飼い主がすべきこと①治療やサポートの方針を決める
愛犬に末期ガンが見つかった場合、まず今後どのような治療を行っていくか、どの程度まで医療のサポート受けるかということをかかりつけの医師と相談するようにしましょう。
基本的に末期ガンとなった場合は進行を止めるなどガンそのものの根治治療はあまり行われないことが多いようです。もちろん、症状や状態、飼い主の希望にもよりますがガン治療を行って延命するよりも、今犬が感じている痛みや苦痛を軽くし、残された時間を少しでも快適に過ごすことが出来るように緩和治療を行う選択をする人が多いとされています。
QOL(クオリティー・オブ・ライフ)=生活の質を高めるため、投薬などで痛みを抑えて食欲や免疫力を向上させ、日々の生活で苦痛を感じることが少なくなるような治療や医療サポートを行います。
末期ガンで体力が落ちていると、免疫力も下がりちょっとしたことで風邪をひいて悪化するなど別の病気で苦しむことも考えられます。そうしたことを防ぐために、食事やサプリメント、ハーブ、マッサージなどさまざまな方面から犬の体調管理を行うことが大切になってきます。
また、病状が一気に進み、愛犬が激しい痛みや苦しみを感じている時にどのような選択をするかということも考えておきましょう。回復の見込みはなく、痙攣や発作をくり返し苦しんでいる場合、麻酔や薬で命をつなぐか安楽死に踏み切るか…。
愛犬を想う選択であれば、そこに正解も間違いもないでしょう。しかし安楽死を選択することは飼い主の心に大きな負担をかけることがあります。じっくり時間をかけて考えておくようにしましょう。
飼い主がすべきこと②スキンシップを増やす
末期ガンを宣告されたら、残された時間で出来る限りのスキンシップとコミュニケーションを取るようにしてください。大好きな飼い主さんとのスキンシップは、犬の心身をケアするためにとても大きな役割を果たします。病気そのものを治す力はなくても、優しく触れられることで苦痛が癒され免疫力や体力が回復することが考えられます。そして何より、思うように動けないことや痛みを感じるストレスが緩和されて、心が安らぐはずです。
スキンシップだけでなく、こまめな声掛けをしていつでも見守っているということやそばにいるということを伝えることも大切です。ただし、犬がぐっすりと眠っているときは、無理にコミュニケーションを取ろうとせずゆっくりと体を休める時間も作ってあげるようにしてくださいね。
飼い主がすべきこと③後悔のないよう思い出を作る
犬が末期ガンと宣告されて一緒に過ごす時間があまり残されていないことがわかったら、愛犬を失った後に後悔が残らないよう思い出をたくさん作っておくことをおすすめします。
もちろん、どんどん色々なところにお出かけするなどということは犬の体力を考えればむずかしいかもしれません。犬の気力や体力に合わせることが絶対条件ですが、部屋の中で寝たきりにするよりも少しでも外の空気を感じたり、土や草の感触を楽しんだりすることで心が元気になることもあります。
抱っこをしたりカートに乗せたりして、自然を感じられるようなところにほんの数分でも出かけると思わぬ愛犬の表情や姿が見られるかもしれません。
また、これまでは控えていた嗜好性の高い食べ物などを与えるなど、日常の中で楽しみを作ってあげるのもいいでしょう。そして、そんな様子を写真や動画で撮るなど愛犬との思い出を出来る限りたくさん残しておきましょう。
まとめ
長い間ガン治療をしながら進行した場合だけでなく、突然愛犬に末期ガンが見つかるということもめずらしくありません。ガンが出来る場所によっても異なりますが、体調の異変を訴えることの少ない犬の場合、気がついたときには病状がかなり進行しているということは多く見られるのです。
突然愛犬の末期ガンを宣告されると、驚きやショックで放心状態になったりパニックに陥ったりすることもあると思います。現在はありとあらゆる情報がインターネット上にあふれており、犬の病気や治療に関しても同様のことが言えます。
しかし、中には専門家であれば首をかしげたくなるような情報も混ざっているので、末期ガンの犬の治療やサポート、ケアについてはかかりつけの医師としっかり相談しながら進めていくことをおすすめします。
そして、末期ガンの犬に必要なのは医療だけでなく大好きな飼い主さんの愛情だと思います。たっぷりのスキンシップやコミュニケーションは、犬たちの心と体をきっと癒すことでしょう。