1.ラブラドール・レトリバー
ラブラドール・レトリバーといえば盲導犬という印象が強いため、賢く従順なイメージを持ちやすいのではないでしょうか。
ラブラドール・レトリバーの「レトリバー」とは「レトリーブ(取ってくる・運ぶ)する」という意味で、もともとは狩猟犬として、人間が銃で仕留めた獲物を持ってくることで人間の狩猟のサポートをしていました。訓練性能が高いだけでなく、フレンドリーで穏やかな性格のため、愛玩犬としてだけではなく、さまざまな分野での使役犬としても活躍しています。
2.ボーダー・コリー
ボーダー・コリーは、牧羊犬として活躍する代表的な犬種の1つです。飼い主さんの指示に従って、難しい羊たちのコントロールをいとも容易く行ってしまう姿は、まさに従順かつ有能そのもの。全犬種の中で最も賢いという説すらあるほどです。
大型犬で多くの運動量を必要とすることから、日本ではメジャーな家庭犬とはいえませんが、家庭犬として飼育した場合にはディスク・ドッグやアジリティ、ドッグ・ダンスなど、さまざまなアクティビティを一緒に楽しむことができますよ。
3.トイ・プードル
トイ・プードルといえば、近年の日本国内の人気犬種ランキングでは常にトップを争っていますよね。ぬいぐるみのような愛らしいシルエットが人気の理由ですが、実は、ただ可愛いだけではなく賢い犬種でもあることは意外に知られていません。
小型犬の中で最も賢いとさえ言われる学習能力の高さから、日常生活のしつけもスイスイ飲み込んでくれるだけでなく、抜け毛が少なくお手入れの手間もかからないなど、家庭犬としてはパーフェクトの素質を持っているのも、隠れた人気の理由なのかもしれません。
4.柴犬
柴犬をはじめとする日本犬は、忠犬ハチ公などの逸話から、飼い主さんに従順で忠実なイメージが強いですよね。縄張り意識が強いという特性から、わんこの外飼いが一般的だった時代には番犬としても重宝されてきました。
一方で、飼い主さん以外には心を開かなかったり、犬というより猫のような気まぐれでツンデレな性格も特徴です。洋犬と同じような関わり方や暮らし方を夢見て飼いはじめると、少し期待外れに思ってしまうかもしれません。
愛犬を『従順』に育てるポイント
これまで、飼い主さんに従順といわれる犬種をご紹介してきましたが、これらの犬種であれば何もしなくても従順になるわけではありません。むしろ、従順といわれる犬種は概して知能が高いため、飼い主さんは一度「ナメられて」しまうと、かえって言うことを聞かなくなってしまいます。重要なのは、愛犬から「この人の言うことを聞いていれば絶対に大丈夫!」という信頼を勝ち取ることです。
メリハリをつける
まず大切なのは、褒めるときは褒め、叱るときには叱る、メリハリのある姿勢です。飼い主さんがあいまいな態度を見せていると、わんこは何が正しくて何がいけないのかを理解することができず、自分で勝手に善悪の判断をして動くようになってしまいます。
さらに、褒めるときには高い声で、叱るときには低い声で、といったように声のトーンでも明らかな格差をつけると、わんこにも伝わりやすくなりますよ。
一貫した毅然とした態度で
同じことをしたのに、タイミングによって黙認されたり叱られたりと反応が異なると、わんこは戸惑ってしまいます。わんこの信頼を得るためには、どんなときでも一貫した態度をとること、そして、的確な指示を与えることが必要です。
たとえば、わんこがつまみ食いやお散歩を要求してきたときもそうです。一度要求に応えてしまうと、わんこは味を占めて要求行動をエスカレートさせてしまいますが、徹底して無視を貫けば、要求には意味がないと学習して欲しがらないようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?一般的に従順といわれる犬種をご紹介しましたが、わんこの性格にはあくまで先天的な個体差があり、また、後天的には飼い主さんのしつけによるところも大きくなります。実はこれらの犬種の中には「期待していたように従順にならなかった」からといって飼育放棄され、悲しい結末を迎える子も少なくないのが現実です。愛犬がどんな性格の子であっても、最後まで愛しぬくことが飼い主さんの責任なのです。