1.『サルーキ(Saluki)』
歴史
サルーキの特徴によく似た彫刻が、紀元前6000年以上も前の遺跡の中から発見されました。また、紀元前2100年頃には、サルーキのミイラ(遺体)が、エジプトの墓の中から発見されています。エジプトの王家の犬として暮らしていたため、王族の一緒に埋葬されたのだそうです。サルーキは、12世紀頃にヨーロッパへ渡り、さらに16世紀頃には、肖像画に描かれた姿がドイツで見つかっています。
特徴
華奢なカラダからもわかるように、サルーキは体脂肪の少ない犬です。そのため、冬の寒さに弱い個体がほとんどです。あたたかい地域であっても、冬の防寒対策を十分に行わなければなりません。また、絡みやすい被毛であるため、こまめなブラッシングも欠かせません。室内で過ごすときは、とても落ち着きがあり、穏やかな犬です。
しかし、屋外では走ることが大好きで、走ることを得意とし、とにかく足が速い犬です。そのため、逸走の危険があるため、呼び戻しのためのトレーニングを必須とします。
2.『ペキニーズ(Pekingese)』
歴史
起源が定かではないペキニーズですが、ヨーロッパから中国に渡ったのではないかとされています。そして、中国の歴代宮廷内のみで飼育され、中国では数千年の歴史があると言われています。13世紀頃の宗や元の時代に生きたペキニーズの飼育記録が残されています。1860年に起きたアヘン戦争では、北京の宮廷の居室で、5頭のペキニーズが発見されたとされています。
特徴
頑固者で自尊心の強い個体が多く、自分のペースを崩すことのない、とにかくマイペースな犬です。人懐こい一面はあるものの、人に対して媚びることをせず、抱かれることもあまり好きではありません。それほど活発的な犬ではないため、室内や庭で遊ばせる程度の運動でも満足させることができます。
しかし、外の刺激に触れることを好む個体もおり、適度な散歩に連れ出してあげることが望ましいです。
3.『サモエド(Samoyed)』
歴史
ロシアの遊牧民族であるサモエド族と暮らし、その民族の名前をそのまま名付けられたサモエドは、シベリアン・スピッツと呼ばれることもある犬です。サモエドの遺伝子は、オオカミによく似ており、原始的な犬に近いとされています。
19世紀には、極地探検隊のソリを引く犬として活躍し、1911年には50頭ほどのサモエドが南極の地を踏んでいます。スタンダートとなるサモエドが作られたのは1909年で、1912年にイギリスケンネルクラブにて、正式な犬種として公認されました。
特徴
ふわふわの真っ白な美しい被毛が魅力のサモエドですが、以前には、ブラックやブラウンの被毛を持つ個体もいたとされています。イギリスで白い被毛が好まれる傾向にあり、選択繁殖が繰り返されるうちに、白い被毛を持つ個体ばかりになったようです。
日本では、大きなカラダが好まれず、サモエドとジャーマン・スピッツを交配し、日本スピッツという小型化した犬が人気だった時代もあります。しかし、最近は日本スピッツが飼育頭数を減らす一方で、大きなカラダと温厚な性格が人気のサモエドが飼育頭数を増やしているようです。
まとめ
歴史が深い犬種の中から、
- サルーキ
- ペキニーズ
- サモエド
この3つの犬種をご紹介したのですが、みなさんは、実際に触れ合ったことのある犬種でしょうか。私は、残念ながら、どの犬種とも触れ合った経験がまだありません。ペキニーズは、たまに見かけることがあるのですが、なかなか声をかけられずにいます。みなさんの中にも、歴史の深い古い犬種と暮らされている方がいらっしゃるでしょうか。