犬は老化のスピードが早い
いつまでも子供のように可愛い愛犬。見た目に大きな変化はなくても、確実に年を重ねています。そして、犬は人と比較すると非常に成長スピードが早い生き物。当然、老化のスピードも早いのです。
5歳からは中年期に入る準備を
一般的に犬のシニア期は小型犬と中型犬は10歳くらいからといわれ、大型犬は8歳くらいからといわれています。小型犬と中型犬の5歳は人間でいうと30代半ばほどとなり、大型犬だとすでに40代に突入しています。
30代半ばや40代は人間でも、体力や肌の衰えを感じ始め、「若いころとは違うな…」と年齢を気にし始めるころかと思います。
犬の老化現象が何歳から起こるかは個体差が大きいのですが、5歳を迎えたら「もうそれほど若くはない」と意識をしてもいいと思います。本格的なシニア期を迎える前に、「隠れ老化」のサインをチェックして健康を保てるケアをしてあげましょう。
犬の「隠れ老化」サイン5選!
1.鼻が乾燥しやすくなる
犬の鼻は濡れている方が健康的なイメージがあるかと思いますが、一概にそうとも言えないよう。若い犬でも乾燥の季節になると水分不足で鼻がカサカサになりますし、眠っているときは犬自身で鼻を舐めることがないので乾燥していることもあります。
しかし、初期の「隠れ老化」のサインとして鼻が乾燥してしまうことも。犬の鼻が濡れているのは、鼻の中の分泌腺から出ている分泌液で湿っているから。この分泌液が年齢を重ねることで量が減ることがあります。以前より鼻が乾燥しやすくなり、あまり濡れていることがなければ、「隠れ老化」のサインかもしれません。
2.皮膚が乾燥しやすく被毛がパサパサに
全身が被毛で覆われている犬。毛並みの変化で年齢を感じる飼い主さんもいらっしゃると思います。年齢を重ねることで新陳代謝が低下する、また血流が悪くなるなど、体の変化が起こります。それらが原因で皮膚や被毛に変化がみられることも多いのです。
皮膚からは水分や油分が減少し、徐々に弾力が失われ乾燥しやすくなるため、フケや抜け毛が増えます。被毛がパサつくのは皮膚に十分な水分や油分がないから。
そして、新陳代謝が衰え始めるため被毛の成長速度が遅くなります。抜け毛の量は増えているのに、被毛の成長速度は遅いため、被毛が薄くなったと感じることもあるよう。皮膚が乾燥しているため、痒みや荒れなどトラブルを起こしやすくなることもあります。
3.イボができる
イボはウイルスが原因になったり、皮膚の細胞の分裂が何らかの原因で異常を起こしたりすることで発生します。
イボには良性と悪性があるので、できてしまったら一度獣医さんに診てもらうことをお勧めします。良性のイボであれば、経過観察が多いよう。悪性のイボは出血や炎症を起こし、少しずつ大きくなるという特徴があります。適切な処置が必要なので早めに動物病院で診察してもらいましょう。
4.歩くスピードが落ちてくる
シニア期ではないものの、年齢のせいで疲れやすくなってしまう子も少なくありません。筋力が衰え歩くスピードがゆっくりになり、お散歩も長い距離は好まなくなるケースも。お散歩の途中で抱っこを頻繁にせがむようになったら疲れているサインかも。無理は禁物ですが、筋力が衰えすぎないよう、気をつけてお散歩しましょう。
5.遊ばなくなる
あまり遊ばなくなるのも「隠れ老化」のサインのひとつ。少しずつ体力が低下してくるのも原因のひとつですが、年齢とともに好奇心が薄れ、オモチャ遊びなどに興味を示さなくななるようです。新しい刺激として「トリック」を教えてあげるのがオススメ。
「トリック」とは「芸」のこと。難しい芸ではなく簡単なものでも、愛犬とのコミュニケーションになりますし、脳への刺激にもなり認知症予防にも繋がります。「おて」や「おかわり」など、教えていない方はぜひチャレンジしてみてください。
今まで行ったことがない場所に連れて行ってあげるのも新しい刺激になります。かえって疲れることもありますので、最初は短時間で様子を見ながらにしましょう。
まとめ
犬の中年期といえば、まだまだ元気いっぱいなワンちゃんもとても多いですよね。見た目にも若々しく、老化とは無縁に感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、気を付けて毎日しっかり愛犬の行動や体調の変化など見ていると、「年齢なりの行動」や「若いころとは違う行動」が発見されるかもしれません。見た目はあまり変わらなくても、心も体も良い意味で年相応に成長しているはず。年齢に合わせたケアを心がけましょう。