1.牧畜犬・牧羊犬
第1グループは「シープドッグ&キャトルドッグ」で、牧畜犬や牧羊犬のグループです。シープドッグは羊、キャトルドッグは牛の管理をするためにつくり出された犬種です。家畜の誘導のほか、オオカミや不審者などの外敵から家畜を守ることも仕事でした。第1グループの犬種は思考力や判断力が優れており、運動神経も抜群です。
- ウェルシュコーギー
- ボーダーコリー
- シェットランドシープドッグ
- ジャーマンシェパード
- スキッパーキ
などが分類されています。
2.使役犬
使役犬は番犬や警護、作業をする犬種です。重い荷物を引いたり、救助犬や軍用犬もこのグループに入ります。動物を狩猟すること以外の仕事をするグループと言えます。タフな身体に強い警戒心を持つ犬種が多く、家庭犬として飼う場合には攻撃性が高いところに注意が必要なグループです。
- ミニチュアピンシャー
- ジャーマンピンシャー
- ミニチュアシュナウザー
- ジャイアントシュナウザー
- グレートデーン
- シャーペイ
- セントバーナード
- ドーベルマン
- チベタンマスティフ
- 土佐犬
- ブルドッグ
- バーニーズマウンテン
などが分類されています。
3.テリア
第3グループは名前に○○テリアと付くテリア種です。「テリア」とは大地という意味のラテン語「テラ」が由来で、巣穴にいるネズミやアナグマなどの小動物を狩猟するお仕事をしていました。性格はガンコで勝気な子が多く、粘り強さも抜群で「テリア気質」と呼ばれています。
4.ダックスフンド
第4グループはダックスフンド種です。ダックスフンドという名前はドイツ語で、「ダックス」とは「アナグマ」、「フンド(フント)」は「ハウンド(狩猟)」という意味です。長い胴体に短い足というユニークな体型は、巣穴にいるアナグマやウサギを狩猟しやすいように品種改良されて生み出されました。性格は陽気でフレンドリーな半面、狩猟犬としてのガンコさと粘り強さも持ち合わせています。
5.スピッツタイプ・原始タイプ
第5グループは原始的でオオカミに近い姿を残している犬種のグループです。性格は落ち着きがあり、警戒心が高めです。思考力や判断力にも優れています。
- 柴犬
- 秋田犬
- 甲斐犬
- 紀州犬
- シベリアンハスキー
- 日本スピッツ
- ポメラニアン
などが分類されています。
「スピッツ」とはドイツ語で「尖ったもの」という意味で、スピッツの尖ったマズルに立ち耳、巻き尾の特徴を指しています。柴犬をはじめとする日本犬がこのグループであるという特徴があります。
6.嗅覚ハウンド
第6グループは嗅覚狩猟犬のグループです。優れた嗅覚を活用し、獲物となる動物を見つけてハンターに吠えて知らせるお仕事をしていました。特徴は垂れ耳であることで、性格は穏やかで愛情深い子が多いです。また、脚力に優れてスタミナ抜群という特徴があります。
- ビーグル
- ダルメシアン
- バセットハウンド
などが分類されています。
7.鳥猟犬①
第7グループは鳥猟犬の「ポインティング・ドッグ」のグループです。獲物となる鳥を見つけてハンターに居場所(ポイント)を教えるお仕事をしていました。性格は穏やかで攻撃性が低い子が多く、家庭犬として飼いやすい犬種です。
- イングリッシュポインター
- イングリッシュセター
- ワイマラナー
などが分類されています。
8.鳥獣犬②
第8グループは第7グループ以外の鳥猟犬が分類されています。同じ鳥猟犬ですが、獲物である鳥の居場所を教える第7グループに対し、第8グループはハンターが撃ち落とした鳥の回収をしたり、隠れている鳥を追い立てるお仕事をするグループです。性格は第7グループと同じく温厚で従順な子が多いのですが、第8グループはイタズラ好きな子が多いという特徴もあります。
- ゴールデンレトリーバー
- ラブラドールレトリーバー
- アメリカンコッカースパニエル
- イングリッシュスプリンガースパニエル
などが分類されています。
9.愛玩犬
第9グループは「コンパニオンドッグ」「トイドッグ」のグループです。このグループはペットとして飼うことを目的に生み出された愛玩犬のグループで、ほとんどが小型犬です。もともと狩猟犬であった犬種をさらに家庭犬として品種改良して生み出されたため、性格はその元となる犬種が何かによって違いが見られます。
- トイプードル
- チワワ
- シーズー
- パピヨン
- フレンチブルドッグ
- マルチーズ
- パグ
- キャバリアキングチャールズスパニエル
- ビションフリーゼ
などが分類されています。
10.視覚ハウンド
第10グループは「サイト・ハウンド」のグループです。「サイト」とは英語で「視覚」を意味し、優れた視覚を活用して獲物を見つけて追い詰めるお仕事をしてきました。このグループの特徴は「速く走れることに特化した骨格」にあり、引き締まった体型をしていることです。獲物の体力がなくなるまで追い詰める仕事をしてきたため、強靭なスタミナと脚力を持ちます。
- イタリアングレートハウンド
- ボルゾイ
- アフガンハウンド
- サルーキ
などが分類されています。
まとめ
今回は10の犬種グループについて解説いたしました。
犬は太古の昔から人間のお仕事のパートナーとして共に生きてきた動物で、その仕事に特化した能力や姿に改良されてきました。この10のグループは犬たちが協力してくれてきた役割によって分類されているとも言えます。
人間の仕事に合わせて品種改良されてきたことにより、グループによって体型や能力、気質の特徴にそれぞれ個性があります。第4グループに関しては、大きさは違えどもダックスフンドのみで構成されているところが興味深いところです。みなさんのパートナーはどのグループだったでしょうか?