1.寒さに弱い犬
犬が洋服を着ている姿を見た人のなかには「おしゃれのために服を着せて可哀想」「犬は毛がたくさんあるから服を着なくても寒くないのに……」と批判する人が少なからずいますが、犬に洋服を着せるときはおしゃれのためだけに着せているのではなく、むしろそれ以外の効果を得るために犬に服を着せることが多いといえます。
飼い主が愛犬に服を着せる理由で最も多いのが『防寒対策』です。先ほどもお伝えしましたが、犬は毛がたくさん生えているので寒さに強いと思っている人はたくさんいるそうです。ですが実際には寒さに強いかどうかは犬種によって異なるといえます。
体の小さな犬種や短い毛をもつ犬種、保温効果のある下毛が少ないシングルコートの犬種などは、寒さに弱いため気温が低くなる冬は服を着せてあげる方が良い場合もあります。例えば、マルチーズやトイプードル、ヨークシャーテリアやチワワ、パグといった犬種は寒さに弱い犬種となるので寒い時期は防寒対策として洋服を着せてあげることをおススメします。
2.暑さに弱い犬
基本的に犬に洋服を着せるときは寒さ対策をするために着せる場合がほとんどだと思いますが、実は暑さ対策のために洋服を着せることも珍しくありません。例えば暑さに弱い犬に暑さ対策ができるヒンヤリ素材を使った洋服を着せたり、保冷剤を入れられる洋服を着せて苦手な夏を快適に過ごさせるといった感じです。
犬は犬種にかかわらず暑さに弱く、特にパグやシーズー、ダックスフンド、毛の生え変わりの時期にたくさん毛が抜けるダブルコートの犬種(柴犬やゴールデンレトリーバー、コーギーなど)は気温の高い日本の夏がかなり苦手といえます。
一見暑い夏に洋服を着せるのは可哀想に思えるかもしれません。しかし、犬に暑さ対策効果のある洋服を着せてあげると直射日光が体に触れるのを防いで暑さを和らげることができますし、体がひんやり感のある生地や保冷剤に触れることで体温の上昇を防ぐことができるので暑さ対策の効果が期待できるといえるでしょう。
3.体温調節が苦手な犬
歳をとってシニア犬になると体のさまざまな機能が低下して体温調節が上手くできなくなることがあります。また、病気を発症している犬も同じように体内の機能が低下した結果、体温調節しにくくなることがあるそうです。
そういった犬は寒い時期になると自分で体温を調節できないことが多く、体調を崩しやすくなってしまうそうです。ですので、シニア犬や病気で体が弱まっている犬は肌寒くなってきたら洋服を着せてあげることが大切になるといえるでしょう。
4.皮膚トラブルが起こりやすい犬
犬の洋服には皮膚を守るための役割もあったりします。服を着せることで太陽の紫外線から皮膚を守ることができますし、ダニやノミ、寄生虫などが体にくっつきにくくすることができるといえるでしょう。
特に皮膚トラブルを起こしやすい犬……、例えばアトピー性皮膚炎になりやすい犬種(ダルメシアンやゴールデンレトリーバー、ミニチュアシュナウザーやホワイトテリアなど)はダニやノミが体についたり草木や花粉が体に触れたりすることで皮膚トラブルを起こしやすいといわれていますので、外に出かけるときは洋服を着せてあげると皮膚トラブルの原因を少なからず取り除くことができるといえます。
また、短毛の犬は強い日差しを浴びると皮膚に直接ダメージを受けてしまい皮膚炎を起こしやすくなるので、洋服を着せて直接日差しを浴びないように対策してあげることをおススメします。
5.人がたくさんいる場所に出かける可能性のあるダブルコートの犬
犬の洋服は暑さ対策もしくは寒さ対策以外にも役割があります。それは『抜け毛対策』です。ダブルコートの犬種(2種類の毛をもつ犬)は毛が生え変わる時期になると、保温効果のある下毛がたくさん抜けて落ちてしまいます。
ですので、毛の生え変わりの時期にそのまま愛犬とお出かけすると色々な場所で毛が抜け落ちてしまうことになります。しかし、あらかじめ洋服を着せておくと洋服の中で毛が抜けることになるので、辺りに抜け毛が落ちにくくなり周りに迷惑をかけにくくなるといえます。
私たち犬好きは犬の抜け毛を見ても特に不快に感じることは少ないと思いますが、世界には犬が苦手な人や嫌いな人もいますので、愛犬と一緒に人が多い場所にお出かけするときは周りに迷惑をかけないよう洋服を着せて抜け毛対策をした方が良いといえるかもしれませんね。
まとめ
犬の洋服にはおしゃれ以外に『寒さ対策・暑さ対策』『皮膚を保護する』『抜け毛対策ができる』といった効果があります。普段は積極的に服を着せる必要はないといえますが、愛犬が気温に敏感だったりや皮膚トラブルになりやすい。たくさん毛が抜けるから周りに迷惑をかけないか心配。といった悩みがあるのでしたら、洋服を着せて問題が改善されるか試してみると良いかもしれませんね。