょうどよいと考えればよいでしょう。
大まかな目安を下記にまとめますので、愛犬に最適な量をみつける参考にしてください。
- <小型犬>成犬体重が10kg未満
- 総時間数30分〜1時間/日、回数は1回
- <中型犬>成犬体重が10kg以上25kg未満
- 総時間数1〜2時間/日、回数は1〜2回
- <大型犬>成犬体重が25kg以上
- 総時間数1〜2時間/日、回数は2回
散歩に行ってはいけないタイミング
散歩は原則毎日行うことが理想ですが、場合によっては行かない方が良い場合もあります。愛犬の健康を最優先に考え、下記に紹介するようなタイミングで散歩に出かけることは避けましょう。
1.免疫力
子犬は、生後4ヵ月を過ぎると「初体験」に慣れにくくなってきます。この時期に「怖い」とか「嫌だ」という思いをしたことに対しては、成犬になってからも強い恐怖心を持つようになってしまいます。
そのため、できれば生後3ヵ月目までに散歩デビューさせるのが理想的です。
しかし、問題になるのが「免疫力」です。この時期の子犬はまだ免疫力がなく、普通に散歩をさせてしまうと、すぐに体調を崩しかねません。
最後のワクチンを接種してから2週間経つまでは、ハーネスやリードを付けた状態の子犬を抱き、飼い主さんが家の近所を歩いて外の雰囲気に慣らしたり、いろいろな刺激を受けるような形態に留めておきましょう。愛犬が降りたがっても、地面には降ろさないでください。
2.悪天候
大雨、台風、雪などの場合は、無理して散歩に出かけるのではなく、室内で引っ張り合いっこのような遊びをして運動不足を解消してあげましょう。
3.気温や路面温度
夏は熱中症や火傷、冬は低体温症や凍傷に注意をする必要があります。散歩に適した気温の目安は15〜25℃です。
しかし、アスファルトは想像以上に高温になりますので、出かける前に必ず飼い主さんの手で路面を直接触って、温度を確認しましょう。
路面が熱すぎる、または冷たすぎるような時間帯の散歩には出かけないでください。
4.愛犬の体調不良時
愛犬の体調が悪いときやケガをしている時は、無理をして散歩に出かける必要はありません。
特に骨折や脱臼などの場合は、安静にして室内の段差にも気をつける必要があります。
また、老化の影響など、必要に応じて散歩コースの見直しも行いましょう。
5.散歩コースの安全性
春や秋など、季節によっては公園や遊歩道に除草剤が散布されることがあります。
薬剤を舐めて中毒症状を起こす事故を回避するため、できるだけ地域の情報を収集し、これらが散布された時期の散歩は控えましょう。ただし、個人宅で除草剤をまいた場合は、撒いたかどうかわかりません。できるだけ、草に近寄らせないように散歩するのが良いでしょう。
また雪国の場合は、融雪剤が散布されることがありますので、同じように注意が必要です。
6.食事直後
食事直後の散歩は避けましょう。食後は愛犬の注意が散漫になり、交通事故などのリスクが上がるからです。
また、大型犬の場合は食事直後の散歩で胃捻転を起こすことが多いです。食前の散歩が難しい場合は、胃の内容物が消化される3時間程度待ってからにするのが望ましいです。
まとめ
愛犬との散歩は、愛犬の心身両面の健康管理にとても重要な役割を果たします。
また、愛犬が人と一緒に暮らしていくために必要な社会性を身につける場でもあります。そして何より、飼い主さんと愛犬の深い信頼関係を築く絶好の機会です。
できるだけ、毎日外に散歩に出て、愛犬と深い絆を結んでください。
ただし、今回ご紹介したような、望ましくないタイミングでの無理な散歩は避け、運動不足やストレス解消の代替策を検討してあげてください。最優先すべきは、愛犬の健康です。