忠犬ハチ公ってどんな犬?その活躍や世界の忠犬のエピソードとは

忠犬ハチ公ってどんな犬?その活躍や世界の忠犬のエピソードとは

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忠犬と言えば渋谷駅の待ち合わせ場所として使われる「忠犬ハチ公像」が有名ですよね。忠犬ハチ公とは一体どのような犬で、どのような活躍をしたのでしょうか。今回の記事では、忠犬ハチ公のエピソードの他、忠犬と呼ばれた国内外の犬の活躍をご紹介します。

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忠犬の意味

花の中の秋田犬

忠犬とは「飼い主に忠実な犬、忠義な犬」「飼い主によく尽くす犬」という意味です。様々な辞書では「忠犬ハチ公」というように、忠犬の代表としてハチの名前を挙げています。ちなみにハチ公の「公」は、昔からペットへの愛称として用いられてきました。忠犬ハチ公とはどのような犬なのでしょうか。また、忠犬と呼ばれる犬にはどのようなエピソードがあるのでしょうか。

忠犬ハチ公とは

忠犬ハチ公銅像

忠犬ハチ公のエピソード

忠犬ハチ公とは、飼い主の死後も渋谷駅で主人を待ち続けた犬のことです。大正12年11月に生まれたハチは、生後間もない頃に東京渋谷区に住む上野英三郎という大学教授に引き取られました。上野博士はハチを大変可愛がり、外出のときにはハチを伴うことが多かったとされています。

生活を共にして1年余りが経ったある日、いつものようにハチに見送られて仕事に行った上野博士は、大学の講演中に脳溢血で倒れ急死してしまいます。ハチは通夜と葬儀の間食事を一切口にせず、その状態がしばらく続いたそうです。博士の死後、他の飼い主に引き取られてからも、ハチは毎日700~800メートル離れた上野邸を経由して渋谷駅へと向かい上野博士を待ち続けます。

日本犬保存会初代会長の斎藤弘吉がハチの姿を新聞に寄稿したことでハチの存在は広く知られることとなり、その姿に多くの人が感銘を受けます。忠犬として有名となったハチは「ハチ公」と呼ばれて可愛がられ、渋谷駅にはハチの銅像が建てられました。

ハチの話は国内では「ハチ公物語」、ハリウッドでは「HACHI 約束の犬」として映画化された他、多くの書籍としても出版され世界中に広まっています。

忠犬ハチ公の犬種

忠犬ハチ公の犬種は、日本古来の在来種であり天然記念物にも指定されている秋田犬です。秋田犬は古くから猟犬として活躍しており、警戒心が強いため他の犬に吠えることはあるものの、飼い主には従順な性格であるとされています。実際、ハチは飼い主である上野博士を慕っており、他の子犬や人間にも吠えるというようなことはなかったようです。

忠犬ハチ公の像やイベント

現在「ハチ公前」として待ち合わせに利用される渋谷駅のハチの銅像は、昭和9年4月に完成してハチ自身も除幕式に参加しています。また、ハチの生まれ故郷である秋田県大館市では、ハチが亡くなった後の昭和10年7月に大館駅に忠犬ハチ公の銅像が建設されました。渋谷駅のハチ公像は野犬に噛まれたハチの姿を再現して左耳が垂れ下がっていますが、大館駅のハチ公像は耳がピンと立っているのが特徴です。

その他、上野博士の生誕地である三重県津市では久居駅前に上野博士とハチが一対となった銅像が設置されるなど、ハチゆかりの地では銅像や石碑が設置されています。また、大館市では5月にハチ公慰霊祭が、10月にハチ公生誕祭が行われています。

ハチ公以外の忠犬

シェパード

忠犬タマ公

新潟五泉市の猟師の家に生まれた柴犬のタマは、猟犬として飼い主の刈田さんといつも一緒に過ごしていました。昭和9年2月、友人とタマとともに狩りに出かけた刈田さんは、雪崩に巻き込まれ雪に埋もれてしまいます。身動きがとれない中懸命にタマに呼び続けると、その声に応えるようにしてタマは雪を掘り続け、刈田さんは脱出することができました。

さらに、刈田さんは昭和11年1月にもタマに助けられることになります。タマと一緒に近所の人たちと山にムジナを狩りに行ったとき、急に足下から雪崩が起きて重い雪の下に埋もれてしまいました。意識が遠くなり死を覚悟したとき、再びタマが雪を掘ってくれたことで九死に一生を得ることができたそうです。

勇敢な行動によって飼い主の命を2度も救ったタマは忠犬として褒めたたえられ、町の英雄となって現在も新潟の人たちに語り継がれています。

消防犬ぶん公

歴史の古い港町である北海道小樽市は、木造家屋が多く火災に弱い町でした。大正3年の春、焼け跡から1匹の子犬が発見されます。消防隊員たちは引き取り手がいないこの子犬を連れ帰り、白の中に茶色のブチがあることから自然と「ブン公」と呼ぶようになったそうです。

消防車の車庫をねぐらとして消防組に住み着いたブン公は非常に賢い犬で、点呼の際に最後に「ワン!」と答え、「敬礼」の号令で右の前足を耳のところまで上げていたなどのエピソードがあります。

火災出動のベルが鳴ると消防車に一番に乗って隊員と一緒に出動していたブン公の出動回数は1000回以上になると言われ、忠犬としてだけでなく、全国で唯一の消防犬として新聞やラジオ、雑誌などで全国的に有名になりました。ブン公の死後は、功績を伝えるために記念碑が建設されたり、剥製が小樽市総合博物館に展示されたりしています。

盲導犬サーブ

盲導犬として訓練を受けたサーブは、マッサージ治療院を営む亀山さんのパートナーとして過ごしていました。昭和57年1月、雪で暴走したトラックが亀山さんに追突しそうになったとき、サーブはハーネスを振り切って亀山さんを庇い、左前足を失う大ケガをしてしまいます。サーブに守られた亀山さんは軽傷で済んだそうです。

この事故がきっかけとなって「盲導犬は視覚障がい者の身体の一部である」と理解されるようになり、事故に遭った盲導犬にも保険が適用される、公共施設に同伴できるなどの法律の制定にもつながりました。忠犬サーブの活躍は本にまとめられて出版されただけでなく、昭和60年にはアメリカテキサス州から「名誉州犬」の称号を受け、同年9月には当時の内閣総理大臣から功労賞を授賞されています。

忠犬シロ

シロは定六というマタギの飼い犬で、いつも狩猟に同行していました。あるときカモシカを追って三戸城の近くまで行った定六とシロは、領内での発砲の罪で役人に捉えられてしまいます。その際に定六は他の領内や寺社内でも猟が認められる狩猟免状を出そうとしますが、その日に限って家に忘れてしまっていました。投獄された定六はシロに免状を取って来るよう指示します。

妻は戻ってきたシロがなぜ吠えているのかが理解できず、シロが再び定六のもとへ行って再び帰ってきたところでやっと免状の存在を思い出します。急いで免状をシロの首にくくりつけますが、シロが定六のもとに着いたときには既に定六が処刑された後でした。

10幾里も離れた飼い主のもとに休むことなく何度も向かった忠犬シロの悲話を、地域の人々は長く語り伝えました。シロを祀っている秋田県大館市にある老犬神社には、物語に登場する狩猟免状などが今も残されています。

世界の忠犬のエピソード

盲導犬と男性

珍島犬ペック(韓国)

韓国で天然記念物指定を受けている珍島犬ペックは、珍島(チンド)でおばあさんと孫娘に愛されて幸せに暮らしていました。しかし、生活苦を理由におばあさんの息子によって300キロメートル離れた家に売られてしまいます。新しい裕福な家でも高い資質を評価され可愛がられていたペックでしたが、おばあさんと孫娘のことが忘れられません。ペックは元の家を目指して出発し、途中様々な困難や挫折に遭遇しながらも300キロメートルの道のりを7カ月かけて、必死の思いで2人のもとにたどり着くことができました。

韓国ではこの実話を基に書かれた児童書がロングセラーとなります。日本でも『帰ってきた珍島犬ペック』という書籍が販売され、韓国版忠犬ハチ公物語として話題を呼びました。

盲導犬ローゼル(アメリカ)

アメリカ同時多発テロが発生した日、全盲のマイケル・ヒングソンは世界貿易センタービルの78階で働いていました。旅客機が追突して身の危険を感じたマイケルはすぐさま盲導犬ローゼルに避難の指示を出しますが、エレベーターは止まり階段で降りるしか方法はありません。ローゼルは周囲の人がパニックに陥る中、冷静にマイケルを誘導します。

盲導犬であるローゼルにとって、本来ならば飼い主であるマイケルの命令は絶対です。しかしこの時は、途中で休もうとする飼い主をとにかく急かし、地上についてからもその場に留まろうとするマイケルを離れた場所まで誘導するなど、2度も命令を無視しました。

ビルから2ブロックほど離れたとき、タワーはついに崩壊します。絶対である飼い主の命令を無視してマイケルの命を救った忠犬ローゼルは、引退後も特例としてマイケルのもとで過ごし、テロの10年後にその生涯を終えたとされています。

グレーフライアーズ・ボビー(スコットランド)

庭師であったジョン・グレーはエディンバラ市警の夜警として勤務することになり、巡回時には必ず飼い犬のボビーと行動を共にしていました。しかし、グレーは2年後に結核により45歳という若さで亡くなってしまいます。

当時教会は神聖な土地であるとされていたためにペットの墓地への立ち入りは禁止されていましたが、グレーとの夜警で墓地の門が開く時間を覚えていたボビーは10時の開門に合わせて墓地に入り込み、毎晩グレーの墓に寄り添っていたそうです。

ボビーはグレーが亡くなってから自分が亡くなるまでの14年もの間、グレーの墓に寄り添い続け、その姿は人々の心を打ちました。忠犬ボビーはグレーと同じ墓に入ることはできませんでしたが、グレーの墓にほど近い、墓地の門のすぐ外側に埋葬されることになります。死の翌年には、彼を偲んで小さな銅像が建てられました。

まとめ

伏せする秋田犬

ハチ公を始めとして日本国内や世界には多くの忠犬が存在しており、それぞれのエピソードではさまざまな忠犬と飼い主との絆が描かれていました。犬と飼い主との信頼関係が鍵となるこれらのお話は、自らの愛犬との関係や付き合い方を見つめなおすきっかけにもなるのではないでしょうか。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 匿名

    犬とは本当に忠誠心の塊だと思います!
    人間の心に沿いそして飼い主に
    忠実で有ると信じています!
    安らかに眠って欲しい!
  • 投稿者

    女性 大豆が主食

    ヘーベルハウス劇場まんが日本昔話で、「さだ六としろ」を見ました。
    話が違っていて、アオシシの親だけでなく子も撃ち殺したさだ六は後悔しながら捕まり、シロの助けも間に合わず虫けらのように役人に殺された話で終わっていました。他サイトで調べると、さだ六を殺した役人もその後震災で全員死んだとのこと。
    暗く悲しい話だが教訓は、犬の見事な忠誠心と言う点だけでなく、なぜこんなことになってしまったのか?
    動物を殺すという行為、そしてその罰を受けたかのように殺されるさだ六。シロも追って死ぬ。そして殺した役人も死ぬ。
    呪いが続く。その元をたどれば殺傷。
    殺しは罰が当たると言うことだと思いました。巻き込まれた形の純粋なシロ。可愛そう。
  • 投稿者

    女性 sadami

    犬の物語というと、やはり「忠犬ハチ公」や「タローとジロー」などが思い浮かびます。他に犬が出てくる実話はそんなに無いのではないでしょうか?今回の記事の「シロ」は初めて聞きました。老犬神社というものも知らなかったので、興味深く読ませていただきました。狩猟免状のことで昔は処刑までされるなんて驚きです。また、たまたまその日は狩猟免状を持っていなく、発砲したという罪で処刑されてしまうなんて、私が妻だったらやりきれません・・・。また、シロが引っ越した後、人に見つからないようにと身を隠し、その後白骨化した死骸が見つかったなんて、切なくて悲しいですね。実話とのことですが、とても悲しくなりました。シロもハチ公に並んで忠義心の強い犬ですね。しかし、この話を知っているという方は少なそうなので、もっと広めていければと思います。
  • 投稿者

    40代 女性 こたママ

    「定六とシロ」のお話も老犬神社についても初めて知りました。マタギであれば、いつも一緒に仕事をして、生活をして、普通の家庭犬とは違う深く強い絆のようなものが二人の間にできていたのでしょうね。こういったお話はどれくらいまでが史実なのかわからないですが、深い絆でつながれてたマタギとその相棒である犬がいたというのは事実なのだと信じたいです。きっと日本各地、世界でこうした犬と人間の絆を感じられる出来事がひっそりと起きているんではないかな?とも思います。犬を祀る神社にはいったことがあり愛犬用のお守りも売っていたりして素晴らしい場所だったので、少し遠いですが旅行などで機会があればこちらにも行ってみたいと思いました。
  • 投稿者

    40代 女性 匿名

    地元大館市の者です。水戸城ではなく、今の岩手県の三戸領ですね。
    老犬神社のある葛原地区に住んでる人の話では、今も犬を粗末に扱うな、大切にしろと教えているそうです。
  • 投稿者

    30代 女性 匿名

    地元だったので、老犬神社に参拝しに行ってきました。今の時期は駐車場から社まで歩いて5分ほどだと思うんですが、山の中なので熊と遭遇しないように工夫しながら歩いていかなければなりません!
    社内の参拝した方のノートには他県や海外から来られた方の署名がありました!
    人間と犬の悲しくも強い絆の物語をもっと多くの方に参拝して感じていただけたらなと思いました!
    匿名の投稿画像
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