犬を迎えたら最期まで責任を持つことは飼い主の義務
「可愛いから犬を飼いたい」と思うことは簡単です。そして犬を迎え入れることも簡単でしょう。しかし、犬を迎えたらきちんと犬の幸せを考えて飼い主としての責務を犬の生涯、全うしなければいけません。
無駄吠えや噛み癖を直すしつけをしたり、トイレトレーニングをしたりすることはもちろん、犬が病気を患ったら病院で治療を受けさせる必要もあります。しつけや接し方を飼い主として考えることはもちろん、想像以上にお金がかかることも覚悟しなければいけません。
こうした大変な思いをしつつ、日々一緒に愛犬と過ごしていると、まるで我が子のように可愛いと思うようになり、深い愛情を自然と注ぎたくなるものです。最期のときまで、きちんとお世話をし、それぞれの形で看取ってあげることも飼い主として当然ですよね。
しかし、中には「しつけがうまくいかない」や「思ったよりお金がかかるから」、「お世話が大変だから」という身勝手な理由で、一度迎え入れた犬の飼育を放棄し、捨ててしまう飼い主が未だにいるのも現実です。
基本的に、現在ペットとして飼育されている犬は、1匹の力では生きていくことが困難な上、多くの場合は保健所に連れて行かれることになります。すると、身勝手な理由で捨てた飼い主が真剣に想像しないような悲惨な運命を辿ることになる犬も多いのです。
犬は捨てられるとどうなるの?悲惨な運命と絶対にしてはいけない理由
絶対にあってはいけないことですが、一度迎えた犬をまるでおもちゃのように「お世話が大変」と捨てるような飼い主は、未だに一定数います。では、捨てられてしまったかわいそうな犬たちは、その後、どのような運命を辿るのでしょうか。
1.保健所や愛護団体に保護されて新しい里親の元へと迎えられる
無責任な飼い主が犬を預ける先として、最も多い場所が保健所です。保護されると、基本的には保健所の施設や愛護団体の元でお世話をされ、次の里親になってくれる飼い主さんを探すことになります。
相性の良い素敵な里親さんを見つけることができれば、トライアル期間を経て、新しいお家へと迎え入れられます。捨てられた犬であっても新しい家で幸せに過ごすことができるという意味では、捨てられた後の運命としては、最も良い道でしょう。
2.里親が見つかっても人間不信になってしまう
保健所や愛護団体などのボランティア団体によって、新たに里親を見つけてもらい、新しいお家へと迎え入れられる犬も多いです。しかし、新しい里親が見つかったからといって、安心はできません。
一度捨てられた犬は、今まで一緒に暮らしてきた飼い主に裏切られたことのショックが大きく、強いストレスを抱えていたり、人間不信に陥っていたりすることが多いです。また、飼い主への愛情が深い犬であればあるほど、新しい飼い主にうまく馴染めないこともあります。
このようにトラウマを抱えてしまい、生涯心の傷を抱えながら過ごすことになる犬も少なくありません。もちろん、素敵な新しい飼い主さんに愛情を注がれることで立ち直ることができる犬も多いですが、中には最期まで心を開けずに苦しむ犬もいるのです。
3.家に置き去りにされて餓死してしまう
酷い飼い主の場合、飼っていた犬を住んでいた家に置き去りにし、自分だけ引っ越して消息を絶ってしまうという飼い主もいます。
すると、犬は家に置き去りにされてしまうため、その後、密閉された空間で凌いでいくしかありません。集合住宅などであれば、犬の鳴き声や臭いなどで近所の人から通報が入り、保健所の人に保護されるケースもありますが、中には気づかれず、衰弱死してしまう犬もいるのです。
「いつか飼い主さんが帰ってくるはず」と思い続け、家の中で従順に待ち続けていた結果が、これです。犬からの純粋な信頼と愛情を裏切り、最期には衰弱死させるというあまりにも無慈悲で残酷な仕打ちをするくらいならば、最初から犬を飼ってはいけないのです。
4.野良犬と化してしまう
最近はあまり見かけなくなりましたが、地域によっては飼育放棄された犬や家に置き去りにされた犬が脱走し、そのまま野良犬として生きていくケースもあります。
こうした犬たちは、一度人間に裏切られたことで人間不信となっているため、近づく人間たちを威嚇したり、中には攻撃を仕掛けてくるようになったりします。あまりのショックと憤りによって、このようになってしまうのは当然といえば当然です。
しかし、最近ではこのような野良犬を見かけ次第、すぐに保健所や愛護団体によって保護されるため、一度脱走した犬であっても短時間で保護されることが多くなりました。実際、保健所に収容される犬の多くは、このような身元不明の犬たちだと言われています。
5.保健所で里親が見つからずに殺処分されてしまう
保健所に保護された犬たちも、生涯その場所で暮らしていけるわけではありません。基本的に、食料費やお世話に必要な日用品類にも費用がかかるため、命に期限が設けられます。その期限を過ぎても新しい飼い主が見つからない場合は、殺処分という悲しい運命を辿ることになるのです。
信頼していた飼い主に連れてこられた保健所で、「飼い主はいつ戻ってくるのか」と待ち続けていた結末が殺処分とは、考えるだけでおぞましいですし、怒りに震えます。
保健所のスタッフの方の気持ちを考えても、自らの手で保護した犬の最期をこのような形で看取ることに、言葉に言い表せないほどの辛さを感じているはずです。人間の身勝手で、命の期限を削られる犬たちのことを考えることができれば、途中で飼育放棄をして愛犬を捨てるという選択はできないはずです。
まとめ
犬は私たちと同じ、感情のある動物です。特に従順で愛情深い動物なので、捨てられたときの悲しみやショックは想像もできません。犬を飼うと決めたら、必ず最後まで責任を持たなければいけないのです。
中には、病気などどうにもならない理由で泣く泣く手放さなければいけない人もいるかもしれません。しかし、その際は必ず愛犬が幸せになれるよう、大切にしてくれる知人や家族に預けるなど、愛犬が悲しい運命を辿らないような選択をしてください。
ユーザーのコメント
20代 男性 匿名
50代以上 女性 匿名
犬が幸せになる事を、望みます。