①身体障害者をサポートする犬
盲導犬
盲導犬は、日本国内でも特に有名な使役犬です。目が見えない人や見えにくい人と一緒に生活しながら、ユーザーの行きたい場所へ誘導します。
段差や障害物を避けたり、信号を伝えたりして、ユーザーが安全に歩けるようにサポートするのです。目の不自由な人と一緒に、電車やバスなどの公共交通機関に乗ったり、スーパーや飲食店に入ることなども認められています。
聴導犬
聴導犬は耳の聞こえない人や聞こえにくい人に、生活する上で必要な情報を伝える働きをする犬です。家の中で一緒に生活をしながら、インターフォンや目覚まし時計、お風呂が沸いたことを知らせる音などを聞いてユーザーに知らせに行きます。
もちろん、非常ベルや火災報知機、車のクラクションなど安全を守る音を知らせることもしますし、赤ちゃんが泣いている声などを知らせることもあります。
介助犬
介助犬は手足など身体が不自由な人の生活をサポートする働きをする犬です。ドアを開ける、物を拾うといった動作を代わりに行ったり、支えとなってユーザーの立ち上がりをサポートすることなどもあります。
物を口で取る時には、噛む場所や噛む力加減などをしっかりと調整しながら行うなど、非常に優れた働きが見られますが、日本ではまだあまり多く育成されていないのが現状です。
②日本の安全を守る犬
警察犬
盲導犬と並び、日本で特に有名な使役犬が警察犬です。警察犬は、事件や事故現場の遺留物に残るにおいから犯人を追跡したり、行方不明者の捜索を行ったりします。
警察犬としてはシェパードやドーベルマン、ラブラドールレトリバーなどの大型犬が多いものの、最近ではチワワなどの小型犬が試験に合格したこともニュースなどで広く取り上げられています。
空港探知犬
海外から届いた荷物や運び込まれた荷物の中に、麻薬などの違法物や伝染病の原因となる動植物が混ざっていないかを探知する使役犬です。ビーグルなど特に嗅覚に優れた犬種が多く、荷物のにおいを嗅いで、中に不審物が入っていないか探知するのです。
③牧羊・牧畜を行う犬
日本ではあまり見かける機会がないかもしれませんが、牧場に放牧されている羊や牛などの家畜を誘導または警護する役割をするのが牧羊・牧畜犬です。ボーダーコリーやウェルシュコーギー、シェットランドシープドッグなどは、牧羊・牧畜犬種として知られています。
羊飼いなどが声や笛、ハンドシグナルで犬に合図を送り、それに従って犬たちが家畜をまとめます。離れた場所からの指示に従う必要があり、人とコミュニケーションをしっかりと取れなければなりません。また、群れが崩れたときなどの対応を含め、犬自身の判断力や決断力が求められることもあります。
④人を癒す仕事をする犬
病院や介護施設などを訪問するセラピードッグや、病院に常駐するファシリティドッグは、人の心を癒す働きをする使役犬です。特に長期入院をしている患者や大きな手術を控えた子どもなどに寄り添うファシリティドッグは、高度な訓練が必要なため、日本ではまだわずかな頭数しかいません。
まとめ
元々多くの犬種は、様々な仕事をするために作り出されてきました。また、犬種の特性や体格などを含めた適正を見て、最適だと思われる仕事を与えられてきました。そして、そのほとんどが人間と一緒に取り組む共同作業です。お互いを信頼して、十分にコミュニーションを取り、協力し合うことで結果を出すのです。
ここで紹介した盲導犬や警察犬などの有名な使役犬以外にも、災害救助犬や警備犬、爆発物探知犬、ガン探知犬、猟犬、そり犬など色々な種類があります。
本能や能力を生かして仕事をすることは、犬にとって大変ではありながらも幸せなことだと思います。家庭犬でも、遊びやしつけを通して犬の本能を満たすような関わり方をしてあげると、より充実した毎日になることでしょう。
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20代 男性 匿名