犬がケージに入らない時、無理やりしてはいけないNG行為3選

犬がケージに入らない時、無理やりしてはいけないNG行為3選

「ケージ」は、犬を家庭で飼育する際に必要な「ハウストレーニング」には欠かせません。けれども、ケージの中で大人しく過ごせるようにするのがゴールですが、それがなかなか難しく、ケージに入るのを嫌がる、ケージから出してほしくて吠えたり暴れたりする犬もいるでしょう。出来れば、犬にも飼い主さんにもあまりストレスにならずに「ハウストレーニング」を進めていくために、愛犬に無理やりしてはいけないNG行為についてご紹介したいと思います!

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬がケージに入りたくない理由

ビーグル

怖いから

もともと、「犬は狭くて暗い場所を好む」という習性があります。だから、ケージの中にも喜んで入るはず…とは簡単にはいきません。なぜなら、犬が狭くて暗い場所を好むのは、そこが自分が身を隠すことが出来、な安全に過ごせる場所だからです。

何もわからないまま、閉じ込められて獣医さんに連れていかれて怖い思いをしたり、車に酔ったりすると、「ケージの中は嫌だ、怖い」という印象が犬の記憶の中に根付いてしまい、ケージに入るのを嫌がるようになります。

不安になるから

ハウストレーニングのゴールは、側に飼い主さんがいなくても、ケージの中に入っていればいつまでも大人しく過ごせるようになることです。それは、「ここは安全な場所だ」「飼い主さんが必ず出してくれる」という絶対的な安心感、信頼感があるからこそ騒がずに静かに落ち着いていられるのです。

ケージに入らない、あるいは入っても飼い主さんを呼んで鳴いたり、吠えたりするのは、「ここは安心できる場所ではない」、「飼い主さんのそばにいられない」など不安を感じているからです。

また、ケージに全然入ったことがなく家の中で自由にしていた犬を、急にケージの中で過ごしてもらおうとしても、それまでできていた縄張りの見回り(家の中をウロウロし周囲の状況に警戒する)ができなくなってしまうので不安となり、ケージに入ることを嫌がるでしょう。飼い主さんが在宅の時はいつも犬がそばにくっついている、という場合にも「ケージに入る=飼い主さんと離れる」となってしまい、犬が不安を感じることになるでしょう。

居心地が悪いから

ケージの中が犬にとって窮屈だったり、なにかイヤなニオイがしていたり、床がかたかったり冷たかったり、犬にとって居心地の悪い要因があるとケージに入るのを嫌がるかも知れません。

犬がケージに入らない時、無理やりしてはいけないNG行為3選

ケージに入っている犬

1.悪いことをした時に閉じ込める場所にしない

犬は、とても記憶力のいい動物です。嬉しいこと、楽しいことだけでなく、嫌なことや怖いことについても、深く、長く記憶します。また犬だけではなく一般的に動物は、良いことよりも嫌なこと、怖かったことの方が瞬時に記憶され、また強く長く記憶に残ります。

ですから、犬になにか罰を与える必要があった時に、「罰」としてケージの中に閉じ込めるという習慣ができてしまうと、「ケージ」=「飼い主さんに叱られた後に閉じ込められる嫌な場所」という認識になります。

人間の子どもには「反省する」という思考や行動があるため、罰として特定の場所にいさせて「反省する」「冷静になる」ことを促すことが出来ます。

けれども、どんなに利口な犬でも「狭いところに閉じ込められる」=「反省する」という行動は期待できません。ケージの中を、犬にとって「楽しく、安心できる場所」として認識させるには、罰を与える場所とならないような使い方をする必要があります。

2.無理やり押し込まない

愛犬が飼い主さんの指示に従わず、ケージに入らないからといって、無理やり押し込んだりしてはいけません。その嫌な体験が「ケージ」=「嫌なことをされた場所」として印象付けられてしまいます。

3.犬が嫌がる時にだけ使用しない

獣医さんに行く、ペットホテルに預けるなど、もし、愛犬が嫌がる場所に連れていく時だけケージに入れるという行為は、「ケージに入ったら嫌な場所に連れていかれる」ということを記憶させるだけで、ハウストレーニングの妨げになります。

犬がケージに入るようにする方法

格子ごしのパグ

「ケージに入るといいことがある」と教える

まず、なによりも「ケージに入れば楽しいことがある」という体験を、愛犬の記憶に刻み付けることが重要です。

ハウストレーニング中、ケージの中に自主的に入った時には心から褒めて、特別に「スペシャルに美味しい大好きなおやつ」を、必ずケージの中で与えます。そうして楽しい経験を積んでいくことで「ケージ」=「楽しい場所」としての記憶が蓄積されていきます。

段階を踏んで「ハウストレーニング」を進めていく

ハウストレーニングの方法については、この記事での詳しい説明は省略します。ただ、犬の性格や経験によって、ハウストレーニングには根気と忍耐が必要になることがあります。

最初は屋根を外してトレーニングする、犬がケージに入っても扉を閉めないなど、段階を踏みながら少しづつ、根気よく、継続してトレーニングを行いましょう。けれど、どうしても進展しない場合は、ドッグトレーナーさんや、犬の訓練士に相談しましょう。

普段の生活サイクルの中でケージを利用する

来客の時や外出の時だけ利用するのではなく、普段の車での移動時や眠る時、食事の時など、愛犬の生活サイクルの中でケージを利用する習慣をつけます。特にケージに入ってもらっている必要がなくても、ケージに入らせる時間を作ってもいいのです。ケージが愛犬にとって安全な場所、安心して休める場所になっていれば、扉を開けて(外して)おくと愛犬が自分からケージに入って休んだりするでしょう。愛犬が大人しく自分からケージに入って寛いでいる時は、なるべくそっと見守りましょう。

まとめ

ケージに入ってご機嫌なラブラドール

余談ですが、「ケージ」とは英語表記で「cage」。本来は「鳥かご、檻」を意味します。つまり、「クレート」「キャリー」「バリケン」「サークル」も「ケージ」です(サークルは大きさや使い方によってはケージとは言えないこともありますが)。

いずれにせよ、愛犬がケージの中で大人しく過ごせるようにするには、ケージの中が快適で、安心できる場所だと理解させることが重要です。もちろん、ケージの中がそのような環境になるように飼い主さんが整えてあげる必要はあります。一度、苦手意識や嫌悪感を持ってしまったら、その感情を払しょくするのは難しいことが多いでしょう。

けれども、根気良く、また、そのトレーニングの過程も飼い主さん自身が楽しみながら継続して下さい。大切なことは、決して怒らず、焦らず、諦めないことです。少しの変化や成長が見られたら、心から喜んで愛犬を褒めてあげましょう。そうすれば、きっと、ケージに入ることは良いことだ、と理解するようになるはずです。

ケージに安心して入っていられることは、災害時にも絶対必要なことですので、どんなわんちゃんにもハウストレーニングは行ってくださいね。

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