犬が夜に吠えてしまう原因6選!どんな理由があるの?やめさせるには?

犬が夜に吠えてしまう原因6選!どんな理由があるの?やめさせるには?

犬はなんの理由もなく吠えることはありません。もし、愛犬が夜中に吠えることで飼い主さんを悩ませているのなら、夜中に吠える原因を探ってみましょう。そうすれば、必ず夜に吠えてしまう、という問題行動を解決する糸口が見つかるはずです。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

子犬が夜に吠えてしまうときの原因とやめさせる方法

こちらを見上げて鳴くハスキー犬

子犬が夜に吠えてしまうときの原因

  • 怖いから、不安だから
  • 寂しいから、飼い主さんに来て欲しいから

子犬が夜に吠えてしまうのをやめさせる方法

親犬や兄弟から離れて、馴染みのない場所に連れていかれ、見たこともない人や動物がいる環境にいる子犬が、最初から落ち着いて眠れるはずがありません。まず、ご家庭で「犬が夜に寝る場所についてのルール」を明確にします。

例えば、ずっと飼い主さんと一緒に布団やベッドで寝かせる予定であれば、初日から一緒に寝ても良いかもしれません。ただし、寝ている間に飼い主さんが子犬の上にのしかかったり、子犬がベッドから落ちてしまったりしないように気をつけましょう。

しかし、基本的に夜はクレートの中で寝かせるのであれば、最初から夜は子犬をクレートの中に入れるようにします。もし子犬が不安がって吠えたり落ち着きのない様子を見せ、飼い主さんが近くにいると安心して落ち着くようであれば、子犬から見える場所で飼い主さんも一緒に休むのも良いでしょう。そして、徐々に飼い主さんとクレートの距離を伸ばしていき、飼い主さんが近くにいなくてもクレートで安心して過ごせるようにします。

暗い部屋を怖がるのなら常夜灯を灯したまま寝るようにし、とにかく最初は子犬が孤独、不安を感じず、「飼い主さんが側にいる」と安心できる環境を作ってあげます。また場合によっては、子犬が吠えて呼んでも飼い主さんは来ないと学ばせ、諦めることを教える必要があることもあるでしょう。

子犬の不安や寂しさからくる夜泣きが治まると同時に、新しい家族との生活リズムも身についてくるでしょう。

成犬が夜に吠えてしまう原因とやめさせる方法

ドッグランで遠吠えをしているグレーの犬

成犬が夜に吠えてしまう原因

  • 警戒
  • 欲求を訴えている

成犬が夜中に吠えてしまうのをやめさせる方法

「警戒」で犬が吠えるのは、根底に「恐怖」があります。自分に危害を及ぼすかもしれない、得体のしれないものに対する恐怖で犬の精神状態は興奮して張り詰めています。これは夜中だけではなく昼間に吠える時にも当てはまる場合があります。特に、外で飼われている犬や外がよく見えたり外からの物音がよく聞こえる場所にいる犬に多く見られるケースでしょう。

犬が何かを警戒して、また警戒している対象に威嚇して激しく吠えているのなら、「吠える」のを止めさせるために叱るのではなく、警戒や威嚇している対象をなくす、見えないようにすることが最も重要です。そして、犬の精神状態を落ち着かせましょう。犬が吠えている時に「うるさい!静かにして!」などと大きな声で言っても、何の意味もありません。

また、「マテ」と指示を出し、その指示に従えばご褒美がもらえる…と理解していたなら、警戒心から吠える前に「マテ」と指示を出して従わせ、対象物から意識を逸らせることで「吠える」という行動を制止することができます。

また、「欲求を訴えている」時は、例えば外飼いの場合、外にいることで「寒いから眠れない」「排泄物が近くにあって嫌だ」、あるいは室内飼いでも「水が飲めなくて喉が渇いた」など、飼い主さんに何か訴えたいことがあって吠えていることがあります。まずは、安心して心地よく眠れる環境を整えてあげましょう。

シニア犬が夜中に吠えるときの原因

  • 認知症の症状として
  • 体に痛みがあるから、思うようにできないことがあるから

シニア犬が夜に吠えるときの解決法

目も見えにくく、耳も聞こえなくなり、昼も夜も区別がない…という状態になったら、きっと私たち人間も不安で心細くなり、誰かの助けを借りたくなるでしょう。

シニア期の犬で、すでに認知症の症状として夜泣きが出ているのなら、まず動物病院に相談しましょう。症状の軽減を期待できるサプリメントや食事もあります。また、飼い主さんが側にいて触れてあげることで犬が落ち着くのであれば、できる限り優しく体に触れて、安心させるのも良いでしょう。また、昼間はできるだけ起きているように生活リズムを整え、たとえ歩けなくてもカートに乗せたり、抱いて外へ出て、太陽の光を浴びたりする時間を作ります。
また、もしも悲鳴のような鳴き声を断続的に上げているのなら、体の一部にひどく痛みを感じる場所があることが考えられます。できるだけ早いうちに獣医さんの診察を受けて、痛みを緩和してあげましょう。

若いころは、問題なく一人でトイレに行けたりお気に入りのベッドに移動できていても、年をとってできなくなり、吠えて飼い主さんを呼ぶこともあります。夜中に限らず、シニア犬の場合には、昔はできていても今はできなくなっている、難しくなっていることはないか、チェックしてあげましょう。

犬が夜に吠えないようにするためには?

吠えているポメラニアンの横顔

理由なく吠える犬はいない

まず、飼い主さんの心に留めておいていただきたいのは、「理由なく鳴く犬はいない」ということです。闇雲に叱りつけるだけでは、何の解決にもならないばかりか、吠えることを助長してしまいかねません。

まず、「うるさい犬を黙らせなくては」などと荒ぶった気持ちを持たずに、「必ず原因があるのだから、それを見つけて取り除こう」と落ち着いて考えるようにしましょう。

吠える理由を突き止める

まず、愛犬の性格を一番よくご存じなのは飼い主さん自身です。飼い主さんは誰よりも、愛犬が何を怖がり、何を心地よいと感じ、どんな状況なら安心して落ち着いていられるのかを知っているはずです。どんな時に吠えるのか、よく観察し、吠える原因を突き止めてください。

鳴き声の違いに気づく

犬は、言葉で私たち人間に自分の考えを伝えることができません。けれども、確かに私たち飼い主と愛犬は心が通じ合っている、と感じる瞬間があります。それは、私たち人間は犬の鳴き声や仕草、目の動き、息遣いなどから犬の感情を察し、犬は私たちの顔の表情、声の高低、大きさなどから私たちの感情を察することができるからです。

注意深く犬の吠える声を聞いていると、「警戒している」「怖がっている」「甘えている」「要求している」とそれぞれに違いがあることがわかります。犬の鳴き声に込められた感情、意味を聞き分けることができれば、なぜ、愛犬が吠えているのかを突き止める助けになります。そして、原因がわかればその原因を取り除く、あるいは問題を解消するためにしっかりと対処することで、「夜に犬が吠えてしまう」という問題行動を解決できるようになります。

まとめ

愛犬を抱きしめる女性

犬は、何の理由もなく吠えたてることはありません。もし、愛犬の吠える声でご近所トラブルになって困っている…という場合には、早く吠えることをやめさせたいと思い、とりあえず吠えるのをやめさせることだけに気がいってしまうと思いますが、根本的に解決するためには原因を突き止めて対処する必要があります。

犬が吠える、と言うのは病気の症状でなければ絶対に何かの意思表示です。落ち着いて、愛犬の様子をしっかりと観察し、鳴き声を聞き分け、吠えている理由を理解してあげることは愛犬にとっても必要なことでしょう。

「なぜ、吠えるんだろう?吠えることで、このコは私たちに何を伝えようとしているんだろう?」という愛情ある探求心を以て愛犬と向き合えば、愛犬の「吠えてしまう」と言う行為の原因となっている感情や出来事を理解できるようになるはずです。

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