1.期待感
ワクワクしてついてくる気持ち
ごはんやおやつがもらえる予感がした時や、飼い主さんがお散歩グッズを手に取った時など、愛犬にとって良いことが起こると予感した時に「もしかして♪」と、飼い主さんの後追いをすることがあります。
犬は物事を関連づけて記憶し、特に音と関連づけることが多いといいます。「自分のフードボウルがカチャカチャとなる音=ごはん」「袋がカサカサなる音=おやつ」「リードの金具が触れ合う音=お散歩」と言うように、その音と出来事が連想ゲームのようにつながり合っています。
良いことが起こると予感すると、愛犬は「楽しいことが起こる?!」とワクワクしながら飼い主さんの後追いをするのかもしれません。
飼い主さんに要求がある場合も
犬たちは言葉を話せませんので、飼い主さんに何かの要求がある時にはまず飼い主さんの注目を自分に集めないといけません。なんとかして飼い主さんの視界に入ろうと、飼い主さんの後を追ってくるということもあります。
「おやつが欲しい」「かまってほしい」など、愛犬には何か飼い主さんに「お願い事」があるのかもしれませんね。
2.不安感
環境の変化後に後追いしやすい
環境の変化があると犬は不安を感じやすくなります。引っ越しをして新しい家に移り住んだ時や家族の増減があった時など、生活が大きく一変した後に飼い主さんの後を追ってくっついてくることがあります。それは不安感によって「飼い主さんのそばにいて安心したい」という気持ちからくるものと考えられます。
重度になると「分離不安」になる恐れ
犬は群れを成す習性があり、感情も豊かなので「寂しい」という気持ちになるのは自然なことです。「大好きな飼い主さんのそばにいたい」という親愛の気持ちは、飼い主さんにとっても嬉しいものですよね。 しかし、その寂しさや親愛の気持ちが度を越してしまうと「飼い主さんと一緒にいないと不安」になってしまうことがあるのです。それは「好きだから一緒にいたい」というよりも「一緒にいないと不安」になってしまっている状態です。
これは「分離不安」と呼ばれ、愛犬がひとりでくつろぐことができなかったり、飼い主さんの姿が少しでも見えなくなるとパニックを起こしたり、パニックによって破壊行動や自傷行動などを起こしてしまうことがあります。
分離不安は飼い主さんへの過度な依存心によるものですので、愛犬との関係性を見直したり、愛犬がひとりでも安心できるよう住環境の改善をする必要があります。
3.信頼感
「一緒にいたい」と言う気持ち
飼い主さんに接してくるわけではないけれど、飼い主さんの居る場所の近くでくつろごうとすることがあります。デスク、キッチン、リビングなど、飼い主さんが居る場所に自分も居たいという「飼い主さんを感じていたい」という信頼の気持ちによる後追いも考えられます。
飼い主さんが居場所を移動すると自分もトコトコとついてきて近くで眠る、という様子はなんとも愛しいですよね。
群れを成す習性による場合も
犬は現在のオオカミと同じ祖先から枝分かれした動物で、オオカミと同じように「仲間意識」を持つ習性があります。家庭では1頭のみで飼育されている場合も多いのですが、犬は犬同士だけではなく飼い主さんやご家族を「仲間」と認識していると考えられます。
また犬は他の種類の動物とも仲間になることができますので、同居する猫ちゃんやフェレットちゃんなどと仲良くしている子もいます。犬はひとりぼっちで生きることが苦手で、輪の中で生きていく習性があるため「飼い主さんを感じられる空間に居たい」と思って後追いをしているのかもしれません。
まとめ
筆者は引っ越し後に初めて愛犬の後追いを目にしました。特に「お風呂」と「トイレ」についてくることが目立ち、脱衣所やトイレの前で“出待ち”したり、キッチンに立っている時には足元近くでくつろぐ姿もよく目にしました。
しばらくすると新しい家に慣れたのか後追いをしなくなりましたが、住まいが変わったことによって筆者の姿が見えなくなることに強い不安を感じていたと考えられます。
愛犬が自分の後をくっついてくる姿はなんとも愛しいのですが、愛犬が強い不安を感じている可能性もあります。愛犬がなぜ後追いをしてくるのかを見極めて、もしも愛犬が不安を感じている原因があれば解消してあげること、そして愛犬との「心の距離感」を見直して過度な依存をさせないように心がけることが重要かと思います。